日視連スポーツ協議会が座談会を開催

2024年2月29日

 1月27日(土)、日本視覚障害者団体連合(以下、日視連)スポーツ協議会主催による「ブラインドスポーツの未来を考える」座談会が行われました。
 日視連スポーツ協議会では、令和3年及び令和4年にブラインドスポーツ座談会として、視覚障害者スポーツのグランドソフトボール、サウンドテーブルテニス、ブラインドサッカー等の代表と各競技の現状・展望・課題などの意見交換を行うとともに、ブラインドボクシングやブラインドラグビー等の今後発展しそうなブラインドスポーツや視覚障害者にも楽しめるよう工夫されたスポーツを紹介しました。第3回目にあたる今回は、(1)盲学校・視覚支援学校において、児童生徒数の減少を要因として、ブラインドスポーツの団体競技を体験できる機会が減っていること、(2)教職員の頻繁な転勤によりブラインドスポーツのノウハウが継承されにくくなっていること、(3)地域の学校に通う視覚障害のある児童生徒がブラインドスポーツを知ることや体験できる機会がほとんどないことを課題と考え、多くの人にブラインドスポーツの魅力や楽しさを知ってもらうことやブラインドスポーツを通じて、同じ歳頃の友達をつくることや運動の大切さを学ぶにはどうすれば良いのか意見交換が行われました。 
 初めに、2023年8月と10月に神奈川県視覚障害者福祉協会が行なったブラインドスポーツ普及イベントの報告が行われました。
 地域の学校に通う児童生徒と保護者や教員からも参加があり、ブラインドスポーツを知ってもらう機会となり、今後他の地域でも実施していきたいとしました。
 その後行われた座談会では、日視連スポーツ協議会の役員3名と、地域の学校に通って体育やスポーツ(部活)の経験や特別支援学校(視覚障害)でのスポーツ活動の経験がある6名が参加し、それぞれの経験の発表と意見が交わされました。
 地域の学校に通った経験がある方からは、ブラインドスポーツの存在を、特別支援学校(視覚障害)に通うまで知る機会がなかったことや、地域の学校では体育の授業にあまり参加できず、孤立しがちになってしまったこと、特にボールが見えにくい球技や追い駆けっこが苦手で楽しめなかったこと、部活では自分の失敗で試合に負けてしまうことに責任を感じたとともに、自分の見えづらさをなかなか理解してもらえない為つらい経験をしたこと等を語りました。
 一方、中学校から特別支援学校(視覚障害)に通った方からは、ブラインドスポーツを初めて見て、視覚障害があってもスポーツを楽しめることに心を打たれるとともに、ブラインドスポーツを行うことで、前向きに学生生活を送れるようになった、ブラインドスポーツを知り参加することが大切だと語られました。
 また、ブラインドサッカー協会では、ブラインドスポーツを知ってもらう取り組みをキャンプや体験会を通じておこなっていることを紹介しました。 
 最後に濱野昌幸会長は、今後のスポーツ協議会の活動として、「ブラインドスポーツの普及活動を全国的に広め、その魅力を知らせること、また、ブラインドスポーツの実施状況に関するアンケートを学校を対象に行い、その結果を公表することを通じて、児童生徒が運動できる機会を増やしていきたい。それがブラインドスポーツの競技人口の増加につながることを願っている」と述べました。