平成28年度 各関係府省庁へ陳情

2016年6月24日
厚生労働省へ陳情している様子

竹下義樹会長が厚生労働省へ要望書を渡している様子

 平成28年5月20日(金)から22日(日)に青森県で開催されました第69回全国盲人福祉大会において、採択されました視覚障害者福祉施策等に関する陳情案件の改善を関係府省庁へ6月22日(水)に陳情しました。

厚生労働省陳情書

【障害者差別解消法の推進】
1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

【障害者福祉制度】
2.視覚障害等級判定は、両眼視力の和ではなく、両眼で実際に見える視力に改めることを要望する。 

3.65歳を過ぎても、介護保険法による居宅介護を強要されることなく、65歳以降も総合支援法によるサービスを受けられるよう要望する。

4.介護保険の要介護度1・2の対象者の家事援助給付を廃止しないよう要望する。 

5.障害者総合支援法における障害支援区分調査は視覚障害者専用の調査項目(調査表)に基づく調査をするよう要望する。

6.全国において重度障害者医療扶助は、償還払いではなく窓口無料とする制度化を要望する。

【障害者福祉施設】
7.養護盲老人ホームに入居を希望したすべての視覚障害者が入所できるように所得制限や年齢制限等の入所要件の改善を関係機関に働きかけることを要望する。

8.グループホームに一定の視覚障害者枠の位置づけを要望する。

【同行援護】
9.同行援護事業について、行政の福祉担当者及びサービス提供事業者の資質の向上を図るよう要望する。

10.同行援護の報酬単価を引き上げるとともに、身体介護を伴う・伴わないの区分の撤廃を要望する。

11.自治体の担当者は、同行援護制度の理念を熟知し、利用者、ヘルパーの相談者ともなるよう要望する。

12.同行援護事業において、利用者負担を廃止するとともに、個人のニーズに合った支給量を確保し、支給上限額や一日の利用時間の制限を設けないことを全国の自治体に徹底されたい。

13.同行援護事業における地域間格差を無くすため、制度の理念や国が示している要件ないし基準を守るよう、国から都道府県を通して全国市町村に対し指導するよう要望する。

14.同行援護事業及び移動支援事業の適応対象を拡充し、通勤通学時への適用及び自営業者の出張時にも利用できるよう要望する。とりわけ、当面実施する通勤通学における訓練への適用においては、現に当該当事者が安全に通勤通学ができるようになるために充分なものにしていただきたい。

15.同行援護従業者が運転する車の利用を認め、その移動時間を利用料金として算定できるよう要望する。

16.同行援護従業者の養成研修会を地域生活支援事業の必須事業としていただきたい。

【日常生活用具】
17.補装具並びに日常生活用具の給付においては、地域間格差を解消するため、日盲連が示す日常生活用具品目一覧を参考例に品目の指定や耐用年数及び基準額は国において指針を示し、当事者のニーズに合った品目の支給ができるよう自治体に働きかけていただきたい。

18.「しゃべる線量計」を日常生活用具とすることを自治体に働きかけていただきたい。

19.視覚障害者用レコーダー及びDAISY再生機の給付上限額を見直すとともに、日常生活用具としての支給対象者を身体障害者手帳3級以上の視覚障害者にも拡大し給付するよう要望する。

【医療と福祉】
20.視覚障害者が入院中にガイドヘルパーを利用できることを早期に実施するとともに、身辺の世話を看護師や看護補助者が確実に実施するよう教育と制度の充実を要望する。

【視覚障害リハビリ】
21.視覚障害者の自立と社会参加を促進するため、歩行訓練士を増員し、配置基準を定め、どこででも歩行訓練が受けやすい環境を整備するよう要望する。

22.歩行訓練士(視覚障害生活訓練等指導者)を国家資格とすることを要望する。

【年金・手当】
23.年金のみで生活している視覚障害者に消費税引上げ額に相当する手当の創設を要望する。
 
24.障害基礎年金に高齢者加算及び児童加算を創設していただきたい。

【意思疎通支援の充実】
25.すべての視覚障害者に対するコミュニケーションを保障するため、自宅や入院時に利用できる代読・代筆制度の確立を要望する。

26.点訳者、音訳者のそれぞれの養成研修会を地域生活支援事業の必須事業とされたい。

【盲導犬】
27.盲導犬の正しい理解を普及啓発し、盲導犬使用者の事故等の再発防止策を講じられたい。あわせて、ユーザーマナーの向上のための施策を官民一体で取り組んでいただきたい。

28.自動車税減免制度を当該身体障害者が利用する場合においては条件を限定せず、減免を受けられるよう要望する。

 

厚生労働省陳情書(職業関係)

【あはき関係】
1.柔道整復師による保険請求を厳格化するため、部位転がし施術を禁止し、柔道整復師の療養費の審査請求を強化することを要望する。

2.視覚障害あはき師が療養費制度を活用するため、医師による同意書発行の簡便化を要望する。

3.鍼灸の療養費支給対象は、「慢性病であって医師による適当な治療手段がないもの」とされているが、マッサージのように「医療上必要とする症例」に変更していただきたい。

4.あはき保険請求書の様式を、各保険者共通のものにするよう要望する。 

5.政府の職業対策として地方公共団体に対し、視覚障害あん摩マッサージ指圧師をヘルスキーパーとして雇用するか、マッサージを庁舎内で行うことが可能になるよう指導していただきたい。

6.あはき法19条の堅持を強く要望する。

7.視覚障害マッサージ師の職業自立につながる「マッサージ補助券」を、国の施策として全国1,718市町村が発行するよう要望する。

8.あはきを業としていくための第一歩である臨床力を強化するため、教員の資質向上及び教育課程の充実を要望する。

【無資格関係】
9.無資格医業類似行為者を取り締まるため、鍼、灸、マッサージの定義を明確にし、無資格業者の養成所を排除するとともに、柔道整復師による違法な保険取扱いを規制するよう要望する。

【一般就労】
10.視覚障害者の就労を拡大するため、改正障害者雇用促進法に基づき、国家試験をはじめとする各種の資格試験において、受験者の障害及び希望に応じて点字、録音、画面読み上げソフトを用いた受験など、適切な合理的配慮が提供されるよう要望する。

11.視覚障害者の職域拡大に向けての調査及び研究を実施しデータベース化するとともに、職能訓練養成機関の充実を要望する。

12.就労継続支援事業の定員の最低基準を5人に緩和するよう要望する。

13.民間企業の従業員、公務員、自営業者など、就労の形態に関わりなく、全ての働く視覚障害者がヒューマンアシスタント(職場介助者)を利用できる制度の実現を要望する。

 

経済産業省陳情書

【障害者差別解消法の推進】
1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

【詰め替え容器】
2.シャンプー等の詰め替え容器のパッケージは、視覚障害者に判別しやすいデザインにし、点字で表示するよう要望する。

【家電製品】
3.家庭生活に必要な施設・設備において、操作ボタン等に点字・拡大文字・音声等の表示を付けるよう要望する。
 
4.家電製品の操作ボタンには点字表示を要望する。また音声による操作ガイドの充実を要望する。

5.家電製品など機器の操作をタッチパネル方式ではなく、視覚障害者が使いやすい方式にするよう要望する。

【情報アクセス・情報機器】
6.スマートフォン等の新たな情報端末は、視覚障害者も容易に活用できるよう要望する。

7.音声の出る従来型携帯電話(フィーチャーフォン)の生産が継続されるよう、メーカーに対して働きかけるよう要望する。

8.歩行者用信号機の青信号が確認できるスマートフォンのアプリ等の開発を要望する。

 

国土交通省

【障害者差別解消法の推進】
1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

【道路関係】
2.歩道車道の区別のない道路についても、点字ブロック設置の基準を定めるよう要望する。

3.視覚障害者の安全な移動を確保するため、誘導ブロック、エスコートゾーン、音響式信号機、室内用誘導ブロックなどの拡大を要望する。

4.ラウンドアバウト交差点の廃止を要望する。やむを得ず当該交差点を設置する場合は、エレベーターを併設した陸橋や地下道を設置し、視覚障害者の安全な利用を担保するよう要望する。

【福祉有償運送・高速道路関係】
5.福祉有償運送制度を、震災復興特区や福祉支援モデルとして、外出支援に活用できるよう要望する。

6.公共交通機関が発達していない地域では、福祉有償運送制度における有償運送協議会の許認可が容易に受けられるよう要望する。

7.高速道路の通行割引制度において、身体障害者手帳の提示により割引が可能となるよう、事業者への指導を要望する。

8.自動車税減免制度を当該身体障害者が利用する場合においては条件を限定せず、減免を受けられるよう要望する。

【公共施設】
9.公共性の高い建物の入り口には、音声誘導装置の設置を義務するよう要望する。

10.公共性の高いトイレの個室にあっては洗浄ボタン・非常ボタン・ペーパーホルダーの色や形状・取り付け場所を統一するよう要望する。

11.弱視者のために公共施設や交通機関の照明・表示・サインを見やすくするよう要望する。あわせて、各地の医療機関及び訓練施設においてロービジョンケアが実施されるよう要望する。

【ICカード・駅】
12.交通系ICカードの障害者割引については、1枚の交通系ICカードで電車(グリーン車も含む)やバスでの付添いの割引が適用できるよう要望する。

13.駅の券売機、エレベーターなど機器の操作をタッチパネル方式ではなく、視覚障害者が使いやすい方式にするよう要望する。

14.駅ホームの可動柵等の設置については、年次計画を立てて整備するよう要望する。

【自動車安全対策】
15.すべての自動車に「車両接近通報装置」の搭載を義務付け、そのスイッチが意図的に切ることのできない構造にするよう要望する。

【点字ブロック】
16.建物内の点字ブロックについては、日盲連で推奨した設置基準を全国で統一基準とするよう要望する。

【家電製品】
17.家庭生活に必要な施設・設備において、操作ボタン等に点字・拡大文字・音声等の表示を付けるよう要望する。

 

総務省陳情書

【障害者差別解消法の推進】
1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.公務員にもヒューマンアシスタント(職場介助者)制度が適用されるよう要望する。

3.視覚障害者の就労を拡大するため、改正障害者雇用促進法に基づき、地方公務員採用試験において、受験者の障害及び希望に応じて点字、録音、画面読み上げソフトを用いた受験など、適切な合理的配慮が提供されるよう要望する。

【災害】
4.病院や高層ビルにおいても災害情報や生活情報がラジオで得られるよう改善策を講じることを要望する。

5.各自治体において、災害時に備え、要援護者としての視覚障害者にも配慮したきめ細かな対応マニュアルを作成するとともに、そのマニュアルが有効に機能するよう要望する。

6.想定される南海トラフ巨大地震・津波等に対する防災計画は視覚障害者が容易に避難できるような具体的な防災対策を早期に策定するよう要望する。

【情報提供】
7.テレビのニュースや緊急放送における字幕スーパーの音声化と外国語の日本語吹き替えを要望する。

8.情報バリアを解消するため各種契約書及び重要事項説明書等は、点字・音声・拡大文字など当事者の必要な媒体で作成し提供されるよう要望する。

9.選挙公報をはじめとする情報は、点字、音声、拡大文字、テキストデータなど、当事者の必要な媒体で作成し、提供されることを義務化するよう要望する。

10.歩行者用信号機の青信号が確認できるスマートフォンのアプリ等の開発を要望する。

11.スマートフォン等の新たな情報端末は、視覚障害者も容易に活用できるよう要望する。

12.音声の出る従来型携帯電話(フィーチャーフォン)の生産が継続されるよう、メーカーに対して働きかけるよう要望する。

【公務員・公共施設】
13.公務員、特に警察官の身分証明書が視覚障害者にも容易に認識できるように配慮することを要望する。

14.公共性の高い建物の入り口には、音声誘導装置の設置を義務化するよう要望する。

【情報保障】
15.電子政府(e-Gov)におけるインターネット上での各種申請において、提出時に求められる画像認証での入力を視覚障害者が認知出来る方法に改めるよう要望する。

 

金融庁

1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.金融機関及び保険会社において、全ての書類について職員による代読代筆を認めていただくよう要望する。

3.ATMなど機器の操作をタッチパネル方式ではなく、視覚障害者が使いやすい方式にするよう要望する。

4.インターネット取引などにおける個人認証やセキュリティー対策のための画像認証、分かりにくいID、パスワードなど実質的には視覚障害者を排除する効果のある認証方式を改め、視覚障害者も利用できるインターネット環境の整備を図るよう要望する。

 

文部科学省

1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.2020東京オリンピック・パラリンピック競技以外の視覚障害スポーツ競技を紹介するイベントの開催に向けて、関係機関と当事者によるプロジェクトチーム作りを要望する。

3.体育施設における視覚障害者への配慮の充実(屋内用点字ブロック誘導マット・暗幕カーテン・音声案内)を要望する。

4.あはきを業としていくための第一歩である臨床力を強化するため、教員の資質向上及び教育課程の充実を要望する。

5.マラケシュ条約批准にあたっては、視覚障害者の読書権を保障するため、読書バリアフリー法(仮称)の制定を要望する。

 

財務省

1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.年金のみで生活している視覚障害者に消費税引上げ額に相当する手当を創設する。

3.障害基礎年金に高齢者加算及び児童加算を創設していただきたい。

 

警察庁

1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.歩車分離式信号機やスクランブル交差点、また郡部を優先的に、LED付音響装置の整備促進を要望する。

3.歩車分離式交差点には音響信号機の設置、横断歩道にはエスコートゾーンの敷設、また、音声と音響は全国で統一することを要望する。

4.全ての歩車分離式信号機に音響装置の設置を要望する。また信号機に設置されている押しボタンには、位置を知らせる発声装置の設置を要望する。

5.音声・音響信号機は24時間稼働するよう要望する。

6.視覚障害者の自立を阻害し、あはき師の業権侵害となるだけでなく、国民の健康被害をも招く無資格無免許業者の取締強化を要望する。

7.公務員、特に警察官の身分証明書が視覚障害者にも容易に認識できるように配慮することを要望する。

 

人事院

1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.公務員にもヒューマンアシスタント(職場介助者)制度が適用されるよう要望する。

3.視覚障害者の就労を拡大するため、改正障害者雇用促進法に基づき、国家試験をはじめとする各種の資格試験において、受験者の障害及び希望に応じて点字、録音、画面読み上げソフトを用いた受験など、適切な合理的配慮が提供されるよう要望する。

4.公務員、特に警察官の身分証明書が視覚障害者にも容易に認識できるように配慮することを要望する。

 

内閣府

【障害者差別解消法の推進】
1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.民間事業者における、代読・代筆などの合理的配慮を早期に法的義務としていただきたい。また、現時点では努力義務とされているものの、合理的配慮の提供の必要性についての周知を図り、それが実行されるよう指導していただきたい。

【災害】
3.各自治体において、災害時に備え、要援護者としての視覚障害者にも配慮したきめ細かな対応マニュアルを作成するとともに、そのマニュアルが有効に機能するよう、国及び都道府県の指導を要望する。

4.災害時における支援体制を確立し、福祉避難所に白杖や防災ベストなどの必要な物品を備蓄するよう要望する。

5.想定される南海トラフ巨大地震・津波等に対する防災計画は視覚障害者が容易に避難できるような具体的な防災対策を早期に策定するよう要望する。

 

消費者庁陳情書

1.缶詰のパッケージは、視覚障害者に判別しやすいデザインにし、点字で表示するよう要望する。

2.食品の賞味期限・消費期限の記載位置を統一し、文字を大きくするよう要望する。

 

外務省

1.「障害者差別解消法」が施行されたことを踏まえ、合理的配慮を推進するための予算措置を講じられたい。

2.視覚障害者がパスポートを取得する際に、視覚障害のために申請に時間がかかったり、介助者なしでは取得そのものができない場合があるため、視覚障害者のパスポート取得に対する配慮を要望する。

※下記の各民間企業へは郵送をしました。

民間企業陳情書

日本小売業協会並びに(一社)日本フランチャイズチェーン協会

1.大型スーパー、ホームセンター、家電量販店など売り場に従業員が少ない店舗における視覚障害者支援体制の整備と店舗入り口付近への支援担当者呼び出しボタンの設置を要望する。

JRグループ(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州)

1.JR各社の身体障害者旅客運賃割引における単独利用の場合の距離制限を撤廃するよう要望する。

2.JRは特急券(新幹線を含む)にも、身体障害者割引を適用するよう要望する。

3.電車のボタン式開閉ドアの押しボタンに、位置を知らせる音声装置を設置するよう要望する。

4.鉄道駅ホーム内の音響案内装置の増設を要望する。

5.JR各駅にある多目的トイレ便座横に、音声案内装置を設置するよう要望する。

6.電車やバスの優先席につけられた視覚障害者のマークに、新たに「視覚障害者の方に席が空いていますよ。」と声をかけることを促すステッカーを追加するよう要望する。

(一社)日本民営鉄道協会

1.鉄道駅ホーム内の音響案内装置の増設を要望する。

2.電車やバスの優先席に、新たに視覚障害者のマークを追加していただきたい。また、視覚障害者には、席が空いているか分からないため、周りの人に「視覚障害者の方に席が空いていますよ。」と声をかけてもらうことの周知を要望する。

日本放送協会(NHK)

1.NHK放送受信料を、所得に応じて減免するよう要望する。