愛盲時報 第189号(テキスト形式・全文)

2001年11月10日

 愛盲時報 第189号(平成13年11月10日発行)

 1.127人の紹介議員で国会請願
 日盲連のアハキ師法19条改正運動
 鍼師灸師の養成に歯止めを 視覚障害者の職域確保
 野放しの晴眼養成施設の「はりきゅう科」新増設を規制するための
日盲連(笹川吉彦会長)の運動の第1段、「あん摩マッサージ指圧師、
はり師、きゅう師等に関する法第19条に、はり師、きゅう師の規定
を加える改正を求める」国会請願運動が10月15日午前、一斉に行
われた。
 日盲連本部は綿貫民輔衆議院議長に対して八代英太議員を、井上裕
参議院議長には清水嘉与子議員を紹介議員に、そして加盟団体はそれ
ぞれ地元選出の自民党中心の国会議員1人ないし2人、併せて127
人を紹介議員に国会請願運動を展開した。
 これより先、日盲連は東京・永田町の衆議院第1議員会館で決起大
会を兼ねた臨時の評議員会を開催、アハキ師法19条改正の国会請願
運動の必要性を再確認、「組織をあげて取り組む」と決意表明した。
これを受けて、八代英太議員は「議員立法で改正できるよう党内をま
とめているところ。時間がかかるかもしれないが、扉は開かれつつあ
る」と力強く挨拶していた。
 日マ会も国会請願
 なお、日マ会(時任基清会長)は伊藤公介衆議院議員、橋本聖子参
議院議員を紹介議員に国会請願運動を併せて行った。請願の趣旨は次
の通り。
 請願の趣旨
 古来より、わが国の視覚障害者は、あん摩、マッサージ、指圧、は
り、及びきゅう(以下、「あはき」と略称)により、職業的に自立し、
国民の保健に貢献を果たして参りました。これは、外国に全く例を見
ない、わが国独自の制度として、国家社会が視覚障害者にあはき資格
取得の道を保障してきたからであります。あん摩マッサージ指圧師、
はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号、以下、
「法」と略称)第19条は「視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧
師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると
認めるときは、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視
覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての認定又はそ
の生徒の定員の増加について承認をしないことができる」旨を規定し、
法の定めのない、はり師、きゅう師についても、あん摩マッサージ指
圧師と同様の規制が行なわれて来ました。ところが、平成10年「法
に定めのない理由による福岡柔道整復専門学校の不指定処分は無効」
とする旨の、福岡地方裁判所判決が確定し、行政裁量の余地が制限さ
れたことにより、柔道整復師はもとより、はり師、きゅう師養成施設
についても、施設の新・増設が相次ぎ、平成12年度、13年度だけ
で、約25の養成施設、1400人弱のはり師、きゅう師の定員増が
認められ、盲学校以外の養成施設等の総定員は、あん摩マッサージ指
圧師、1581人、はり師、及びきゅう師、それぞれ3475人、柔
道整復師、2850人に激増しました。3年後の国家試験では、新た
に、あん摩マッサージ指圧師、約1900人(内、視覚障害者400
人、21%)、はり師、きゅう師、約3800人(内、視覚障害者6
00人、16%)が生まれるものと推定されます。このように、視覚
障害者自立更生の適職である、あはき業が、経営を継続することさえ、
極めて困難な状況に置かれており、このままでは、遠からぬ将来に、
もはや、視覚障害者自立更生の手段とは成り得なくなります。あはき
業に従事する約10万人の視覚障害者が、職を失う時の国家経済的、
社会的損失は計り知れません。古来より、視覚障害者の間で、連綿と
して引き継がれて来たこの職業を、確かな自立手段として、後世の視
覚障害者にも継承するため、法第19条に、はり師、きゅう師の規定
を加えるよう、改正することを請願致します。
 請願事項
 法第19条に、はり師、きゅう師の規定を加え、「視覚障害者であ
るあん摩マッサージ指圧師、はり師、及びきゅう師の生計の維持が著
しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん
摩マッサージ指圧師、はり師、又はきゅう師に係る学校、又は養成施
設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての認定、
又はその生徒の定員の増加について承認をしないことができる」よう
改めて下さい。

 2.お別れの会に600人 村谷昌弘名誉会長
 “日盲連の顔”であり続けた村谷昌弘さんの「お別れの会」が10
月15日午後2時から東京・千代田区霞が関の全社協・灘尾ホールで
約600人が参加して盛大に行われた。
 国会議員の斎藤十郎前参議院議長、八代英太氏、堀利和氏ら、厚生
労働省の真野章社会・援護局長、高原亮治社会・援護局障害保健福祉
部長ら、また、福祉関係では長尾立子全社協会長、板山賢治日本盲人
福祉委員会会長、本間一夫日本点字図書館会長、兒玉明日身連会長ら、
そして午前中のあはき師法19条改正を求める国会請願運動を終えた
ばかりの日盲連加盟団体の代表及び地元都盲協会員らで会場があふれ
た。村谷さんの生前の友好関係の深さを偲ばせた。
 村谷昌弘さんは2001年9月8日永眠された。80歳だった。葬
儀は同11日しめやかに行われ、村谷さんを天国に送ったが、視覚障
害者福祉に尽くした功績があまりにも大きいことから改めて“お別れ”
しようと「お別れの会」が開かれた。祭壇は菊の花で覆われ、中央に
はたたみ1畳ほどの大きな遺影と勲三等の勲記及び10月12日に伝
達式が行われたばかりの正五位の位記が飾られ、改めて村谷さんの偉
大さが偲ばれた。
 「お別れの会」は日本盲人会連合、日本盲人福祉委員会、JBS日
本福祉放送、東京都盲人福祉協会の4団体の共催。まず、笹川吉彦日
盲連会長がお別れの言葉を述べた。「日盲連の名を汚さぬよう視覚障
害者福祉、障害者福祉に尽くすことを誓います」という力強いお別れ
の言葉だった。続いて、参加者一同が黙祷の後、会場には故人の声と
映像が流された。
 声は亡くなる直前の笹川会長との対談の声。映像は1998年(平
成10年)5月21日、天皇、皇后両陛下をお迎えして東京・有楽町
の東京国際フォーラムで開かれた日盲連結成50周年記念大会での主
催者代表として挨拶した村谷さんの力強い声と映像だった。
 続いて弔辞が読まれた。衆議院議員の八代英太氏、日本盲人福祉委
員会会長でJBS日本福祉放送理事の板山賢治氏、日本盲人会連合副
会長の関米一郎氏、友人代表の井口淳氏、そしてシンガポールからか
けつけたWBUアジア太平洋地区協議会会長のクワ・チェン・ホック
氏の5人。「障害者の社会的地位の向上にさらに力を借りたかった。
惜しい人を亡くした」と村谷さんの死を悼む声ばかりだった。
 また、メッセージもたくさん寄せられた。自民党総裁の小泉純一郎
総理大臣、自民党の山崎拓幹事長、WBU会長のキキ・ノードストロ
ームさんらで、生前の友交を懐かしむメッセージばかりだった。
 「お別れの会」はこの後、参加者全員が菊の花を献花、村谷さんに
別れを告げた。

 3.4県議会で採択 19条改正請願
 日盲連の各加盟団体は地元県議会に「アハキ師法第19条に鍼灸を
も包括することにより、鍼灸師養成施設・学校の無秩序な急増の防止」
について、請願運動を行っているが、11月1日現在、鳥取県視覚障
害者福祉協会(板垣成行会長)、福井県視力障害者福祉協会(小山尊
会長)、長野県視覚障害者福祉協会(桜井俊二会長)、愛知県盲人福
祉連合会(彦坂和夫会長)の4団体が提出した請願が、いずれも定例
県議会で採択された。

 4.支援費制度とは? 厚労省が日盲連に説明
 福祉が自己決定で選択契約型に変わり、現行の措置制度が平成15
年度から「支援費制度」になるが、厚生労働省障害保健福祉部は9月
4日、日盲連にその概要を説明、意見交換を行った。「支援費制度」
の概要はさる8月17日の日盲連指導者研修会で厚生労働省が説明し
た通りだが、基本的な仕組みは次の通りだ。
 (ア)障害者福祉サービスの利用について支援費支給を希望する者
は、必要に応じて適切なサービス選択のための相談支援を受け、市町
村に支援費支給の申請を行う、(イ)市町村は、支給を行うことが適
切であると認めるときは、支給決定を行う、(ウ)都道府県知事の指
定を受けた指定事業者・施設との契約により、障害者福祉サービスを
利用する、(エ)障害者福祉サービスを利用したときは、本人及び扶
養義務者は、指定事業者・施設に対し、サービスの利用に要する費用
のうち本人及び扶養義務者の負担能力に応じて定められた利用者負担
額を支払うとともに、市町村は、サービスの利用に要する費用の全額
から利用者負担額を控除した額を支援費として支給する(ただし、当
該支援費を指定事業者・施設が代理受領する方式をとる)、(オ)や
むを得ない理由により上記の方式の適用が困難な場合には、市町村が
措置によりサービスの提供や施設へ入所を決定。
 また、支援費制度の対象となる身体障害者福祉法上のサービスは次
の通りだ。
 「身体障害者厚生施設」「身体障害者療護施設」「身体障害者授産
施設」(政令で定める施設に限る)「身体障害者居宅介護等事業」
「身体障害者デイサービス事業」「身体障害者短期入所事業」。ただ、
小規模作業所や福祉工場は現状通り。
 説明会には日盲連から笹川吉彦会長、牧田、唐沢の両部長が出席、
厚生労働省からは仁木壮企画課長、郡司巧障害福祉課長が説明に当た
った。意見交換で日盲連から提起された主な要望は次の通り。
 (1)ガイドヘルパーの位置づけを明確にしてほしい、(2)目が
見えない者の契約に特段の配慮をしてほしい、(3)利用者負担で地
域格差をなくし、扶養義務者負担を撤廃してほしい、(4)サービス
事業者の指定登録を適格にしていただきたい、(5)情報提供を点字、
音声、拡大文字で行うよう指導してほしい。
 なお、この説明会は他の障害者団体に対しても個別に行われる。

 5.短信
 各地で福祉大会
 秋は春と並んで各地で福祉大会の多いシーズンである。聖域なき構
造改革が進むなか、経済デフレは視覚障害者の日々の生活をもろに圧
迫しだし、大会要望も切実な要求ばかりだった。
 千葉県視覚障害者福祉協会(室岡正司会長)の第49回福祉大会が
9月28日、千葉市民会館で、千葉市視覚障害者協会(岡田正平会長)
の第9回福祉大会が10月12日、千葉市ハーモニープラザ多目的ホ
ールで、東京都盲人福祉協会(笹川吉彦会長)の第33回福祉大会が
10月24日、ギャラクシティ西新井文化ホールで、そして、岡山県
視覚障害者協会(起塚英昭会長)の第43回福祉大会が10月28日、
岡山市の福祉文化会館でそれぞれ開かれている。
 共通する要望(決議)の主なものは次の通り。
 (1)街づくり計画等に当事者の視覚障害者の参画(2)ガイドヘ
ルパー制度の充実(3)障害種別の福祉の充実と福祉の地域格差是正
(4)交通バリアフリーの実現(5)アハキ無資格者の取締り強化と
「はりきゅう科」の新増設規制(6)ヘルスキーパー制度の導入(7)
各種情報の点字、音声、拡大文字提供(8)各地元福祉協会に対する
財政援助の拡大(9)IT関連機器の日常生活用具化(10)統合教
育の推進。

 九盲連三療研修会
 第14回九盲連三療研修会が9月29、30の両日、長崎市のセン
チュリーホテルで日本盲人会連合(笹川吉彦会長)、日本あん摩マッ
サージ指圧師会(時任基清会長)、九州盲人会連合会(馬場弘会長)
の共催で開かれた。この研修会には、九州各団体から約60名が参加、
業界の現状や問題点を論議・研究を行った。笹川吉彦日盲連会長から
は、中央における三療業の現状について公演があり一層議論を深めた。
また、長崎県立盲学校の久松寅幸先生の「明治・大正・昭和・戦前期
における盲人の業権運動とその要求 あはき法制定と無資格類似行為
対策中心に」など3題の講演を聞いた。

 盲人音楽家大会
 第43回全国盲人音楽家福祉大会と邦楽演奏会が日盲連主催、日盲
連音楽家協議会、神戸市視力障害者福祉協会などの共催で9月30日、
10月1日の両日、神戸市で開かれた。30日の邦楽演奏会は同市の
垂水レバンテホールを会場に、全国から400人余りが参加、翌日は
同市舞子ヴィラで、第43回全国盲人音楽家福祉大会が開かれ、今後
の音楽家協議会の運営などについて話し合われた。

 婦人協陳情
 盲女性の社会生活問題、とりわけ生活環境の改善等の運動を進めて
いる日盲連婦人協議会(名取陸子会長)の代表6名は10月9日、東
京・霞が関の厚生労働省および永田町の参議院議員会館を訪れ、本年
7月熊本で開催された第47回全国盲婦人研修大会での大会決議事項
6項目を南野知惠子厚生労働副大臣、清水嘉与子参議院議員に手渡し、
早期実現を陳情した。また両議員に対し熊本大会成功を伝え、感謝の
意を表した。
 陳情書の内容は、障害基礎年金引き上げ、日常生活用具の指定枠の
拡大、介護保険制度の実施で視覚障害者のサービスが不利にならない
ような方策の要望、ガイドヘルパー派遣枠の拡大等多岐にわたってい
る。
 また同日、東京・高田馬場の日盲福祉センターで日盲連婦人協議会
常任委員会が開かれ、熊本大会で決まった「婦人協議会」から「女性
協議会」への名称変更は来年4月実施とすることを確認した。

 電話ナビ研修会
 日盲連(笹川吉彦会長)が厚生労働省の委託を受けて実施している
電話ナビゲーションシステムの地方実施機関実務担当者研修会が10
月22、23の両日、東京・目黒区の大橋会館で行われ、全国各地か
ら30団体、33名の参加があった。研修会開始に先立ち、笹川吉彦
日盲連会長は「情報は生き物、今回の研修会で学んだ事を生かして、
視覚障害者にタイムリーな生きた情報を流して頂きたい」と挨拶した。
 初日の研修会では、地方実施機関の代表者から事例発表の後、日盲
連情報部よりこの6月、地方のニュース入力専用のボックスを増やし
た事、また中央実施機関から各実施機関に確実にインターネット経由
で情報が流れるシステムが加わった事等が報告された。また、マンツ
ーマンを基本とするマシン操作実習は深夜まで行われた。
 2日目は有識者による“インターネットの最新情報”と題する講演
他が予定されている。なお、この研修会は、社会福祉・医療事業団か
らの補助金での実施である。

 6.障害者スポーツ大会 第1回は宮城県で
 澄み切った青空のもと、「感動体感2001」をスローガンに、第
1回全国障害者スポーツ大会「翔く・新世紀みやぎ大会」の開会式が
メイン会場である宮城県仙台市のグランディ・21宮城スタジアムで
開かれた。大会は10月29日までの3日間、59の都道府県・政令
指定都市から4987名の選手、役員が参加、陸上競技、水泳など、
8つの会場で13の競技が行われた。
 開会式は皇太子殿下をお迎えし、午前9時から始まり、選手団は2
つのゲートから沖縄県、鹿児島県と南から北の順にカラフルなスポー
ツウェアで入場、スタンドを埋めた約1万5千人の観客から大きな拍
手と歓声で迎えられた。地元宮城県の大代表団が最後に入場すると一
段と大きな声援が飛んだ。炬火は5人の走者が次々にリレーしグラン
ドを1周、シドニーパラリンピック砲丸投げで活躍した中嶋嘉津子さ
ん(東北福祉大学職員)の炬火点火で会場の盛り上がりはピークに達
した。
 大会会長の浅野史郎宮城県知事、坂口力厚生労働大臣の挨拶の後、
皇太子殿下が「日頃の訓練を十分に発揮して下さい」と激励のお言葉
を述べられた。選手宣誓は地元宮城県の吉田ふき子さんと真下静夫さ
んで、「大会の名誉を汚す事なく全力を尽くす」と力強い宣誓を行っ
た。式典に続き、福祉施設・団体及び関係者、ボランティアなど約4
千人が、宮城の豊かな自然と歴史、文化をモチーフに「バリアフリー
の実現」に向けた新世紀へのメッセージを競技場一杯にダンスパフォ
ーマンスで表現した。
 本大会は36回を重ねた全国身体障害者スポーツ大会と、9回開催
された全国知的障害者スポーツ大会を統合した、国内最大の障害者ス
ポーツの祭典で、今回の宮城大会が記念すべき第1回となる。

 野球は徳島県
 宮城県で行われた第1回全国障害者スポーツ大会3日目の10月2
9日、仙台市内の仙台商業高校グランド特設会場で、グランドソフト
ボール競技の決勝戦が行われ、徳島県が5対1で鹿児島県を逆転で破
り、初代王者に輝いた。また、大阪府と福岡市の3位決定戦は、10
対1で大阪府が勝利。決勝戦には高円宮殿下、妃殿下がお見えになり
熱心に観戦された。
 決勝戦は先攻の鹿児島県が初回3番坂元のホームランで先制、鹿児
島県にとってはいつもの必勝パターン。ところが徳島県は3回、高橋、
清水と出塁、山崎3振のあとキャプテン林がレフトへ大きな3ランを
放って一気に逆転、その後、鹿児島県のエース西村は小林を打ち取っ
たものの、コントロールが甘くなり、永濱、前川、元木に連打され、
この回5点を失った。この回の徳島県の集中打が試合を決定づけた。
 対戦成績は次の通り(カッコ内は得点)。1回戦・山梨県(0)対
大阪府(1)。2回戦・仙台市(1)対大阪府(2)、鹿児島県(5)
対岩手県(0)、徳島県(7)対三重県(2)、福岡市(5)対宮城
県(0)。準決勝・大阪府(4)対鹿児島県(6)、徳島県(4)対
福岡市(3)。決勝戦・鹿児島県(1)対徳島県(5)。

 7.徳島県が10連覇 第16回柔道大会
 第16回全日本視覚障害者柔道大会(日本視覚障害者柔道連盟、全
日本柔道連盟、日盲連など共催)が11月4日、東京・文京区の講道
館で開かれた。今大会は来年韓国のプサンで行われるフェスピック
(極東・南太平洋障害者スポーツ大会)代表候補選手選考会を兼ねて
行われ、54人が参加、熱戦を繰りひろげた。都道府県対抗戦では徳
島県が10連覇、通算11回目の優勝をかざった。2位は熊本県、3
位は大阪府だった。
 なお、日本視覚障害者柔道連盟は村谷昌弘前会長の逝去に伴い、笹
川吉彦氏が新会長に就任した。
 各個人種目の入賞者(優勝、準優勝、第3位の順。3位は2人の場
合あり)及び、フェスピック代表候補選手は次の通り。
 「60㎏級学生・一般合同」広瀬誠(東京都)、平井孝明(熊本県
)、森善勝(同)、礎眞一(福岡県)。「66㎏級学生」望月貴仁
(静岡県)、田米真暢(三重県)、武内勝昭(大阪府)。「同一般」
藤本聰(徳島県)、安井明仙(東京都)、三原健朗(福岡県)、川野
健一(宮崎県)。「73㎏級学生」米田幸弘(熊本県)、木村崇之
(三重県)、笹沼隆(埼玉県)。「同一般」稲葉統也(静岡県)、日
高道広(宮崎県)、岩本靖史(静岡県)、加藤則夫(埼玉県)。「8
1㎏級学生・一般合同」大我健侍(石川県)、大野錦治(大阪府)、
荒木義成(福岡県)、水野裕章(静岡県)。「90㎏級学生・一般合
同」加藤裕司(東京都)、高垣治(徳島県)、西村恵三(熊本県)。
「100㎏級学生・一般合同」天川敬史(熊本県)、松本義和(大阪
府)。「女子の部」赤塚正美(東京都)、山内真由美(静岡県)、永
田美和(福岡県)。「シニアの部」山本正浩(宮崎県)、諏訪光英
(茨城県)、古澤誠次(静岡県)。「フェスピック代表候補選手」広
瀬誠(60㎏級、東京都)、藤本聰(66㎏級、徳島県)、稲葉統也
(73㎏級、静岡県)、大我健侍(81㎏級、石川県)、加藤裕司
(90㎏級、東京都)、天川敬史(100㎏級、熊本県)、宮内栄司
(100㎏超級、徳島県)。

 8.愛知県が優勝 第2回グランドソフト
 第2回全日本グランドソフトボール選手権大会(日盲連、同スポー
ツ連盟協議会、同全日本グランドソフトボール連盟主催)が、10月
6日~8日の3日間、愛知県の牧野ヶ池緑地公園をメーン会場に開か
れ、全国各ブロックから予選を勝ち抜いた代表12チームが熱戦を繰
り広げた。7日は3チームづつ4ブロックに分かれてのリーグ戦が行
われ、その結果8日のトーナメント戦の組み合わせが決まった。8日
の決勝戦では東海Aブロックの愛知県が東海Bブロックの三重県を7
対5で破り優勝、3位は中国ブロックの広島県と北信越ブロックの長
野県。

 9.アジア太平洋会議 タイ・バンコクで WBU
 WBU(世界盲人連合)のアジア太平洋地域の活動方針を決めるW
BUアジア太平洋会議(WBU―AP会議)が9月20日から4日間、
タイで開かれた。WBU会長のキキ・ノードストローム女史も参加、
日本から笹川吉彦日盲連会長をはじめ、中島章順天堂大学医学部眼科
名誉教授、岩橋明子日本ライトハウス会長(WBU名誉会員)、中尾
忠雄日盲社協常務理事等が日本代表として出席、20か国、約100
人の各国代表が、WBU―APの活動の基本となる定款の内容を議論、
一部修正はあったものの本部提案通り可決、成立した。また、組織強
化のためWBU―APを3地域に分け、地域代表を置くことも決まっ
た。
 初日の総会に先立ち、WBU―AP会長のクア・チェン・ホック氏
からこの組織の副会長であり、常に視覚障害者福祉をリードした日本
の村谷昌弘氏が先日、亡くなったことが伝えられた。これを受けて笹
川吉彦日本代表が、故人の名をけがすことのないよう、これからは日
本の代表として視覚障害者福祉に全力投球すると決意を新たにした。
 今回の総会は、目的に向かって活動しやすくするため、行動の基本
となる定款の作成に重点が置かれ、終始活発な意見交換が繰り広げら
れた。また、WBU―AP地区に昨年新たにマレーシア等9か国が加
盟、会員国が20となった事から、地域の問題や、その状況を出来る
だけ早く掴むには、WBU―AP地区を東アジア、東南アジア、太平
洋・オセアニアの3地域に分け、その中から各地域代表1名を選出、
総会で地域の意見を反映しやすい組織をつくる必要があるとした。
 その結果、東アジア地域は日本を含む4カ国(日本、中国、韓国、
モンゴル)で地域代表に笹川吉彦日本代表、東南アジア地域はマレー
シアなど11か国で地域代表はフィリピンのカプト・オスカー氏、太
平洋・オセアニア地域はニュージーランドのジョナサン・モーセン氏
と、それぞれの地域分けと地域代表が決定した。代表の任期は4年。
 2日目の午後から行われたカントリーレポートでは、日本から岩橋
明子代表が大阪府堺市に国の予算で作られた障害者施設「ビッグ・ア
イ」の件と、来年2002年に日本で開催される「アジア太平洋障害
者の10年最終年記念事業」について説明、ぜひ参加をと呼びかけた。
 この他、WBU―AP会議で決まった人事は次の通り。
 「副会長」ダニエル・タンガスリー(インドネシア)、「事務局長」
アイバンホー・タック・チョイ(マレーシア)、「会計」ジョナサン
・モーセン(ニュージーランド)、「執行委員」マリアンヌ・ダイヤ
モンド(オーストラリア)、モンティアン・ブンタン(タイ)、山口
和彦(日本、東京都視覚障害者生活支援センター指導課長)。

 10.全視情協富山大会
 NPO法人になって初めての全国視覚障害者情報提供施設協会(全
視情協、川越利信理事長)の第27回大会が10月17日から3日間、
富山市の名鉄トヤマホテルで開かれた。情報提供施設、いわゆる全国
の点字図書館を中心にした集まりで、70館から約200人が参加、
視覚障害者の情報のバリアフリーを実現する方策等を研修、次の4点
を決議した。
 (1)「ないーぶネット」のシステム維持経費を、公費で負担する
よう要望する(2)視覚障害者の情報バリアの解消のため、視覚障害
者情報提供施設にIT指導員を公費で配置するよう要望する(3)デ
ジタル録音図書読書機の日常生活用具指定を要望する(4)視覚障害
に関する文化を保存するため、資料館(仮称)の設置を要望する。な
お、日盲連がこの全視情協に今年から加入した。

 11.2001年厚労白書
 坂口力厚生労働相は9月7日の閣議に、2001年版厚生労働白書
を報告した。
 今回の白書のテーマは「生涯にわたる個人の自立の支援」。単身者
の増加や雇用流動化を背景に個人の心身の自立、経済的自立が重要に
なってきたと指摘。それを支えるための社会保障制度や雇用政策の必
要性を強調している。焦点の医療制度改革の具体案については(1)
現在70歳以上の高齢者医療制度の対象年齢(2)保険料負担の水準
の検討が必要と明記。
 この2001年版厚生労働白書の録音テープ版は日盲連録音製作所
で製作、配布される予定。