平成28年12月号

平成28年12月号

すべて通して聞く(92分16秒)

タイトル別
はじめに~まだまだ人気です、「おひとりさま」スタイル!&内容紹介~(4分16秒)
1.サイトワールド2016・レポート≪後編≫~弱視者の読み書きの支援の在り方に関するシンポジウムから~ (26分11秒)

 11月1日から3日にかけて、すみだ産業会館で開催された日本最大級の視覚障害者の福祉機器展「サイトワールド2016」、その2日目には日本盲人会連合が主催する「弱視者の読み書きの支援の在り方に関するシンポジウム」が開かれました。
 会場となったすみだ産業会館サンライズホール9階の会議室1・2には多くの来場者が訪れ、慶應義塾大学の中野泰志さんの基調報告や4名のパネリストを迎えてのパネルディスカッションを熱心に聴講しました。

 【写真の説明】100名もの聴講者が会場に詰めかけました。皆様の関心の高さが窺えます。

『基調報告』~慶應義塾大学教授 中野泰志さん~&パネルディスカッション&まとめ

 このコーナーでは、トピック別に音源をご用意しています。ご希望のトピックなどがありましたら、こちらから直接お選び下さい。

『基調報告』~慶應義塾大学教授 中野泰志さん(16分12秒)~

出演:慶應義塾大学教授 中野泰志さん

 今回のシンポジウムは、日本盲人会連合加盟団体・日本網膜色素変性症協会・弱視者問題研究会などに所属する弱視者1200名にアンケートを行い、回収された704人(58.7%)の回答を分析し、弱視者が抱える「読み」と「書き」の悩みとその現状・課題などをデータとして示し、必要とされる支援および合理的配慮について討議する場として企画されました。

 慶應義塾大学教授の中野泰志さんは、報告の中で、障害者支援の要である福祉制度と出会うまでに5年以上かかったと回答した当事者が約25%に上ったことを問題視、とくに眼病などが発症・悪化した際、患者が最初に足を運ぶことが考えられる「眼科医」については、その回答率が約13%に止まったことを大きな課題としました。

パネルディスカッション&まとめ(9分58秒)

 出演:弱視者問題研究会代表 並木正さん&
 公益社団法人日本網膜色素変性症協会 理事長 金井國利さん&
 株式会社アーチャレジー代表取締約社長 安藤将大さん&
 視覚障がい者ライフサポート機構”viwa”理事長 奈良里沙さん

 質疑応答では来場者から、パスポートなど行政機関の申請についての「書き」の苦労が訴えられ、サインガイドひとつあるだけでも負担が大きく軽減される旨の発言には、多くの当事者が共感を示しました。

 また、コミュニケーションの多様化によりツールが増え、「LINE」などの使用が前提となるような場面もあり、中野先生は結びに「若い弱視者の支援にこれらのようなコミュニケーションツールに対する支援を加えること、そして抵抗を感じる高齢者世代に対する支援も加えるなど、見え方の多様性とともに年齢の多様性を考える必要がある」と総括しました。

公的機関における視覚障害者の情報提供に関する実態把握のための調査研究事業報告書

 声のひろばでは今回の調査結果をピックアップしたため、調査として独立して行われたように感じる方も多いかもしれません。
 しかしながら、実際には今回の調査は日盲連が昨年度に実施した「公的機関における視覚障害者の情報提供に関する実態把握のための調査研究事業」の調査結果で、弱視者(ロービジョン)に対する配慮がほとんど行われていないことが判明したことを受け、弱視者(ロービジョン)における「読み」と「書き」の環境の実態を調査したという背景があります。
 前回の調査結果につきましても、以下に参考資料として掲出します。どうぞご覧下さい。

【お問い合わせ】
 (福)日本盲人会連合 組織部団体事務局
 電話:03-3200-0011 FAX:03-3200-7755 E-mail:jim@jfb.jp

2.将棋と「私」~全国盲人将棋大会、皆様に支えられて40回を迎えました~(28分38秒)

 11月19日と20日の2日間、日本盲人会連合主催「第40回全国盲人将棋大会」が開催されました。
 会場となったメヂカルフレンドビル(東京都千代田区)には、全国から将棋に魅せられた48名(S級:6名、A級:18名、B級:17名、C級:7名)が集い、各盤で白熱した対局が展開されました。

 また、40回を迎えた今大会ではA級優勝経験者で構成されるS級が新設され、日本将棋連盟から授与される五段位をかけての総当たり戦が展開、公益社団法人日本将棋連盟棋士 先崎学九段が審判長として見守る中の対局は混戦模様を呈しました。

S級優勝者 山下幸四郎さん(岡山県)(7分47秒)

 すっかり全国盲人将棋大会の常連となった静岡県立大学教授の石川准(静岡県)さん。その熱意は、「一ヶ月間、仕事や余暇時間もすべて削った」と相当なものでした。そんな石川先生の前に立ちはだかったのが、石川先生も自身も対局を楽しみにしていたという昨年の覇者 山下幸四郎さん(岡山県)でした。
 「恥ずかしくない将棋を指した」と山下さんは、石川さんとの対局を振り返ります。

A級優勝者 中藤真さん(岡山県)(2分56秒)

 A級は、地元で教鞭を執るS級優勝者の山下さんの教え子でもあり、山下さんが「秘密兵器」と称する中藤真さん(岡山県)が優勝し、山下さんと一緒にS級・A級のトロフィーを地元に持ち帰りました。なお、2位は西山洋一さん(神奈川県)、3位は玉津島一誠さん(埼玉県)となっています。
 社会人2年目の中藤さん、来年も仕事と将棋を頑張りたいと顔を輝かせました。

B級優勝者 長谷川智也さん(愛知県)(3分19秒)

 新たな顔ぶれの活躍が目覚ましかったB級、最終対局は2時間にもおよび閉会式の直前までもつれ込みました。初出場の長谷川智也さん(愛知県)が優勝に輝き、2位には斎藤啓二さんが(福島県)続きました。
 また、「弱視者の読み書きの支援の在り方に関するシンポジウム」でシンポジストを務めた並木正さん(東京都)も初出場、堂々のベスト3入りを果たし、その腕前を見せつけました。

C級優勝者 山下ひとみさん(兵庫県)(3分8秒)

 C級は昨年の4人から7人と参加者が2倍近くに増えました。マイクロソフトが提供するインターネット電話サービス「Skype」を利用して将棋を楽しむ人が増えていて、そこで誘われ参加したといった、人との新たな「つながり」方も近年急速に広がりつつあるようです。
 総当たり戦を制したのは山下ひとみさん(兵庫県)です。2位に江川昭夫さん(東京都)、3位に仲沢安夫さん(茨城県)が続きました。

公益社団法人日本将棋連盟棋士 先崎学九段インタビュー&映画『聖の青春』をUDCustで楽しもう!(11分26秒)

 A級・B級のトーナメント敗退者による交流戦は、小宮山芳人さん(東京都)・長曽我部進さん(宮崎県)、島嵜秀五郎さん(東京都)が3勝0敗で同率首位に並びました。

 交流戦の優勝者3名に贈られたのは、先崎九段自筆の色紙でした。したためられた言葉は『棋は対話』。先崎さんはこの四字にどのような想いをこめたのでしょうか?

 また、スマホ・タブレットのアプリで音声ガイドなどを楽しむ『UDCast』、こちらのシステムに対応した映画『聖の青春』についてもご紹介します!

【UDCastに関するお問い合わせ】
 UDcastサポートセンター 電話:0120-291-088 WEBサイト:http://udcast.net/

 ※WEBサイトには、利用ガイドのデータ(PDF形式・テキスト形式)が掲載されています。ご利用の前に、ぜひご一読下さい。

3.映画『ちょき』と日盲連がコラボ企画!渋谷の夜を一緒に盛り上げませんか?~12月15日は音声ガイド付き上映会とトークショーの豪華二本立て、トークショーには大胡田誠弁護士が出演!!~(13分34秒)

映画『ちょき』音声ガイド付き上映会概要

映画『ちょき』公式サイト:http://choki-movie.com/

日時:12月15日(木) 20:30~22:30
 (上映時間98分・トークショー30分)
 20:30~22:00映画上映 22:10~トークショー
料金:一般 前売:\1,300・当日:\1,800/
 ハンディキャップ割引:¥1,100
 (付き添いの方を含め2名様まで)
劇場:渋谷HUMAXシネマ(JR山手線渋谷駅5分)

(※音声ガイドを楽しむためには、ラジオが必要です)

監督:金井純一

出演:増田璃子・吉沢悠・藤井武美・和泉ちぬ・広澤草・芳本美代子・小松政夫

ちょきさん、ごめんね、ありがとう。

映画『ちょき』って?

 映画『ちょき』は、視覚障害者の少女と美容師のおじさんが繰り広げる小さな恋の物語です。
 すべてのシーンを和歌山市内で撮影したとあって、わかやまじゃんじゃん横丁・和歌浦天満宮・マリーナシティなどの名所や和歌山盲学校などの風景が、シーンひとつひとつを魅力的に彩ります。
 11月19日(土)の和歌山県での上映を皮切りに11道府県で順次公開されています。

映画『ちょき』、ついに東京で上映開始!!初日には舞台挨拶

 『ちょき』初日に行われた舞台挨拶では、瀬戸サキ役の増田璃子さん、波多野直人役の吉沢悠さん、監督の金井純一さんが登壇し、役を演じる上で気をつけた点や撮影の裏話などを、ときに笑いを交えながらお話しました。今月号の声のひろばでは、この音源の一部をお届けしています。
 長編映画は初出演となる増田さんは、視覚障害者を演じるときにあることを考えたといいます。さて、それは何でしょうか?また、監督の金井さんが視覚障害者を主役にした映画を撮ろうとした理由とは?

12月15日の夜は、映画『ちょき』と日盲連がコラボ!!

 15日は一夜限定の音声ガイド付き上映のほかに、特別企画として、金井純一監督と視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN)理事の上田喬子さん、そして全盲の弁護士として講演など幅広く活躍をされ、また日本盲人会連合青年協議会の会長として障害者権利運動にも精力的に取り組む大胡田誠弁護士によるトークショーを開催します。

 映画『ちょき』については、日盲連のWEBサイトで詳細情報を公開しています。また、初日の舞台挨拶についても、後日追加情報として掲載する予定です。

4.日盲連用具ステーション~クリスマスキャンペーン&Panasonic製ICレコーダー「RR-QR220」のご紹介~(4分36秒)

 この愛くるしさは、ぜひ触って実感して下さい!!
 用具購買所で、皆様のお越しをお待ちしています。

【写真の説明】なでなでねこちゃんデラックス2&Panasonic製ICレコーダー「RR-QR220」

【お問い合わせ】日盲連用具購買所
 電話:03-3200-6422 FAX:03-3200-6428

5.言葉の船出~竹田寿和さん~(7分31秒)

 出演:日盲連相談役 竹田寿和さん

【全文】「肝苦りさ(ちむぐりさ)」と「胴苦りさ(どぅーぐりさ)」沖縄県 植木善雄さん(16分23秒)

おわりに~真っ白な天井の小さな一文字~(4分5秒)

 声のひろばへのご感想は、日盲連情報部までお寄せ下さい。
【お問い合わせ】日盲連情報部 電話:03-3200-6169 E-mail:jouhou@jfb.jp

奥付

日盲連 声のひろば奥付&著作権について(1分46秒)

 本コンテンツの著作権は、日本盲人会連合が有します。また貸し、複製などによる第三者への提供はできません。予めご了承ください。

 編集:社会福祉法人 日本盲人会連合 情報部
 電話:03-3200-6169 E-mail:jouhou@jfb.jp

 発行:社会福祉法人 日本盲人会連合
 〒169-8664東京都新宿区西早稲田2-18-2
 電話:03-3200-0011(代表) FAX:03-3200-7755 WEB:http://nichimou.org/