JR西日本富木駅における視覚障害者の転落事故に関する緊急声明

2017年10月6日

2017年10月6日

JR西日本富木駅における視覚障害者の転落死亡事故に関する緊急声明

社会福祉法人 日本盲人会連合 
会長 竹下 義樹 

 去る10月1日夜、JR西日本阪和線富木駅において、視覚障害の男性が駅ホームから転落し、電車に轢かれ、死亡するという痛ましい事故が発生した。
 ご遺族には心からお悔やみを申し上げる。

 事故が発生した富木駅はホームドアが設置されておらず、内方線付き点状ブロックも敷設されていないと聞き及んでいる。
 仮に、ここに転落防止のためのホームドアが設置されていたならば、このような悲しい事故は発生しなかったに違いない。このようなことを思えば悔やんでも悔やみ切れない。
 早急に転落原因を解明し、抜本的な安全対策が講じられることを心から望む。そして、これら対策が遅れれば遅れるほど、このようなゆゆしき事態が再び起こりうることを肝に銘じられたい。
 統計によれば、駅ホームからの転落事故は年間約3,700件近くにのぼっている。平均して1日10件余りの転落事故が発生していることになる。もはや、駅ホームの安全対策は視覚障害者のみの課題ではなく、国民全体の課題である。
 鉄道駅ホームからの転落事故は、国、自治体、鉄道事業者、そして駅利用者が努力すれば、必ず無くすことができる事故である。抜本的な安全対策を可及的速やかに講じ、二度とこのような悲惨な事故が生じないよう強く望むものである。

 以上声明する。