ホームドアに設置されている点字案内に関するアンケート調査 調査結果について
平成28年12月26日
「ホームドアに設置されている点字案内に関するアンケート調査」集計表
社会福祉法人日本盲人会連合
調査期間:平成28年12月9日(金)~16日(金)
調査対象者:全国の視覚障害者(日本盲人会連合のJBニュース購読者及びホームページ閲覧者)
有効回答者数:65人
集計結果の概要
・回答は全盲で、点字が読める方を中心に集まっている
・ホームドアの形状は「可動式ホーム柵」を求める声が多い(70.8%)
・ホームドアに付ける点字案内は「ホームドアの両側2箇所」を求める声が多い(58.5%)
・可動式ホーム柵の点字案内の設置位置は「ホームドアの上部」を求める声(67.7%)が多く、実際 にホームドア上部から点字を探す回答者が多い
・可動式ホーム柵の上部に触れる行為は、実際に注意された経験がある方は少数(6.2%)だが、鉄道事業者側が危険と判断して注意することもあることが分かった
・ホームドアに設置する点字案内の敷設位置と案内の内容は各鉄道事業者で統一をして欲しいという声が目立った
・ホームドアに設置している点字案内・墨字案内の存在を知らなかった方が少数おり、設置したことに対する情報提供の在り方も検討する必要がある
<アンケート集計結果>
問1 視覚障害の程度
人数 |
% |
|
全盲 |
42人 |
64.6% |
弱視 |
23人 |
35.4% |
その他 |
0人 |
0% |
合計 |
65人 |
100% |
問2 点字を読むことは出来ますか。
人数 |
% | |
出来る |
58人 |
89.2% |
出来ない |
7人 |
10.8% |
合計 |
65人 |
100% |
問3 ホームドアはどのような形状が良いかと思いますか。
|
人数 |
% |
フルスクリーンタイプ |
5人 |
7.7% |
可動式ホーム柵 |
46人 |
70.8% |
その他 |
1人 |
1.5% |
特にこだわりがない |
13人 |
20.0% |
合計 |
65人 |
100% |
<その他の主な回答>
・上下に開閉するホームドア
問4 ホームドアに付ける点字案内は、何箇所必要だと思いますか。
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人数 |
% |
ホームドアの片側だけ1箇所 |
15人 |
23.1% |
ホームドアの両側2箇所 |
38人 |
58.5% |
どちらでもよい |
10人 |
15.4% |
無回答 |
2人 |
3.0% |
合計 |
65人 |
100% |
以下、問5~7は可動式ホーム柵(壁の高さが胸の位置前後のホームドア)についてお伺いします。 |
問5 可動式ホーム柵に付ける点字案内の設置位置は、どの位置が適切だと思いますか。
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人数 |
% |
ホームドアの側面(壁になる部分)が良い |
7人 |
10.8% |
ホームドアの上部(手すりに当たる部分)が良い |
44人 |
67.7% |
どちらでもよい |
5人 |
7.7% |
無回答 |
9人 |
13.8% |
合計 |
65人 |
100% |
問6 初めて利用する可動式ホーム柵において、点字案内を探す場合はどのように探しますか。(複数回答 65人中)
|
人数 |
% |
ホームドアの側面(壁になる部分)から手探りで探す |
10人 |
15.4% |
ホームドアの上部(手すりに当たる部分)から手探りで探す |
35人 |
53.8% |
その時の状況に応じて、適当な場所から探し始める |
15人 |
23.1% |
周りの人に聞く |
6人 |
9.2% |
その他 |
2人 |
3.1% |
<その他の主な回答>
・体験していないのでわかりません。
・特に点字を探すことは普段ありません。
問7 可動式ホーム柵の上部(ホームドアの手すりに当たる部分)に手をかけたことで危険とみなされ、列車の警笛を鳴らされた、又は駅員に注意された経験がありますか。
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人数 |
% |
列車の警笛を鳴らされたことがある |
2人 |
3.1% |
駅員に注意されたことがある |
2人 |
3.1% |
両方ある |
0人 |
0% |
そのようなことはない |
50人 |
76.9% |
その他 |
5人 |
7.7% |
無回答 |
6人 |
9.2% |
合計 |
65人 |
100% |
<その他の主な回答>
・今までホームドアに点字表示があることを知らなかった。
・列車接近時はホーム柵の上部に手をかけない。
・列車の接近があると怖い。
・実際に可動式ホームドアに触れたことがない。
問8 点字案内に併記されている墨字の案内を利用されている方にお伺いします。墨字で記載されている内容はどこまで確認をしますか。
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人数 |
% |
墨字の記載内容は全て確認する |
9人 |
60.0% |
墨字の一部を認識し、後は点字で確認する |
1人 |
6.7% |
その他 |
5人 |
33.3% |
合計 |
15人 |
100% |
<その他の主な回答>
・墨字併記を知らなかった。
・点字表記のみ確認する。
・乗車位置の確認のため乗車ドア番号の確認。
・弱視なので細かい文字はルーペを使用している。そのため、わざわざ読むことはしない。
問9 その他、要望や意見があれば、ご自由にお書き下さい。
※以下、自由記述で頂いた意見を内容別にまとめる。
(1)ホームドアの設置
①少しでも早く、たくさんの駅にホームドアを設置して頂きたい。
②限られた予算でなるべく多くの駅に可動柵が設置されることを切望します。
③駅によってホームドアが設置されていたり、設置されていなかったりして分かりにくい。地下鉄などは統一して設置して欲しい。
④路線単位での設置が難しいときは、特に視覚障害者にとって危険な駅ホームに単独で設置する。例:視覚障害者が多数利用する施設(点字図書館等)の最寄駅、島式ホーム、路線の乗換駅、乗降客が1万人以上の駅
(2)ホームドアの構造
①ホームドアについては、様々なものが出てきているが、大人の胸の位置まで壁があるものが良いと思う。白杖がしっかりと壁をとらえて乗り場所などがわかる。
②昇降式のロープ柵があるが、ロープに触れると、ロープに触れないでくださいという音声がなってしまうので、視覚障害者にとっては位置を確認するのに不便であるから改善して欲しい。
(3)ホームドアに設置されている点字案内
①ホームドアに点字表記をする場合、左右どちらでも構わないが、各鉄道事業者がバラバラで統一したところに表記するようにして欲しい。
②電車のドアや階段の手すりなどにある点字表示でいつも助かっている。今後あらゆる場面でこのような点字表示が増えるように運動していただきたい。
③点字表記の内容や順序を各鉄道事業者に共通化してもらいたい。
④ホームドアに点字表記がついていることを知らなかった。
⑤扉の左右に点字表示がないホームドアがあるので、早めに表示を付けていただきたい。
⑥後付けの点字は耐久性に難を感じるので、製造時に点字を付加して欲しい。
⑦ホームドアの手すりにあたる部分を手で触った時に埃があって汚いと感じた。時々清掃をして欲しい。
⑧点字表示・墨字表示しているそばに人が立たないように促して欲しい。
(4)ホームドアを設置したことの情報提供
①視覚障害者協会を通じて知らせて欲しい。
②ホームドアが設置されていること。設置されているホームドアに点字案内があることを周知するための案内が必要ではないか。
(5)人的支援
①周囲にいる目が見える方に対して、視覚障害者への理解や時間に余裕がある時にサポートをして欲しいという旨の啓発活動が重要であると思う。
②各駅の改札付近に必要に応じてお手伝いできる専用スタッフを配置するシステムをつくるほうが雇用面からもよいのではないか。
③肝心なのはやはり心のつながりです。一声が、大切だと思います。
(6)弱視者への配慮
①ホームドアの扉部分の下のホーム上に赤色のランプを付け、電車が接近の際に点灯しドアの位置を教えてほしい。暗い時間帯にはロービジョンに見やすいよう、表示部分を明るくしていただきたい。
②白っぽい色のホームドアは自分にとっては見えにくい。
(7)その他
①複数の編成の列車が来るホームで、次にくる列車が止まるドアがわかるようにして欲しい。
②列車が停車し、ホームドアが開いた状態を教えてくれる音声案内ができたら良いと思います。
③コストの面で大きな負担がかかるのもどうかと思います。ならばどうするかということですが、点字ブロックの設置自体の見直し、視覚障害者自身の再訓練も必要ではないでしょうか。
④ホームドアやホーム柵が設置されることが最良であるが、その前に点字ブロックの設置、階段やエレベーターなどの位置を音声や音響信号機で案内することが先だろう。全駅に設置されることが必要である。
⑤壁面にモニターを使った、次に来る列車情報や停車中の列車情報、女性専用車両など車両情報を表示して欲しい。