愛盲時報 第191号(テキスト形式・全文)

2002年3月31日

 愛盲時報 第191号(平成14年3月31日発行)

 1.日盲連 14年度事業計画・予算案を承認 理事会・評議員会
 日盲連の平成14年度予算案等を審議する理事会、評議員会が3月
26、27の両日、東京・晴海の東京ホテル浦島で開かれ、平成13
年度補正予算案、平成14年度事業計画案、同予算案等を審議、いず
れも本部提案通り承認された。平成14年度予算は15会計、総額5
億4866万8000円。任期満了に伴う役員改選では、笹川吉彦会
長が再選された。
 26日の理事会で笹川会長は、平成14年度予算の説明の中で「1
4年度はアジア太平洋障害者の10年の最終年を迎え、10月に3つ
の国際会議が札幌、大阪で開催される。いずれも次の10年に向け新
たな対応を探るべく大切な会議である」とし、積極的に参加、協力す
ることを表明。
 また、同日の指導者研修会では、厚生労働省社会参加推進室の片石
修三室長が「支援費制度について、及び政府の平成14年度障害者福
祉関係予算案について」をテーマに講演した。
 27日の評議員会では社会福祉法、身体障害者福祉法など関係法律
の改正によって、社会福祉基礎構造改革がスタートしたことに伴う日
盲連の定款の改正が承認された。
 5月に開催する第55回全国盲人福祉大会については、主催団体で
ある滋賀県視覚障害者福祉協会の堂前茂会長から準備状況が報告され
た。

 日盲連新役員の顔ぶれ(再は再任、新は新任)
 会長:笹川吉彦(東京・再)
 副会長:齊藤績(札幌市・再)、田代浩司(福岡・新)、関米一郎
(群馬・再)
 理事:蒔苗實(東京・再)、柏谷勲(福島・再)、本多操(茨城・
新)、猪股功忠(横浜市・再)、田辺建雄(石川・再)、桜井俊二
(長野・新)、橋井正喜(名古屋市・再)、堂前茂(滋賀・再)、福
嶋愼一(京都府・新)、板垣成行(鳥取・再)、久米清美(徳島・再)
、竹田寿和(佐賀・新)、時任基清(東京・再)、渡辺哲宏(同・再)
、高橋一居(同・新)
 監事:槇野勝信(大阪府・再)、前川昭夫(広島・新)、井手精一
郎(東京・再)

 2.主な行事予定
○第55回全国盲人福祉大会(5月15日~17日、滋賀県)
○全国障害者スポーツ大会グランドソフトボール地区予選(5月~6
月、選抜7チームと開催地元チームは11月9日~11日高知県で開
かれる第2回全国障害者スポーツ大会に出場)
○第44回全国盲人音楽家福祉大会・演奏会(期日、場所未定)
○第48回全国盲青年研修大会(8月23日~25日、福井市)
○第48回全国盲女性研修大会(8月26日~28日、岡山市)
○第9回全国フロアバレーボール大会(9月21日~22日、青森市)
○第3回全日本グランドソフトボール選手権大会(10月12日~1
4日、名古屋市)
○第17回全日本視覚障害者柔道大会(共催、11月3日、東京都)
○第26回全国盲人将棋大会(11月17日~18日、東京都)

 3.「日盲連女性協議会」 名取会長ら新役員でスタート
 日盲連婦人協議会(名取陸子協議会長)の常任委員会、全国委員会、
代表者会議等が3月25、26の両日、東京・晴海の東京ホテル浦島
で開かれ、平成13年度の決算報告と平成14年度運動方針案、事業
計画案、予算案等を審議、いずれも本部原案通り満場一致で承認され
た。
 日盲連婦人協議会は平成13年7月、熊本での研修大会の代表者会
議で名称を「女性協議会」と変更することを決定し、日盲連理事会で
の承認を得た。平成14年4月1日から、正式に「日盲連女性協議会」
としてスタートする。任期満了に伴う役員改選では、常任委員を含め
全ての役員が再選された。名取協議会長は2期目。
 25日に行われた学習会では、笹川吉彦日盲連会長が「新しい時代
の福祉を学ぶ」をテーマに支援費制度について講演。また、26日の
代表者会議で名取協議会長は「新年度から、永年親しまれてきた“婦
人協議会”という名称を“女性協議会”に変更し、これに伴って会則
等の字句の修正を行いたい。この会議で活発な議論をお願いしたい」
と挨拶した。
 平成14年度の主な運動方針と事業計画及び、新役員は次の通り。
 事業計画:(1)第48回全国盲女性研修大会を8月26日から3
日間岡山県で開催(2)滋賀県で開かれる第55回全国盲人福祉大会
に代表者2名を派遣(3)会報「あかね」の発行(4)50周年記念
大会準備など必要に応じ常任委員会を開催。
 運動方針:(1)名称変更を機に新たな気持ちで組織強化に努める
(2)2年後の50周年記念大会に向け準備を進める(3)大会や会
報を通して会員の意見を反映させ、採択された決議事項の実現に努め
る(4)変わりつつある福祉施策に取り残される人のないよう、また
地域格差が生じないよう運動を展開(5)日盲連本部との連携強化。

 婦人協新役員の顔ぶれ
 協議会長:名取陸子(長野)
 副協議会長:西村敏子(京都府)、新城育子(熊本)、煙山秋子
(秋田)
 常任委員:榎本和代(東京)、加賀谷睦子(同)

 4.日盲連スポーツ連盟が研修会と総会
 日盲連スポーツ連盟協議会(田辺建雄協議会長)と種目別連盟協議
会の研修会、総会、連盟の幹事会が3月9、10の両日、横浜市の横
浜あゆみ荘で開かれた。9日と10日午前はグランドソフトボール、
視覚障害者卓球、フロアバレーボールの各種目別競技連盟研修会、役
員会及び総会が、10日午後はスポーツ連盟協議会の研修会と幹事会
が行われた。10日の研修会では横浜国立大学教授、落合優氏が「ス
ポーツ指導について」を講演。幹事会では、平成13年度事業並びに
決算中間報告、平成14年度事業計画案並びに予算案を審議、原案を
承認した。

 5.第55回全国盲人福祉大会は滋賀で皆さん参加しましょう!!
主催:社会福祉法人日本盲人会連合
社会福祉法人滋賀県視覚障害者福祉協会
会期:5月15日(水)~17日(金)
日程及び会場
【第1日目】5月15日(水)
・理事会
・評議員会
・あはき協議会代議員会
・スポーツ連盟協議会代表者会議
[会場]大津プリンスホテル
〒520-8520
滋賀県大津市におの浜4-7-7
電話077-521-1111
【第2日目】5月16日(木)
・第39回全国盲人代表者会議
[会場]大津プリンスホテル
【第3日目】5月17日(金)
・第55回全国盲人福祉大会
[会場]大津プリンスホテル
*大会事務局
社会福祉法人滋賀県視覚障害者福祉協会
〒522-0002
滋賀県彦根市松原1-12-17
電話0749-22-7901

 6.社会福祉法人日本盲人会連合 平成14年度事業計画
(自平成14年4月1日 至平成15年3月31日)
 日盲連は視覚障害者自らが自立と社会参加、ノーマライゼーション
社会の実現をめざし、運動、活動している。
 視覚障害者にとっては、唯一の適職とも言われるあん摩マッサージ
指圧、はり、きゅう業における鍼灸師養成施設新・増設申請の急増、
無資格者の横行による生業に対する不安、急激に進展するITへの対
応など、未解決の問題は山積している。
 こうした中、平成15年度から、支援費制度が施行される。弱い立
場の障害者が事業者と対等の立場でサービスを選択、契約することが
できるのか、選択できるほどにサービスの質と量が整えられるのか、
また、費用負担が生じた場合、その負担が障害者の生活を圧迫し、十
分なサービスが受けられない恐れはないか。視覚障害者が不利になら
ないよう、地域格差が生じないよう、運動していく。
また、平成14年は、「アジア太平洋障害者の10年」の最終年を
迎え、10年の成果を踏まえ、新たな対応を探るべく記念フォーラム
が開催される。日盲連は積極的に参加、協力する。
日盲連は組織活動、施設事業を挙げてこうした課題の解決に努める。
組織団体、そして会員ひとりひとりの積極的なご協力をお願いし、次
のとおり平成14年度事業計画を立てる。
 Ⅰ組織活動
 1、組織強化
 福祉行政の主体は、市町村へ移行されており、平成15年度から支
援費制度が施行される。市町村団体の組織強化が求められる。組織団
体の協力の下、地域の実態を把握し、会員ひとりひとりにまで情報が
行き渡るよう、また、会員からの情報が日盲連まで届くよう、努める。
 2、情報技術(IT)への対応
 情報技術の進歩に対応するため、「視覚障害者のIT利用促進検討
会」の活動を強化し、視覚障害者の機器、ソフトの研究開発、購入費
に対する補助、利用するための講習会の開催、指導者の養成など、情
報環境の充実が図られるよう努める。
 3、移動の保障
 安全な移動の保障は視覚障害者の生活の基本である。視覚障害者誘
導用ブロックのJIS規格が制定された。全国的に普及するよう、利
用者の立場から提言していく。また、「音響式信号機等検討委員会」
の活動を強化し、視覚障害者の誰もが安全に、安心して利用できる音
響式信号機や音声による誘導システムが全国統一して設置されるよう、
努める。
 4、職業対策
 唯一の適職であるあん摩・はり・きゅうの職域を守るため、鍼灸師
養成施設新・増設申請の急激な増加を規制するため、あん摩師等法第
19条に鍼灸を加える運動を引き続き、強力に行うとともに、「あは
き問題検討委員会」の活動を強化し、視覚障害者の職域を守るため全
力を挙げる。また、関係団体と協調し、無資格者対策に積極的に取り
組むとともに、健康保険取扱いの簡素化の実現を目指すなど、あはき
生業の安定に努める。
 5、第55回全国盲人福祉大会の開催
 5月15日から17日までの3日間、滋賀県視覚障害者福祉協会と
の共催で、滋賀県大津市において第55回全国盲人福祉大会を開催す
る。大会は、全国各地からの代表が参加、運動方針を決定し、決議を
採択するなど、内外に日盲連の活動を示す最大のデモンストレーショ
ンである。それとともに、組織強化の機会であり、地元滋賀県視障協
と協力し、大会の成功を期して全力を挙げる。
 6、大会、行事の開催
 日盲連活動の一環として、開催地元団体と共催で、研修、文化、ス
ポーツなど、各種行事を開催する。
 Ⅱ施設事業
 1、第2種社会福祉事業
 (1)全国の視覚障害者を主体として構成する団体に対する連絡お
よび助成事業。
 情報は随時団体に送付するとともに、「点字日本」「日盲連アワー」
「点字JBニュース」を始め各種広報を通じて情報提供に努める。ま
た、ブロック大会、会議には役員を派遣し、情報交換に併せ、組織の
強化に努める。
 (2)日本盲人会連合更生相談所の設置経営
 更生相談所に併せて厚生省委託の全国盲人生活相談事業を行う。電
話、手紙、来所、電子メールなど、随時相談に応じる。月1回顧問弁
護士による法律相談を行うとともに、年2回、眼科相談、生活相談を
含む総合相談を行う。
 (3)視聴覚障害者情報提供施設(点字図書館)日本盲人会連合点
字図書館の設置経営
 ①蔵書の拡充、登録者の拡大を図り、視覚障害者への情報提供に努
める。
 ②デイジー図書の充実に努めるとともに、マザーテープのデイジー
化を進める。
 ③点訳奉仕者の養成講習会を実施する。
 ④東京都委託による朗読奉仕員専門者養成講習会を実施する。
 ⑤全国視覚障害者情報提供施設協会に参加、協力し、全国の情報提
供施設との連携の強化に努める。
 (4)視聴覚障害者情報提供施設(点字出版施設)日本盲人会連合
点字出版所の設置経営
 ①設備、機能の充実を図り、視覚障害者への情報提供に努める。
 ②厚生労働省委託「点字厚生」「ワールド・ナウ」の発行を継続す
る。
 ③自治体の広報点字版の委託事業を積極的に進めるとともに、各種
点字パンフレット、点字表示などの受注に努める。
 ④視覚障害者に関わる情報、移動等、各種バリアフリー化事業に参
加、協力する。
 2、公益事業
 (1)福祉一般に関する調査、研究、改善普及、情報宣伝活動およ
び、文化向上に関する事業
 福祉の基礎構造改革が行われ、福祉サービスは措置制度から選択、
契約の制度に変わる。権利が保障される一方、障害者自身の判断が求
められる。日盲連は地域における視覚障害者の実態を把握し、情報を
随時提供し、必要なサービスが受けられるよう、努める。
 (2)業、職域拡大およびあん摩マッサージ指圧、はり、きゅう業
の安定のための調査研究、改善普及並びに医療保険取扱い、業経営の
指導普及
 ①新たな業、職域の拡大を目指すとともに、急増している鍼灸師養
成施設の新・増設規制に努める。また、関係団体と協調し、手技療法
師法の制定など、無資格者の排除、医療保険の取扱いの簡素化、また、
時代に合った業の経営など、これまで国民の健康保持増進に果たして
きた実績を活かし、期待に応えられるよう積極的な経営の指導に努め
る。
 ②日盲連は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう業従事者の業務
上の不測の事態に備え、三井住友海上火災保険(株)と提携し、「鍼
灸按マッサージ師賠償責任保険」の取扱いを行っている。斯業に従事
する会員の業務の安定を図るため、当該保険の積極的な周知に努める。
 (3)国内および海外の関係団体との相互交流、協力に関する事業
 ①関係省庁における審議会、委員会等へ委員を派遣し、視覚障害者
の意見の反映に努める。
 ②日本盲人福祉委員会を介してWBU(世界盲人連合)、同東アジ
ア・太平洋地域協議会に加盟、代表を派遣し、国際的にも視覚障害者
の福祉増進に努める。
 ③全国社会福祉協議会、日本身体障害者団体連合会、またあん摩マ
ッサージ指圧師・はり師・きゅう師等法推進協議会、鍼灸マッサージ
保険推進協議会等関係団体に参加、協力し、視覚障害者の福祉増進に
努める。
 (4)その他の事業
 ①点字ニュース即時提供事業(点字情報ネットワーク事業)
 本年4月より、従来の「点字情報ネットワーク事業」が新たに「点
字ニュース即時提供事業」に事業名が変更になった。
 現在、全国58個所ある実施機関(拠点)から視覚障害者に点字紙、
電話で「点字JBニュース」を流しているが、これに加え視覚障害者
から要望の強かった日盲連発のニュースを点字データ化し、インター
ネット上に開放、自宅のパソコンから「点字JBニュース」が入手で
きるよう情報システムの拡充を図る。
 ②録音製作事業
 ・設備、機能の充実を図り、視覚障害者への情報提供に努める。
 ・厚生労働省委託「録音声の広報『厚生』」、「厚生労働白書」
(録音版)、「障害者白書」(同)の発行を継続する。
 ・自治体の広報録音版の委託を積極的に進めるとともに、各種録音
物の受注に努める。
 ・JBS日本福祉放送で毎週1本30分枠ラジオ番組「セブンディ
ズ日盲連」を制作。日盲連の活動をより早く紹介・PRし、会員相互
のコミュニケーションを促すとともに、視覚障害者全体に役立つ情報
の提供に努める。
 ③盲人用具の研究開発、販売斡旋
 視覚障害者の補装具、日常生活上の便宜を図るための用具の研究開
発、および販売斡旋に努めるとともに、福祉機器等の情報提供にも努
める。
 ④東京都ガイドセンター
 東京都委託による広域ガイドヘルパーネットワーク事業を行う。
以上

 7. 新10年障害者基本計画 施策推進本部で策定へ
   ~障害者プラン作成 5年間の重点策 年末には閣議決定~
 政府は2月26日の障害者施策推進本部(本部長・小泉純一郎首相)
で、2003年度から10年間の障害者施策の方向性を示す新たな
「障害者基本計画」を策定することを決めた。同計画の当初5年間の
重点策を盛り込んだ「障害者プラン」も作成する。5月をめどに福田
康夫官房長官の下に有識者懇談会を設置して本格的な検討に入る。年
末の閣議決定を目指す。
 新設する有識者懇談会は、実際に障害を抱える人、福祉関係団体代
表、学識経験者ら十数人で構成。内閣府、国土交通、厚生労働各省な
どの課長級でつくる検討チームとも連携、新計画に盛り込む具体策を
検討する。できるかぎり数値目標も設定していく考えだ。
 政府は現在、1993年度にスタートした「障害者対策に関する新
長期計画」に沿って公共施設のバリアフリー化などを進めているが、
2003年3月で期限切れとなるため、新たな10年計画を策定する
ことにしたもの。

 8. ハートビル法等改正へ
   ~建築物のバリアフリー化日盲連の要望数多く採択~
 国土交通省の委託を受けて建築物のバリアフリー化を進めている
「高齢者・身体障害者等の利用に配慮した建築標準設計改訂委員会」
(委員長・高橋儀平東洋大学工学部助教授)は3月20日、東京・千
代田区の都市センターホテルで最終回となる第3回委員会を開催、
「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進
に関する法律」(ハートビル法)の一部を改正する法律案についての
報告と「高齢者・身体障害者等の利用を配慮した建築設計標準」の改
定案の内容を詳細に説明、検討した。この委員会は建築の専門家、福
祉関係団体やホテル業界関係者などで構成されており、日盲連からは
牧田情報部長がメンバーとなっている。
 ハートビル法の改正については、特定建築物の範囲の拡大、利用円
滑化基準への適合義務の創設、認定建築物に対する支援措置の拡大、
所管行政庁(建築主事を置く市町村又は特別区の長)への権限の委譲
などが柱となっている。
 また、今回まとめられた建築設計標準案では日盲連が要望した点字
ブロックをはじめ視覚障害者が必要とする項目が数多く取り入れられ
た。
 国土交通省では閣議決定を経て今国会に提出、来春をめどに施行す
ることを予定している。

 9. 企業の障害者雇用義務軽減制度 36業種で段階的縮小
 政府は2月15日の閣議で、障害者の雇用を拡大するため、その就
業が困難な業種に設けられている雇用義務の軽減制度について、鉄道
など36業種で段階的に縮小することを明記した障害者雇用促進法改
正案を決めた。今国会での成立を図る。
 障害者雇用をめぐっては、同法に基づき、常用労働者の一定割合
(法定雇用率)以上の身体障害者や知的障害者を雇用する義務が事業
主に課されている。法定雇用率は民間企業が1.8%、特殊法人が2
.1%などとなっている。
 しかし、2000年度には有効求職者数が約13万2000人と過
去最高に達する一方で、法定雇用率の未達成企業の割合も55.7%
と過去最悪を記録するなど、厳しい雇用状況が続いている。このため
改正案は、障害者の雇用拡大に向け、鉄道のほか医療、建設、鉄鋼な
ど36業種に設けられている雇用義務の軽減制度の段階的縮小を打ち
出した。

 10. 新見市の選挙に電子投票機導入 視覚障害者に朗報
 岡山県新見市議会は3月20日の本会議で、市長選と市議選で電子
投票機を使って投票を行うことを定めた条例案を賛成多数で可決した。
6月23日投開票の市長・市議同日選で全国初の電子投票が実施され
ることが正式に決まった。投票には「電磁的記録式投票機」を使う。
ATMのように、表示された候補者名を指で触れるタッチパネル方式
で投票する。視覚障害者には、ヘッドホンから流れる説明に沿って、
別に設けるボタン操作で投票できるようにする。点字投票や代理投票
も引き続き実施する。

 11. 年金の物価スライド制凍結 物価の下落分考慮
 政府は2月15日の閣議で、2002年度の各種年金・手当支給額
について、消費者物価の変動に応じて改定する自動物価スライド制を
凍結し、支給額を据え置く特例法案を決定した。1年度限りの時限立
法で据え置きは2000年度から3年連続。本来なら消費者物価の下
落率(マイナス1.7%)分を引き下げるが、厳しい経済情勢を考慮
した。障害基礎年金1級の月額は8万3775円、同2級の月額は6
万7017円、特別障害者手当は月額2万6860円。

 12. 福祉定期衣替え 3月からニュー福祉定期 一般定期に利
率1%上乗せ
 総務省は、障害者や遺族基礎年金受給者らを対象にした福祉定期貯
金(預入期間1年)の取り扱いを2月末で停止し、金利を大幅に引き
下げた新商品に衣替えした。
 3月1日から取り扱うのは「ニュー福祉定期郵便貯金」。預入限度
額は300万円で、貯金の利率は1年物の一般定期貯金(年0.04
%)に1%上乗せする。
 対象者は旧福祉定期郵貯対象者(障害基礎年金、遺族基礎年金等の
受給者)に加え、国民年金寡婦年金、遺族厚生年金、障害厚生年金の
受給者。対象者は535万人から831万人に増える。取扱期間は1
年間で、1年ごとに見直し、全国の郵便局で取扱う。預入時には年金
証書等の提示が必要。
 福祉定期は郵便局と民間金融機関が共同で1975年に導入。期間
限定だったため何度か募集中断もあったが91年以降毎年、取り扱い
期間を延長してきた。一般の金利が低下する中で存続を求める声は強
かったが金利上乗せの負担が大きく、昨年に入ってほとんどの民間金
融機関が撤退した。「民間の実施が前提」としてきた総務省も廃止を
決断した。

 13. コンピュータの保有者 購入予定者が80%増
    ~日盲連青年協と情報部のアンケート結果~
 日本盲人会連合青年協議会(金村厚司協議会長)は3月29日、昨
年10月に日盲連情報部と共同で実施した「視覚障害者と情報に関す
るアンケート調査」の結果がまとまったと発表した。
 調査の目的は、社会のIT化が進む中で視覚障害者がコンピュータ
と関わりを持ち続け、情報化のメリットを享受するため、現在どのよ
うな方法で情報を入手し活用しているかをコンピュータの保有、利用
の両面から調査し、従来より各団体の青年協議会から出されているコ
ンピュータに関する要望事項をさらに分析、国の行う情報施策にすば
やく対応したいとしている。
 調査対象者は日盲連の全国58加盟団体・青年協議会会員から各団
体11名、計638名。回収率は80パーセントを超え、回答者のほ
とんどがコンピュータを使用しているか、購入を予定していることが
わかった。集計結果は後日、各団体の青年協議会を通じて希望者に配
布する予定。

 14. 盲人卓球のルール4月改正 ルールブック販売
 日本視覚障害者卓球連盟は「盲人卓球」のルールが4月から改正さ
れ、名称も「サウンドテーブルテニス(STT)」と改められること
から、同競技の競技規則集、規則解説集、審判の手引きを1冊にまと
めたルールブックを製作、販売する。
 「サウンドテーブルテニス(STT)ルール」点字版(約150ペ
ージ)と活字版(A5版、拡大文字)は共に1500円、申し込みは
日本視覚障害者卓球連盟事務局(〒034-0092青森県十和田市
西1番町13-5、電話・FAX0176-25-1136)の南舘
邦士(みなみだてくにお)まで。

 15. 各地で日盲連ブロック会議 バリアフリーなど討議
 日盲連のブロック会議が年度末を控え相次いで開かれた。各ブロッ
クとも情報及び交通バリアフリー対策、無資格者問題、支援費制度へ
の対応などを中心に真剣な討議が行われた。会議の日程は次の通り。
 北信越ブロック会議:2月2~3日、石川県金沢市
 関東ブロック協議会:2月10~11日、茨城県土浦市
 四国ブロック協議会:2月16~17日、愛媛県松山市
 九州盲人福祉大会:2月24~25日、佐賀県唐津市
 東海地区連絡協議会:2月24日、岐阜市

 16. セブンデイズ日盲連 再放送日一部変更 
 日盲連の1週間の出来事を中心に、全国の加盟58団体の活動など
最新情報を毎週お知らせしているJBS日本福祉放送のラジオ番組
「セブンデイズ日盲連」の再放送日が4月1日から一部変更になる。
4月からの放送日と聴取の申し込み先等は次の通り。
 本放送:月曜日6時半~7時
 再放送:月曜日12時半~13時/土曜日・日曜日6時半~7時/
12時半~13時
 申し込み・問い合わせ先:JBS日本福祉放送(フリーダイヤル0
120-764-530/FAX06-4860-2943)

 17. 訃 報
 前神奈川県視覚障害者福祉協会会長(元全日本視覚障害者協議会会
長)の市川邦也氏が3月18日午前1時、心筋こうそくのため逝去さ
れた。72歳。告別式は21日、神奈川県平塚市の平塚斎場でしめや
かに行われた。喪主は妻のハツエさん。自宅は〒259-1217平
塚市長持178-3。

 18. 短 信
 *岡山県視覚障害者協会の3月24日の評議員会で任期満了に伴う
役員改選の結果、4月1日付で起塚英昭現会長(70)が退任、井上
孝昭氏(62)が新会長に就任することが決まった。
 *社会福祉法人日本盲人福祉委員会(笹川吉彦理事長)は4月1日
付で事務所を移転。新事務所の住所と連絡先は次の通り。〒169-
0075東京都新宿区高田馬場1-9-23東京都盲人福祉センター
3階(電話03-5291-7885、FAX03-5291-78
86、Eメールアドレス:welblind@nifty.com)。

 19. 第10回アハキ師国家試験合格者 (3月28日発表)
以下、区分:受験者数、合格者数、合格率、前回合格率の順。
 あん摩マッサージ指圧師:2,145名、1,796名、83.7%、87.5%。
 はり師:2,645名、2,237名、84.6%、83.3%。
 きゅう師:2,613名、2,255名、86.3%、84.9%。