JR西日本阪和線富木駅での転落事故 現地視察と意見交換

2017年10月30日

 平成29年10月23日(月)、日本盲人会連合は日盲連近畿ブロック協議会と連携し、大阪府高石市にあるJR西日本阪和線富木駅の現地視察、そしてJR西日本との意見交換を行いました。

 今回の視察と意見交換は、10月1日(日)の夜に同駅で発生した視覚障害者のホームからの転落死亡事故を受けて実施したもので、日盲連からは小川幹雄副会長、日盲連近畿ブロック協議会からは辰巳寿啓ブロック長を中心に加盟団体の各代表、合計7名が参加しました。

 まず、富木駅の視察においては、各代表が白杖を使用しての単独歩行、介助者との歩行など、様々な角度から同駅の安全性を確認しました。視察を行った結果、屋外に敷設されたホーム縁端警告ブロックの一部に劣化があり、床との違いが分かりづらいことなどが参加者から指摘されました。
 また、安全に歩行をするためには、ホーム縁端警告ブロックを内方線付き点状ブロックに変更する必要があることも指摘されました。

 富木駅の視察後に開催されたJR西日本との意見交換では、富木駅に関する意見交換に加え、駅利用全般に係わる意見交換が行われ、双方から活発な意見や提案がありました。
 近畿ブロックの参加者からは、一日の乗降客数が少ない駅においても、視覚障害者が利用する駅ではホームドアや内方線付き点状ブロックの敷設を進めて欲しいとの意見がありました。また、別の参加者からは、自身の体験を踏まえ、視覚障害者自身が歩行訓練を積極的に受けることで、駅ホームを安全に歩行することが出来ることが提案されました。
 JR西日本からは、同社が進めている安全対策についての説明を行い、視覚障害者を含む駅利用者が、駅利用において困ったことがあれば遠慮することなく駅員などに相談をして欲しいことが意見として述べられました。

 終了後の参加者からは、今後、駅の安全を向上させるためには、鉄道事業者と視覚障害当事者が協力しながら、安全対策を進める必要性があると意見が一致しました。日盲連としても、引き続き、鉄道事業者への協力、そして視覚障害者自身が行う安全対策の啓発を促すよう、対策を進めていきます。