会長からのご挨拶
社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合
(旧 社会福祉法人 日本盲人会連合)
会長 竹下 義樹
私は、この度、日視連7代目の会長の重責を担うことになりました。日視連は、1948年に結成されて以来、わが国の視覚障害者福祉をリードしてきました。これまでの6代にわたる会長は、その時々の情勢を的確に把握し、会員のニーズに即した要求活動を展開してきました。歴代の会長は、わが国の障害者福祉のリーダー役をも務めてきたと言っても過言ではありません。
わが国においては、2009年から障害者制度改革が動き始めました。2006年12月13日に障害のある人の権利条約が国連で採択されたことも、わが国の障害者制度改革を後押ししていますが、その改革がどこまで前進するかは、私たちの運動にかかっていることも忘れてはなりません。
私はそうした情勢の下で会長就任にあたり、障害者とりわけ視覚障害者運動の視点として、以下の3点を意識したいと思っています。
1 視覚障害者にとって住みやすい社会を追求すること
2 一人一人の視覚障害者が自らの人生を意識し、自己実現を図ることのできる環境を整備すること
3 諸先輩が積み上げてきた伝統を大事にし、さらにはそれを時代に合わせて進化させることそうした問題意識のうえに立って、全国組織としての日視連が取り組むべき課題を明確にすることがまず必要です。そして、長期目標と当面する課題を整理し、この1年間の活動だけでなく、5年、10年先を見据えた運動方針を明確にしていきたいと思います。
視覚障害者福祉にとってもっとも重要なことは、障害の特性ともいうべき情報障害をどれだけ克服することができるかということです。そのためのさまざまな施策を実現するべく国や自治体に対し要求活動を展開することも必要ですが、あわせて日視連自身が会員及び加盟団体が必要としている情報を提供できるかも問われています。その点では、日視連の組織力の強化とともに、情報収集と情報提供の充実が大切です。
ところで、東日本大震災から1年が経過しましたが、未だに被災者は将来への展望を持つまでには至っていません。とりわけ視覚障害を有する被災者にとって、地域生活の安定と職業的自立を回復するには、なお一層の支援を必要としています。被災状況だけでなく、現時点で必要とされる支援を聞き取りし、日視連としての支援活動を継続することが必要です。
会長就任にあたり、整理しなければならない問題は山積していますし、めまぐるしく変化する情勢にも的確に対応しなければなりません。私1人の能力は微々たるものです。3名の副会長だけでなく、理事の方々や日本視覚障害者センターの職員の知恵をも結集しながら、今後の日視連活動を充実したものにしていきたいと思います。これからの任期2年間、みなさんの期待に沿うことができるよう全力で取り組むことをお約束するとともに、会員のみなさんのご支援とご鞭撻をお願いし、就任の挨拶とさせていただきます。
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