自民党ユニバーサル議連で意見表明

2016年2月25日

 2月24日、日盲連は自民党が開催する「自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟」の会議に出席をした。今回の開催においては、視覚障害者に係わるバリアフリー関連の要望事項を取りまとめ、要望書として事前提出を行い、会議の開催に合わせて各府省庁から回答を頂いた。要望内容と回答は下記のとおり。
 会議当日は、日盲連からは竹下義樹会長、藤井貢組織部長が参加し、竹下会長からは4月1日より施行される障害者差別解消法について、①紛争解決の規定が明確になっていないことから法務局の人権擁護委員会の役割が重要になるので、各地の人権擁護委員においては障害者からの相談が上手く対応出来るように人員配置や研修を行うこと、②障害者差別解消法の国民の周知が足りないので、国民に対する啓蒙啓発に力を入れて欲しい旨を要望した。 
 また、参加を頂いた赤沢りょうせい衆議院議員(鳥取2区)からは、障害者の防災や災害対応に関する質問があり、竹下会長からは、テレビ放送における緊急・臨時放送の字幕スーパーの音声化を必ず行う事を改めて要望した。

 

竹下義樹会長の発言の様子

竹下義樹会長の発言の様子

 

 

平成28年2月24日 自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟
 日盲連からの要望に対する各府省庁からの回答一覧

1.障害者総合支援法について

(1)各都道府県に生活訓練・歩行訓練士配置の最低配置基準を創設いただくよう要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室、施設管理室、障害福祉課
①視覚障害者が地域で生活をする上で、必要に応じて生活・歩行訓練を受けられることは重要であると考えています。
②このため、その生活訓練や歩行訓練を行う事業を、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのうち、身体障害者の身体機能・生活能力の維持、向上等を図る訓練を行う「機能訓練」に位置付け、事業所の整備に対する補助や、運営費の国庫負担により必要なサービスが受けられるよう、基盤の整備に努めているところです。
 なお、地域生活支援事業の市町村事業では、地域の実情に応じて実施する訓練 等を支援しています。
 ※自立訓練(機能訓練)事業所数188事業所(平成27年10月時点)
③また、視覚障害者に対する生活訓練等を行う者の養成については、国立障害者リハビリテーションセンター及び社会福祉法人日本ライトハウス(委託実施)において実施しているところです。
(2)点訳者、音訳者の育成事業が実施できるよう要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室
①地方自治体が地域の実情や障害者のニーズに応じて実施する地域生活支援事業において、都道府県及び市町村は、奉仕員養成研修事業として点訳・音訳者の養成事業を実施することができます。当該事業の実施については、全国会議等の機会を通じて周知を図っているところであり、今後も事業の周知に努めてまいります。
②また、社会保障審議会障害者部会の報告書で、各障害種別の専門性を高めるとともに、司法、医療等の専門分野への対応を図るための指導者養成を強化すべきとされたことを受け、必要な研修の内容の検証など今後の対応について検討してまいります。
(3)同行援護事業を通勤通学、個人事業主の出張にも適用いただくよう要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
①通勤・通学等に関する同行援護を含む移動支援については、社会保障審議会障害者部会における議論を踏まえ、その報告書において、
・ 福祉政策のみならず、関係省庁とも連携し、事業者、教育機関、公共交通機関等による「合理的配慮」の対応、教育政策や労働政策との連携、地方公共団体(福祉部局、教育委員会等)における取組等を総合的に進めていくべきである
・ その上で、まずは、通勤・通学に関する訓練を就労移行支援や障害児通所支援により実施することとし、これを必要に応じて評価すべきであるとされました。
②これらを踏まえ、通勤・通学に関する訓練に対する評価については、次期報酬改定に向けて検討するとともに、通勤・通学等に関する移動支援のあり方については、関係省庁とも連携し、引き続き、検討してまいります。
(4)同行援護事業の報酬について、現在の「身体介護有り」と「身体介護無し」の区分を一本化し、報酬の見直しを行うことを要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
①平成27年度障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおいて、障害福祉サービス等に係る報酬にいて公開の場で検討を行ったところですが、同行援護の報酬については、
・ 利用者の多くが「身体介護なし」の単価が算定されていること、
・ 一方で、利用者の高齢化に伴い、今後、「身体介護あり」に移行していくことが想定されることなどから、単価の一本化等については「拙速に変えるより利用実態と合わせて検討していくべき」とのご意見等があったことも踏まえ、今回の改定において行わなかったところです。
 ② なお、今回の報酬改定において、
・ 障害福祉サービス等報酬改定全体の考え方として、小規模事業者の経営に配慮したものとするため、同行援護については基本報酬を減額としない
・ 中重度の利用者を重点的に受け入れるとともに、人員基準を上回る常勤のサービス提供責任者を配置する事業所について、新たに特定事業所加算Ⅳによる評価を行う 等の措置を講じたところであり、今後とも、同行援護の充実に努めてまいります。
(5)65歳を過ぎて障害をもった障害者に対して、情報保障など障害に着目した制 度が活用できるよう要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室、障害福祉課
 「点訳、代筆、代読、音声訳等による支援事業」や「点字・声による広報等発行事業」などを地域生活支援事業において実施しており、地域生活支援事業については、介護給付との給付調整の適用がないため、65歳を過ぎても引き続き利用可能となっているところです。

2.情報アクセシビリティーの確保について

(1)テレビ放送のニュース番組における字幕スーパー、テロップ、および緊急、臨時放送チャイムの後の字幕スーパーの音声化を要望します。
【回答】総務省
①ニュース番組や緊急・臨時放送の字幕スーパーの音声化については、放送事業者において対応が可能な場合はアナウンサーによる読み上げを行っています。
②また、NHK放送技術研究所においてニュース速報のテロップ(地震速報等)の内容を自動的に副音声として創出する技術を研究・開発中です。
③総務省としても、大規模災害等緊急放送時の報道番組で、視聴覚障害者に対して、速やかに、災害発生状況、避難情報等の緊急情報を保障する役割を担えるように、放送事業者に対し、技術開発の推進等による取組を要請して参りたいと考えております。

(2)スマートフォンやタブレット端末等の新たな情報端末を視覚障害者も容易に活用できるよう基準化を図ることを要望します。
【回答】経済産業省
①スマートフォンやタブレットについては、音声認識による端末操作・情報探索に対応した機種・アプリが続々と投入されているところです。
②通信機器については、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)が主催する情報通信アクセス協議会において、製造メーカだけでなく、日本盲人会連合をはじめとする障害者団体(※1)も参加し、製造メーカ向けに、昨年1月に携帯電話等アクセシビリティ配慮チェックシート(※2)を策定し、チェックシート並びにチェックした製品についてHPにて公開しております。
③また、国際的にはISO/IECにおいてスマートフォンの指による操作の標準化に向けた議論が開始されております。現在iOSやANDROID等、OS毎に異なる動作となっているところ、本取組が進むことでスマートフォンの更なるアクセシビリティ向上に資することと考えております。一般社団法人ビジネス機器・情報システム産業協会(JBMIA)が国内審議団体として参加しております。
④ 引き続き、CIAJやJBMIAなどの団体と協力しながら取組を進めてまいります。

<参考>
※1 参加している障害者団体 
 日本障害者リハビリテーション協会、全日本ろうあ連盟、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、日本身体障害者団体連合会、日本盲人会連合、日本障害者協議会 等
※2 代表的なチェック項目
・ 手触りによるボタン(キー)操作がしやすい工夫があります。
・ タッチパネルに押しやすく、押し間違えをしにくい工夫があります。
・ 機器がなにかの処理を実行して、その処理が完了した時、そのことを音で確認出来ます。
・ 音声による、タッチパネルの表示が見えなくても操作できるための工夫があります。
・ 音声読み上げ機能が使えます(画面上の文字を音声で聞くことができます。)
・ 振動のパターンによりお知らせの種類を区別することができます。

3.マラケシュ条約批准のための制度改革並びに「(仮称)読書バリアフリー法」制定について

(1)著作権法第37条第3項により複製が認められているものの規制緩和を要望します。
(2)著作権法第37条第3項における受益者の範囲の拡大を要望します。
(3)受益者への公衆送信の法定化を要望します。
(4)以上を踏まえ読書障害者が著作物を自由に読める読書環境を整えるための「読書バリアフリー法」の制定を要望します。
【回答】文部科学省
 障害者の情報アクセスの保障に関する著作権法上の措置に関しては、文化庁の審議会において障害者団体と権利者団体との間の意見調整等、所要の検討が進められているところである。
 今後も、障害者団体の要望を可能な限り実現するべく、必要な意見集約に向けた取り組みを行い、速やかに結論を得た上で、所要の制度整備を行うこととしたい。

4.障害者差別解消法について

(1)視覚障害者に向けた環境整備の徹底を要望します。
【回答】内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付障害者施策担当
 現行の障害者基本計画(第3次)において、分野別施策の基本的方向の一つに「情報アクセシビリティ」という項目を設け、障害者が円滑に情報を取得・利用し、意思表示やコミュニケーションを行うことができるように、情報提供の充実、意思疎通支援の充実、行政情報のバリアフリー化等の施策を盛り込んだところであり、現在、関係機関において関係施策を実施しているところ。
 また、昨年2月に閣議決定した障害者差別解消に関する基本方針においても、「筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の配慮」を合理的配慮の現時点における一例として記載しているところ。
 今後とも、これらの施行状況を踏まえながら、情報アクセシビリティの確保・向上に努めるとともに、関係機関等への働きかけを行ってまいりたい。

5.2020オリンピック・パラリンピック競技大会について

(1)開催に向けての環境整備などにおいては、必ず障害当事者の意見を確認いただくよう要望します。
【回答】内閣官房 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局
①大会関係施設やアクセス経路等について、大会に向けたハード・ソフト両面でのバリアフリー化を図るため、大会組織委員会、東京都、国が主催し、関係自治体・障害者団体・障害者スポーツ団体等も参画するアクセシビリティ協議会を2014年11月に立ち上げ、TOKYO2020アクセシビリティ・ガイドラインの取りまとめに向け、検討を行っております。
②検討にあたっては、貴団体を含む計20の障害者団体等に御参画頂きご意見を伺っております。
③本年1月には、関係施設のハード面のバリアフリー化を促進するために先行してとりまとめていた暫定基準が国際パラリンピック委員会より承認を得たところです。
④今後も、障害者団体等の方々からのご要望を踏まえながら、TOKYO2020アクセシビリティ・ガイドラインを検討し、その実現に向けて関係者に働きかけてまいりたいと考えております。
⑤更に、今月22日には、2020年東京大会を契機として、競技会場等にとどまることなく、地方を含めた街づくり全体のユニバーサルデザイン・「心のバリアフリー」に取り組み、大会以降のレガシーとして残していくために、オリパラ推進本部の下に「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議」を設置したところです。
⑥今後も、ハード・ソフト両面のバリアフリー化の一層の推進に向けて取り組んでまいります。
(2)2020年の東京パラリンピックを見据えて、視覚障害者のスポーツの競技力向上に不可欠な支援者の育成を国として推進するよう要望します。
【回答】文部科学省
 国は、2020年の東京パラリンピック等を目指すアスリートを支える障害者スポーツ指導者(スポーツコーチ、スポーツトレーナー、スポーツ医等)の養成研修事業を(公財)日本障がい者スポーツ協会が実施するにあたり、必要な経費を補助しているところである。
 また、各競技団体が行う選手強化活動に必要な経費を配分する「競技力向上事業」において、パラリンピックに係る競技アシスタント(盲人マラソンの伴走者等)の活動に対する謝金についても経費の対象としているところであり、今後とも、スポーツ界の具体的要望を踏まえて、その支援の充実を検討してまいりたい。
(3)2020年のオリンピック・パラリンピック競技会場の整備にあたり、出場選手の事故防止のため、日本盲人会連合が策定した屋内用誘導ブロックの啓蒙普及を要望します。
【回答】内閣官房 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局
①大会関係施設やアクセス経路等について、大会に向けたハード・ソフト両面でのバリアフリー化を図るため、大会組織委員会、東京都、国が主催し、関係自治体・障害者団体・障害者スポーツ団体等も参画するアクセシビリティ協議会を2014年 11月に立ち上げ、TOKYO2020アクセシビリティ・ガイドラインの取りまとめに向け、検討を行っております。
②頂いたご意見についても、協議会のもとで検討がなされているところです。

6.医療費負担、福祉サービスの利用者負担の見直しについて

(1)障害者の生活実態に見合った見直しを要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課、精神・障害保健課
①障害福祉サービス等に関する利用者負担に関しては、これまでの軽減措置により、平成27年10月現在で障害福祉サービス利用者の93.4パーセントが無料でサービスを利用し、給付費に占める利用者負担は0.22パーセントとなっております。
②利用者負担額を算定するに当たっては、民法に配偶者の扶助義務が課せられていることなどを考慮し、障害者本人と、その配偶者の所得で判断する仕組みとしております。
③利用者負担に係る収入認定に際して配偶者の収入を考慮に入れないことについては、財源の確保状況や医療や介護など他の制度との整合性・公平性も踏まえた議論が必要であることから、引き続き検討してまいります。
④なお、障害者等の心身の障害の状態を軽減するために必要な医療費の個人負担については、公費負担制度である自立支援医療において、自己負担額を軽減するための必要な予算額を平成28年度予算案に計上したところです。自己負担額の在り方については、社会保障審議会障害者部会での議論を踏まえ、引き続き検討してまいりたいと考えています。

7.視覚障害者の雇用と就業、経済的自立の支援について

(1)視覚障害者の経済的自立のため、自治体(市区町村役場等)において、視覚障害者の雇用を積極的に行うための予算確保を要望します。
【回答】なし

(2)視覚障害者はあん摩マッサージ指圧を生業とする人が多いことから、往療時に同行援護が利用できるよう要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
①通勤等に関する同行援護を含む移動支援については、社会保障審議会障害者部会における議論を踏まえ、その報告書において、
・ 福祉政策のみならず、関係省庁とも連携し、事業者、教育機関、公共交通機関等による「合理的配慮」の対応、教育政策や労働政策との連携、地方公共団体(福祉部局、教育委員会等)における取組等を総合的に進めていくべきである
・ その上で、まずは、通勤・通学に関する訓練を就労移行支援や障害児通所支援により実施することとし、これを必要に応じて評価すべきである
  とされました。
②これらを踏まえ、通勤等に関する訓練に対する評価については、次期報酬改定に向けて検討するとともに、通勤等に関する移動支援のあり方については、関係省庁とも連携し、引き続き、検討してまいります。

(3)視覚障害鍼灸マッサージ師の経済的自立を妨げているあん摩マッサージ指圧業の無資格者について、取り締まりの強化を図っていただくための予算確保を要望します。
【回答1】厚生労働省 医政局医事課
①無資格によりあん摩マッサージ指圧等の違法な医業類似行為を行う者に対しては、会議及び通知により次のように都道府県に依頼をし、取り締まりを推進しています。
・ 無資格者による医業類似行為については、人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となる ものであることから、違反行為に関する情報に接した際には、保健所と連携し必要な指導を行うこと。
・ 指導を行っても改善がみられないなど、悪質な場合においては、刑事訴訟法の規定に基づく告発を念頭に置きつつ、警察と適切な連携を図ること。
・ 無資格の店舗が「マッサージ」等と広告することについては、これらの店舗であん摩マッサージ指圧が行われていると一般人が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので、このような広告を行わないよう指導すること。
・ 実際には認められない効果・効能を表示した誇大広告等については、不当景品類及び不当表示防止法に抵触する可能性があり、広告に関する住民からの苦情は管内の消費生活センターに寄せられることが考えられるので、苦情・相談の状況について、消費生活センターと定期的に情報交換する等、連携に努め必要な措置を講じること。
②また、消費者が施術を受ける際、有資格者と無資格者の判別に資するよう、施術者が鍼灸マッサージ師の免許証を保有していることを証明する厚生労働大臣免許保有証の作成を(公財)東洋療法研修試験財団に依頼しており、平成28年3月からの発送を予定しています。なお、同保有証を周知するため、国民向けのリーフレット等を作成することとしています。
③引き続き関係機関とも連携の上、必要な対策を実施していきたいと考えています。
【回答2】警察庁
 警察では、無免許施術行為などの「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」違反につきましては、平成26年は、整骨院における無免許はり施術など3件、平成27年は、整体院における無免許施術行為など2件を検挙しています。
 警察としましては、今後とも、本法違反を含め、捜査に要する所要の予算を確保しつつ、関係機関と連携を図りながら、適正に対処してまいります。

8.公務員障害者への合理的配慮について

(1)公務員である視覚障害者に対しても的確な「合理的配慮」が行われるよう要望します。
【回答】なし
(2)人事院が各府省庁あてに発出した「障害を有する職員が受けるリハビリテーションについて(通知)「職職-35 人研調-115 平成19年1月29日付」通知の周知徹底と実行を要望します。
【回答】人事院
 社会復帰のためのリハビリテーションであってもそれが医療行為として行われるものであれば、病気休暇の対象となり得るものであることは、人事院規則15-14の運用通知(職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について)第13病気休暇関係で明記しています。病気休暇の制度については、各府省の担当者を対象に、毎年、「勤務時間・休暇制度説明会」を実施し、当該運用通知を含む制度の周知を行い、適正な運用の確保に努めているところです。また、各府省担当者や個人からの問い合わせに対しても、制度内容を説明し周知を図っているところであり、引き続き、制度の適正な運用の確保を図ってまいります。
(注)平成27年7月29日付け回答でお伝えしたとおり、同通知中の「2研修の運用について」の部分に関連しては、国家公務員法等の一部を改正する法律(平成26年法律第22号)が平成26年5月30日に施行され、これまで人事院が行ってきた各府省が実施する
 研修に対する総合的企画・調整に関する事務が内閣総理大臣(内閣人事局)に移管されたことから、ご要望の趣旨について同局にお伝え済みです。
(3)視覚障害者の業務遂行に欠かせ得ない「音声ソフトを組み込んだパソコン」「拡大読書器」等の補助機器の購入、職場介助者の利用は、公費で負担することを要望します。
【回答】なし

9.視覚障害者に対する情報保障について

(1)視覚障害者への情報提供のため、行政機関や公益企業の広報誌や会議資料等は、点字、音声、拡大文字などで提供をすることを要望します。
【回答1】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室
①自治体が地域の実情や障害者のニーズに応じて実施する事業となっている地域生活支援事業において、都道府県及び市町村は広報誌や地域生活において必要な情報を点字や音声等により提供する「点字・声による広報等発行事業」を実施しているところです。
②当該事業の実施については、全国会議等の機会を通じて周知を図っているところであり、今後も事業の周知に努めてまいります。
【回答2】内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付障害者施策担当
 現行の障害者基本計画(第3次)において、分野別施策の基本的方向の一つに「情報アクセシビリティ」という項目を設け、障害者が円滑に情報を取得・利用し、意思表示やコミュニケーションを行うことができるように、情報提供の充実、意思疎通支援の充実、行政情報のバリアフリー化等の施策を盛り込んだところであり、現在、関係機関において関係施策を実施しているところ。
 また、昨年2月に閣議決定した障害者差別解消に関する基本方針においても、「筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の配慮」を合理的配慮の現時点における一例として記載しているところ。
 今後とも、これらの施行状況を踏まえながら、情報アクセシビリティの確保・向上に努めるとともに、関係機関等への働きかけを行ってまいりたい。
(2)「選挙公報」は情報提供の在り方を検討いただき、法律改正を含め選挙管理委員会の責任において、点訳、音訳並びに拡大文字化して作成配布することを要望します。
【回答】総務省
①総務省としては、国政選挙及び統一地方選挙が行われる都度、視覚障害者の方々が公職の候補者等の政見等を知ることができるように、啓発活動の一環として選挙公報全文を内容とする「選挙のお知らせ版」を作成することを要請しており、その際には、点字だけでなくカセットテープ版、コンパクトディスク版及び音声コード付き拡大文字版も準備・配布するよう要請しております。また、平成26年の衆院選においては点字版・音声版ともに、全都道府県において作成されたところです。
②なお、「点訳、音訳並びに拡大文字化」したものを各世帯への配布を前提とする選挙公報とすることについては、障害のある方に公平に配布できるかといった点から課題があるところです。(※現在は、福祉団体や図書館等に設置するなどにより配布)
③総務省としては、「選挙のお知らせ版」による情報提供をはじめ、今後とも障害者団体等とも連携しながら、視覚障害者の方々の投票環境の向上に努めて参りたいと考えております。
(3)視覚に障害があっても教育を受けることに対する差別がないよう、使用する教科書は点字や音声、拡大文字など本人が求める媒体により提供されることを要望します。
【回答】文部科学省
 平成20年の「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」(通称:教科書バリアフリー法)の制定を受け、視覚障害のある義務教育段階の児童生徒が使用する点字教科書や拡大教科書は無償で給与している。
 このほか、読み書きが困難な児童生徒のための音声教材の整備充実を図るため、音声教材の製作団体に対し委託費による調査研究を行っており、音声教材製作団体より、これらの教材が必要な児童生徒に無償で提供されている。

10.視覚障害者移動支援従事者(同行援護従業者)資質向上研修の継続について

(1)同事業の安定した継続を要望します。
【回答】厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室
①視覚障害者移動支援従事者資質向上研修については、地域生活支援事業の中でその取組に対して補助を行っているところであり、平成28年度においても引き続き実施することを予定しています。
②また、例年、障害保健福祉関係主管課長会議において、その活用について自治体に周知しているところであり、今後とも、周知に努めてまいります。