あん摩師等法19条訴訟(東京・大阪・仙台)

2020年6月9日

あはき19条訴訟 第2審

東京高裁 第1回口頭弁論(2020年10月1日)

あはき19条訴訟 第1審

仙台地裁 判決(2020年6月8日)

大阪地裁 判決(2020年2月25日)

東京地裁 判決(2019年12月16日)

 

東京高裁 第1回口頭弁論(2020年10月1日)

   平成医療学園グループの横浜医療学園専門学校が、国に対し、あはき法19条によるあん摩マッサージ指圧師養成施設設置の非認定処分を取り消すことを求めた訴訟の第1回口頭弁論が、東京高等裁判所101号法廷において、10月1日14時30分から行われた。法廷傍聴には、コロナに配慮して35名の傍聴しか認められない中、日視連関東ブロック協議会、日本あん摩マッサージ指圧師会、日本理療科教員連盟、全日本視覚障害者協議会等の当事者・支援者など150名程が参集した。口頭弁論に先立ち、東京高等裁判所民事第19部岡口基一裁判官に対して、あん摩師等法19条関東協議会、日視連関東ブロック協議会をはじめ全視協、全日本鍼灸マッサージ師会からの団体署名64部を提出。更に15団体分の署名を送付するなど、79団体分の署名を東京高裁に届けることができた。

【写真の説明】傍聴券を求め東京高等裁判所に向かう姿

 口頭弁論では、裁判長から、視覚障害のある傍聴者に対してこれまでの経過説明が行なわれるなどの配慮が見られた。本件の主要な争点は、非認定処分の根拠法であるあはき法19条1項の合憲性であるが、第1審東京地裁は、この点に関し、同条は「重要な公益目的に関する必要かつ合理的な規制であり立法裁量の逸脱はなく合憲」と判断し、平成医療学園の求める不認定処分の取り消しを認めなかった。控訴審で、平成医療学園はこの第1審判決を不服として取り消しを求め、国は控訴の棄却を求めた。今回の期日では、平成医療学園より控訴理由書が、国からは答弁書が出され、それぞれが提出した証拠の取り調べが行われた。また、平成医療学園は、裁判所に対し、第1審で国が提出した藤井亮輔教授の論文の信用性を弾劾するためとして、平成18年「身体障害児・者実態調査」以降の視覚障害者に関する統計資料を提出するよう調査嘱託という手続きを申し立てたが、裁判長はこれを、「模索的な申立であり、必要性が認められない」として却下した。以上のやり取りをもって控訴審における弁論は終結し、本年12月8日16時、東京高裁101号法廷において控訴審の判決が言い渡される。

仙台地裁 判決(2020年6月8日)

 平成医療学園グループの学校法人福寿会・福島医療専門学校が、あん摩師等法19条を違憲とする訴訟を国に対して起こした裁判について、6月8日、仙台地裁小川理佳裁判長より、19条は合憲であることから原告の訴えを棄却するとの判決が言い渡された。判決後には、記者会見、記者会見と並行し集会が行われた。


【写真の説明】判決後に仙台地裁前で行われた集会の様子

同日、あん摩師等法19条連絡会により声明が発出された。
以下、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律19条訴訟における仙台地方裁判所判決に対する声明」

2020年6月8日 

 

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
19条訴訟における仙台地方裁判所判決に対する声明

あん摩師等法19条連絡会 
代表者 竹下義樹 

 わが国においては、長年にわたりあん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師が、視覚障害者の生業の中心となり、視覚障害者の職業的自立を支えてきました。ところが、戦後に至り晴眼者がこの分野に数多く進出してきたことから、この分野における視覚障害者の職業的占有率が低下し始めたことを受け、視覚障害者の職業的自立を維持する目的で、1964年(昭和39年)にあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下、「あん摩師等法」と略します)が改正され、その19条1項に「・・・当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、・・・視覚障害者であるあん摩マツサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての・・・認定又はその生徒の定員の増加についての・・・の承認をしないことができる。」という規定が設けられ、今日に至っています。

これに対し、平成医療学園グループは、福島県、神奈川県、大阪府及び兵庫県に設置したはり師きゅう師を養成する専門学校ないし大学にあん摩マッサージ指圧師の養成課程を新設するための施設認定請求があん摩師等法19条1項によって厚生労働大臣及び文部科学大臣によって棄却されたことから、2016年(平成28年)7月に認定処分取消訴訟を仙台地方裁判所、東京地方裁判所及び大阪地方裁判所に提起しました。

そこで、私たちは、「あん摩師等法19条連絡会」を結成し、平成医療学園グループが提起した訴訟は視覚障害者の職業的自立を破壊するものであり、自らの利益のみを図ろうとするものであるとして、その主張の不当性を訴えてきました。平成医療学園グループは、かかる訴訟において、あん摩師等法19条は憲法22条等に反していると主張してきました。しかし、平成医療学園グループの主張は、わが国において視覚障害者の職業的選択が未だ十分には保障されておらず、今なおあん摩マッサージ指圧師の分野においては視覚障害者の就業を保護する必要性は高く、これまでの最高裁判例等に照らしてもあん摩師等法19条の規定は憲法22条等に反するものではありません。

あん摩師等法19条が制定された1964年(昭和39年)当時のあん摩マッサージ指圧師における視覚障害者が占める割合は60%を超えていましたが、すでに設置されているあん摩マッサージ指圧師の養成施設から輩出される晴眼者が増え続けているため、今日においてはこの分野における視覚障害者の占有率は20%を切る状況となっています。そうした状況の下で、あん摩師等法19条による規制が緩和されるようなことがあれば、さらに晴眼者の占有率が加速度的に拡大し、この分野における視覚障害者の職業的自立は成り立たなくなります。また、あん摩マッサージ指圧師が乱造される事態はこの分野における質の低下を招き、国民の健康被害をも引き起こしかねない事態となります。私たちは、視覚障害を有するあん摩マッサージ指圧師の職業的自立を維持し、この分野における業界の秩序ある発展を期するためにもあん摩師等法19条は維持されるべきであり、国が平成医療学園グループの施設認定請求を棄却したことは極めて妥当なものであるとして、国の立場を支持してきました。

本日、仙台地方裁判所が昨年12月16日の東京地裁および本年2月25日の大阪地裁の判決と同様に、平成医療学園グループの主張を退け国の主張を正当なものとして判示したことは、私たちの切なる願いと合致するものであり、これを高く評価し支持します。

 

大阪地裁 判決(2020年2月25日)

 

 平成医療学園グループの平成医療学園専門学校ならびに宝塚医療大学があん摩師等法19条を違憲とする訴訟を国に対して起こした裁判について、2月25日、大阪地裁三輪方大裁判長より判決が言い渡された。判決内容は、19条は合憲であることから原告2校の訴えをいずれも棄却することと、裁判費用についても原告2校がいずれも負担することの2点となっている。判決後には、記者会見、そして集会が行われた。

【写真の説明】大阪地裁判決後の記者会見の様子

  同日、あん摩師等法19条連絡会により声明が発出された。
以下、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律19条訴訟における大阪地方裁判所判決に対する声明」

2020年2月25日 

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律
19条訴訟における大阪地方裁判所判決に対する声明

あん摩師等法19条連絡会 
代表者 竹下義樹 

 わが国においては、長年にわたりあん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師が、視覚障害者の生業の中心となり、視覚障害者の職業的自立を支えてきました。ところが、戦後に至り晴眼者がこの分野に数多く進出してきたことから、この分野における視覚障害者の職業的占有率が低下し始めたことを受け、視覚障害者の職業的自立を維持する目的で、1964年(昭和39年)にあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(以下、「あん摩師等法」と略します)が改正され、その19条1項に「・・・当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、・・・視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての・・・認定又はその生徒の定員の増加についての・・・の承認をしないことができる。」という規定が設けられ、今日に至っています。
 これに対し、平成医療学園グループは、福島県、神奈川県、大阪府及び兵庫県に設置したはり師きゅう師を養成する専門学校ないし大学にあん摩マッサージ指圧師の養成課程を新設するための施設認定請求があん摩師等法19条1項によって厚生労働大臣及び文部科学大臣によって棄却されたことから、2016年(平成28年)7月に認定処分取消訴訟を仙台地方裁判所、東京地方裁判所及び大阪地方裁判所に提起しました。
 そこで、私たちは、「あん摩師等法19条連絡会」を結成し、平成医療学園グループが提起した訴訟は視覚障害者の職業的自立を破壊するものであり、自らの利益のみを図ろうとするものであるとして、その主張の不当性を訴えてきました。平成医療学園グループは、かかる訴訟において、あん摩師等法19条は憲法22条等に反していると主張してきました。しかし、平成医療学園グループの主張は、わが国において視覚障害者の職業的選択が未だ十分には保障されておらず、今なおあん摩マッサージ指圧師の分野においては視覚障害者の就業を保護する必要性は高く、これまでの最高裁判例等に照らしてもあん摩師等法19条の規定は憲法22条等に反するものではありません。
 あん摩師等法19条が制定された1964年(昭和39年)当時のあん摩マッサージ指圧師における視覚障害者が占める割合は60%を超えていましたが、すでに設置されているあん摩マッサージ指圧師の養成施設から輩出される晴眼者が増え続けているため、今日においてはこの分野における視覚障害者の占有率は20%を切る状況となっています。そうした状況の下で、あん摩師等法19条による規制が緩和されるようなことがあれば、さらに晴眼者の占有率が加速度的に拡大し、この分野における視覚障害者の職業的自立は成り立たなくなります。また、あん摩マッサージ指圧師が乱造される事態はこの分野における質の低下を招き、国民の健康被害をも引き起こしかねない事態となります。私たちは、視覚障害を有するあん摩マッサージ指圧師の職業的自立を維持し、この分野における業界の秩序ある発展を期するためにもあん摩師等法19条は維持されるべきであり、国が平成医療学園グループの施設認定請求を棄却したことは極めて妥当なものであるとして、国の立場を支持してきました。
 本日、大阪地方裁判所が昨年12月16日の東京地裁の判決と同様に、平成医療学園グループの主張を退け国の主張を正当なものとして判示したことは、私たちの切なる願いと合致するものであり、これを高く評価し支持します。

※資料 「19裁判大阪地裁判決声明文」(txt形式/3KB)

 

 

東京地裁 判決(2019年12月16日)

 

 平成医療学園グループの横浜医療専門学校が、あん摩師等法19条を違憲とする訴訟を国に対して起こした裁判について、12月16日、東京地裁古田孝夫裁判長より判決が言い渡された。判決内容は、19条は合憲であることから原告の訴えを棄却することと、裁判費用は原告が負担することの2点となっている。判決後、東京地裁2階記者会見室にて記者会見が開かれた。会見には主要な報道機関が詰めかけ関心の高さが伺えた。また、記者会見と平行し、東京地裁前で集会が行われた。集会では、残る大阪地裁、仙台地裁での国の完全勝訴に向けて参加者全員が決意を新たに地裁前で声を高らかに上げた。


【写真の説明】東京地裁判決後の記者会見ではあん摩師等法19条連絡会 竹下義樹代表をはじめ関係者が出席した。記者会見に並行し青空の下、行われた集会では、日視連、日本あん摩マッサージ指圧師会、日本理療科教員連盟、全日本視覚障害者協議会等の当事者・支援者が集まった。

  同日、あん摩師等法19条連絡会により声明が発出された。
以下、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律19条訴訟における東京地方裁判所判決に対する声明」。

2019年12月16日 

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律
19条訴訟における東京地方裁判所判決に対する声明

  あん摩師等法19条連絡会  
代表者 竹下 義樹  

 わが国においては、長年にわたりあん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師が、視覚障害者の生業の中心となり、視覚障害者の職業的自立を支えてきました。ところが、戦後に至り晴眼者がこの分野に数多く進出してきたことから、この分野における視覚障害者の職業的占有率が低下し始めたことを受け、視覚障害者の職業的自立を維持する目的で、1964年(昭和39年)にあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(以下、「あん摩師等法」と略します)が改正され、その19条1項に「当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マッサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。」という規定が設けられ、今日に至っています。
 これに対し、平成医療学園グループは、福島県、神奈川県、大阪府及び兵庫県に設置したはり師きゅう師を養成する専門学校ないし大学にあん摩マッサージ指圧師の養成課程を新設するための施設認定請求があん摩師等法19条1項によって厚生労働大臣及び文部科学大臣によって棄却されたことから、2016年(平成28年)7月に認定処分取消訴訟を仙台地方裁判所、東京地方裁判所及び大阪地方裁判所に訴訟を提起しました。
 そこで、視覚障害者団体や鍼灸マッサージの職業団体等の関係16団体が結集して「あん摩師等法19条連絡会」を結成し、平成医療学園グループが提起した訴訟は視覚障害者の職業的自立を破壊するものであり、自らの利益のみを図ろうとするものであるとして、その主張の不当性を訴えてきました。平成医療学園グループは、かかる訴訟において、わが国では視覚障害者の職業領域が広がり、あん摩マッサージ指圧師の分野において視覚障害者を特に保護する必要性はなくなったとか、自らの学校経営という営業の自由が侵害されている等と主張し、あん摩師等法19条は憲法22条等に反していると主張してきました。しかし、平成医療学園グループの主張は、わが国において視覚障害者の職業的選択が未だ十分には保障されておらず、極めて狭い範囲でしか就労できていないという視覚障害者の就労実態に反するものであり、今なおあん摩マッサージ指圧師の分野においては視覚障害者の就業を保護する必要性は高く、あん摩師等法19条によって平成医療学園グループの営業の自由が合理的な理由によって制限されているとしても、これまでの最高裁判例等に照らしてもあん摩師等法19条の規定は憲法22条等に反するものではありません。
 あん摩師等法19条が制定された1964年(昭和39年)当時のあん摩マッサージ指圧師における視覚障害者が占める割合は60%を超えていましたが、すでに設置されているあん摩マッサージ指圧師の養成施設から輩出される晴眼者が増え続けているため、今日においてはこの分野における視覚障害者の占有率は20%を切る状況となっています。そうした状況の下で、あん摩師等法19条による規制が緩和されるようなことがあれば、さらに晴眼者の占有率が加速度的に拡大し、この分野における視覚障害者の職業的自立は成り立たなくなります。また、あん摩マッサージ指圧師が乱造される事態はこの分野における質の低下を招き、国民の健康被害をも引き起こしかねない事態となります。私たちは、視覚障害を有するあん摩マッサージ指圧師の職業的自立を維持し、この分野における業界の秩序ある発展を期するためにもあん摩師等法19条は維持されるべきであり、国が平成医療学園グループの施設認定請求を棄却したことは極めて妥当なものであるとして、国の立場を支持してきました。
 本日、東京地方裁判所が平成医療学園グループの主張を退け国の主張を正当なものとして判示したことは、私たちの切なる願いと合致するものであり、これを高く評価し支持します。私たちは、引き続き2020年(令和2年)2月25日に予定されている大阪地方裁判所における判決及び2020年(令和2年)4月27日に予定されている仙台地方裁判所における判決においても、本日の東京地裁判決と同様私たちの願いと合致する正当な判決が言い渡されることを切望するとともに、平成医療学園グループが本日の東京地裁判決を受け入れ、控訴しないことを強く要請します。

※資料 「19裁判東京地裁判決声明文」(txt形式/4KB)