『点毎』創刊95年、記念シンポジウムに200名が参加

2017年6月2日

ともに2020 バリアーゼロ社会へ~『点字毎日』創刊95年、記念シンポジウムが開催!!

「点毎」編集長の三角氏

【写真の説明:左】主催者挨拶で「点字毎日」を紹介する編集長の三角氏

 国内唯一の週刊点字新聞として多くの視覚障害者に愛読され、「点毎」の愛称で親しまれている「点字毎日」が、5月11日に創刊95年を迎え、その記念シンポジウムが、2020年東京五輪・パラリンピックに向けてバリアーゼロ社会の実現を目指す、毎日新聞の「ともに2020」キャンペーンの一環として、5月31日に毎日新聞東京本社(東京都千代田区)の毎日ホールで開催されました。

 毎日新聞社「点字毎日」編集長 三角真理氏の挨拶に続き、同社オリンピック・パラリンピック室室長 野村隆宏氏が「ともに2020」キャンペーンについて説明、ディスカッションでは社会部副部長の坂本高志氏が進行を担当し、昨年から続いている鉄道駅ホームからの転落死亡事故について取材を担当した記者3名から報告が行われました。
 特別講演では、全盲の落語家 桂福点氏による創作落語「おちない噺」がお披露目されました。

落語家 桂福点氏

【写真の説明:右】巧みな話術に皆大笑い!

 福点氏は、昨年大阪線河内国分駅でホームから転落し電車にはねられて亡くなった近藤恒久氏と交流があり、当初は知人の事故を落語にすることに対する抵抗もあったようです。しかしながら、近藤氏が福点氏の落語のファンでもあり、応援してくれた思い出が福点氏の背中を押し、この落語は誕生しました。
 福点氏の軽妙な語り口は、会場を笑いの渦に巻き込んだかと思えば、聞き手を切なくさせるラストを用意するなど、当日参加した200名もの観客は緩急巧みな展開に惹きつけられ、1時間をこえる特別講演は大きな拍手に包まれて終演となりました。

 プログラムの最後は、競泳元女子日本代表の伊藤華英氏を迎えてのゲストトークで締められ、150分におよぶシンポジウムは閉幕しました。

 当日の模様は、6月下旬に発行される毎日新聞の朝刊に掲載されるとのことです。

【ピックアップ】ディスカッション 「ともに2020」取材記者報告会

 「点字毎日」創刊95年シンポジウムのプログラムの一つとして、視覚障害者をとりまく現状と今後と題したディスカッションが開かれました。本項で詳しく解説します。

会場の模様

【写真の説明】ディスカッション 「ともに2020」取材記者報告会の模様

 社会部副部長 坂本高志氏がコーディネーターを務めたディスカッションでは、毎日新聞社の記者3名から鉄道駅ホームからの転落死亡事故について報告が行われました。

  • 社会部 内橋寿明記者
     西武池袋線「練馬駅」で駅員の業務に一日密着取材をし、通勤時間帯など繁忙時は駅員による介助が見込めない厳しい現状を指摘、周囲の声かけが必要だと述べました。
  • 生活報道部 野村房代記者
     ハード面の整備は地方では難しいため、落ちないための訓練とともに、落ちた際の対処方法なども学ぶことが重要と、異なる視点から見解を示し、例として千葉盲学校や塙保己一学園が行っている実際の駅などを利用した研修を紹介しました。
  • 点字毎日編集部 佐木理人記者
     昨年、毎日新聞社と日盲連が行った「視覚障害者の鉄道駅に関するアンケート調査」について報告、7割以上の当事者がいつも利用している駅で転落していることを挙げました。

 自身が全盲である佐木氏も転落を経験しているとのことですが、誰かと歩くことが強要されるようになることついては危惧を示しました。「人と歩くことは安全だし楽しい」と付き添いの大切さを認めつつも、「一人で歩くこと、できるということは自信に繋がる。視覚障害者も一人で歩きたいという気持ちも分かってほしい」と周囲に理解を求めました。