交通バリアフリー

このページでは、視覚障害者に関する諸問題をご説明します。

目次

※職業就労に関しては、こちらをご覧下さい。

序文

1.はじめに・一般的概念

 視覚障害とは、メガネなどでは修正が効かない「見えない、見えにくい」という状態が続くか、さらに悪化する状態にあることを言います。また、視覚障害は「視力(見え方)」、「視野(見える範囲)」、「色覚(色の識別)」等が、それぞれ人によって異なる為、同じ視覚障害でもその症状は多岐に渡ります。

 視覚障害者は、視覚が不自由であること以外、晴眼者(目が見える人)と変わらない生活を送っています。視覚障害者とは、いわば目が不自由になっただけの人なのです。目が不自由という「不便さ」はありますが、「晴眼者と同じように生きていきたい」という気持ちを持っています。

 視覚障害者の感じる生活上の不自由は、主に以下の3つがあります。

(1)安全に一人で自由に移動できない(移動の困難性

(2)読む・書くという文字処理が自由にできない(文字処理の困難性

(3)生まれつき視力がない人は、色、形の実態が分らない(視認の困難性

 

2.四つの障壁(バリア)

 国は「完全参加と平等」の実現に向けて「障害者対策に関する新長期計画・全員参加の社会づくりをめざして(平成5年3月)」において、障害のある人を取り巻く次の4つの障壁を指摘しています。

(1)「物理的な障壁」

歩道の段差、車いす使用者の通行を妨げる障害物、乗降口や出入口の段差等の障壁のこと。

(2)「制度的な障壁」

障害があることを理由に資格・免許等の付与を制限する等の障壁のこと。

(3)「文化・情報面での障壁」

音声案内、点字、手話通訳、字幕放送、分かりやすい表示の欠如などによる障壁のこと。

(4)「心理的障壁」

心ない言葉や視線、障害者を庇護されるべき存在としてとらえる等の意識上の障壁のこと。

 

3.バリアフリー社会の実現のために重要な課題

 視覚障害者には、「移動の困難性」、「文字処理の困難性」等が共通してあると紹介しましたが、具体的には、

物理的な障壁の場合:段差解消のまちづくり、階段の解消の建築構造の工夫、鉄路ホームの転落防止等

制度的な障壁の場合:だれもが学べる教材の作成、各種試験の文字媒体の選択の自由、支援生殿普遍化等

文化・情報面での障壁の場合:映画演劇、テレビの無音声や字幕の副音声化、使い易いパソコン等電子情報機器の開発等

心理的障壁の場合:障害を理由に排除につながるいやみ、いじめ、陰口、村八分的な排他性等の排除

等を図り、障害のある人もない人も安全に安心して暮らせる社会の実現が最重要課題となります。

 

4.課題解決のために

(1)ユニバーサルデザインの考え方

 バリアフリー化の取り組みは、障害のある人々にとっての障壁を取り除く上で一定の成果を挙げています。しかし、バリアフリー化によって次のような問題も発生しています。

(ア)制約を受けやすい

バリアフリー化は、既存のものを改良する取り組みに限られがちであり、様々な条件の制約を受けやすくなります。

例)点字誘導ブロックを置くスペースがない等

(イ)別の障壁が生まれる

ある障壁への対応が、別の障壁を生み出してしまうことがあります。

例)視覚障害者のための誘導ブロックが車いすの通行の妨げとなる等

  このような欠陥を補正するため、設計段階からすべての人々が共通して利用できるようなものを構想する「ユニバーサルデザイン」という考え方があります。障害の有無に関係なく使えるものや構造物が造られれば、障害者は特別扱いを受けることなく、自然に社会に溶け込めるはずです。

今後の課題は、ユニバーサルデザインの考え方にもとづく製品が今後社会の理解を得て、いかに広まるかにあります。

 (2)新医療技術「ロービジョンケア」の誕生と普及

 不治の疾病をもつ視覚障害者は、これまで、眼科にかかっても「経過観察」をうけるだけで治療費を取られていた現実があります。

 「ロービジョンケア」は、不治の疾病は認めたうえで、生活の質(QOL、Quality of Life)を向上させる新しい医療技術です。これは、医師は患者の「QOL」を向上させる役割を担う診療をすべきであるとの考え方が元となっています。医師が専門家の立場から、弱視者、全盲者に対して、それぞれ心理的な側面から視覚障害リハビリテーションの重要性や、電子情報機器等の活用等によって、就労の可能性を助言します。

 しかし、制度がはじまって日が浅いため、医師側の体制や、経過観察に比べて診療に時間がかかるなどの現実があり、患者にとって理想的な広がりが見られていないという課題があります。

 これらの新しい考え方の課題の解決は、QOLの向上を図り、ノーマライゼーションの社会の実現に大きく近づく可能性を秘めているので、視覚障害当事者が、生の声を出していかなければなりません。