コミュニケーション支援で厚労省へ要望書を提出

2014年12月18日

 2014年12月12日に、全日本ろうあ連盟と全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、日本盲人会連合、全国盲ろう者協会(いわゆる「情報障害者」団体)の4団体の連名で、厚生労働省に対し要望書を提出しました。
 これは、厚生労働省が「障害者総合支援法」の附則(法施行3年後に法律の見直しを求めている規定)を受けて急遽「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ」を立ち上げる動きがあったことを受け、ワーキンググループにおいて、視聴覚障害者の意思疎通支援の在り方についての作業チームを立ち上げると共に、障害当事者団体として、本要望団体を構成する各団体から最低1名以上をメンバーに加えて欲しい旨を要望したものです。
 また、日本盲人会連合として、障害者等の移動の支援及び障害者の就労の支援その他の障害福祉サービスの在り方と高齢の障害者に対する支援の在り方についての作業チームの立ち上げると共に、該当作業チームに日本盲人会連合から最低1名以上をメンバーに加えて欲しい旨の要望書も重ねて提出しました。

要望書を提出する様子

要望書を提出する様子

 

 (1)4団体連名の要望書

 2014年12月12日

厚生労働大臣
 塩崎 恭久 殿

社会福祉法人日本盲人会連合
会長 竹下義樹

一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
理事長 新谷友良

社会福祉法人全国盲ろう者協会
理事長 阪田雅裕

要 望 書

 以下のことについて、要望しますので、よろしくお取り計らい下さい。

要望の趣旨
 障害者総合支援法の附則における3年後見直し規定等を踏まえて実施される「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ」を設置することとなったが、その設置要綱(案)にもある「必要に応じ検討項目について検討するための作業チーム」として、視聴覚障害者の意思疎通支援の在り方についての作業チームを立ち上げると共に、障害当事者団体として、本要望団体を構成する各団体から最低1名以上をメンバーとして加えてください。

要望の理由
 障害者総合支援法附則3条にいう「意思疎通を図ることに支障がある障害者」は、特に視覚及び聴覚、言語に障害を有する者がどのようなニーズを有しているか、また現状においてそのニーズに制度がどの程度対応できているかを把握することが必要です。
 意思疎通を的確に図るためには、その前提となる情報が十分に保障されなければなりません。視覚ないし聴覚に障害がある者にとっては、常に情報から疎外されており、支援を受けなければその場での外界の状況すらも十分に把握できない状況におかれています。
 本要望を行う4団体は、わが国における視覚・聴覚障害を有する障害者を代表する団体です。また、視覚、聴覚、言語の機能障害については、その程度や発症時期、あるいはその重複によって障害の特性は同一ではありません。
 本要望団体は、意思疎通に障害がある点で共通する感覚機能障害者の団体ですが、視覚及び聴覚、言語の障害の程度や発症、あるいは重複によって大きく異なる特性を有する障害者を代表する団体です。
 したがって、意思疎通に対する支援を検討するためには、本要望団体のそれぞれから代表が委員会に加わることが必要不可欠であると考えます。

以 上

 

(2)日本盲人会連合要望書

 2014年12月15日

厚生労働大臣
 塩崎 恭久 殿

社会福祉法人日本盲人会連合
会長 竹下義樹

要 望 書

  以下のことについて、要望しますので、よろしくお取り計らい下さい。

要望の趣旨
 障害者総合支援法の附則における3年後見直し規定等を踏まえて実施される「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ」を設置することとなったが、その開催要綱(案)にもある「必要に応じ検討項目について検討するための作業チーム」として、1.障害者等の移動の支援及び障害者の就労の支援その他の障害福祉サービスの在り方、2.高齢の障害者に対する支援の在り方についての作業チームを立ち上げると共に、障害当事者団体として、本連合から最低1名以上をメンバーとして加えてください。

要望の理由
1.視覚障害者とっての移動支援は、日常生活及び社会生活において最も重要な支援であり、かつ安全確保の見地からもその在り方は十分に検討されることが必要です。これまでの移動支援(地域生活支援事業としての移動支援事業、同行援護事業など)の現状とその問題点の分析の上に立って、今後の在り方が検討されなければなりません。
2.視覚障害者の就労支援の検討にあたっては、伝統的職業であり、視覚障害者の職業的自立の中心となってきた鍼灸マッサージや音楽教授などの就労(就業)実態とその問題点を分析し、今後の支援策が検討されなければなりません。また、総合支援法に基づく就労支援事業においても、そうした職種にふさわしい事業の在り方や視覚障害の特性に即した職種が開発されることも必要です。
3.視覚障害者の7割以上は高齢障害者です。また、中途視覚障害者の増加は国民の高齢化とともに増加しています。そうした実態をふまえ、障害者福祉サービスと介護保険給付との関係や連続性が十分に検討されなければなりません。
4.視覚障害者は、常に情報から疎外されており、支援を受けなければその場での外界の状況すらも十分に把握できない状況におかれています。視覚障害者に対する支援の本質は、情報保障と言っても過言ではありません。本要望を行う本連合は、わが国における視覚障害者を代表する団体です。また、視覚の機能障害については、その程度や発症時期によって障害の特性は同一ではありません。したがって、移動支援や就労支援、あるいは高齢障害者に対する支援を検討するためには、本連合から委員会に加わることが必要不可欠であると考えます。