愛盲時報 第230号(テキストデータ・全文)
愛盲時報 平成23年4月25日(月) 第230号
≪1.日盲連 平成22年度理事会並びに定期評議員会等開催≫
日本盲人会連合の平成22年度理事会並びに定期評議員会が3月31日、京都市のキャンパスプラザ京都で開催された。本来であれば3月22日に東京で開催する予定だったが、東日本大震災の影響を考慮して日程を変更、会場を京都に移したもので、当日は東北方面の欠席はあったものの開催が可能な状況となった。
会議の冒頭、今回の大震災の犠牲者に黙祷が捧げられた。続いて笹川吉彦会長から挨拶があり、審議に移った。日盲連分担金規程の改正については、活発な議論が交わされたが、賛否が共に過半数に達しなかったため、次回の評議員会に修正・再度提出されることとなった。平成22年度補正予算(案)、平成23年度事業計画(案)は執行部提案どおり承認、同予算(案)は修正の上承認された。
続いて理事・参与の選任、相模原市視力障害者協会の加盟、パートタイマー就業規則改正についても提案どおり承認された。
*WBUAP中期総会 国内報告会開催
2010年アジア太平洋盲人福祉会議(2010WBUAP中期総会)の国内報告会が3月31日、京都市のキャンパスプラザ京都において、関係者など約100名が参加して開催された。主催団体である日本盲人福祉委員会の笹川吉彦理事長と、開催地である千葉市視覚障害者協会の岡田正平会長の挨拶に続き、大会総括とカントリーレポート、青年フォーラム、女性フォーラムについて、それぞれの担当者から大会報告が行われた。最後に「WBUと障害者権利条約の批准」について、日本盲人会連合の竹下義樹副会長からの報告並びに質疑が行われ、閉会した。
*あはき協議会委員会
日本盲人会連合のあん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師協議会(小川幹雄協議会長)の平成22年度第2回委員会が3月31日、京都市のキャンパスプラザ京都で開かれた。会合では平成22年度事業並びに会計中間報告を承認。平成23年度事業計画(案)、予算(案)、さらに会員管理システム作成についても報告通り承認された。その他の議案としては、マッサージ等将来研究会の報告が行われたほか、視覚障害者の三療業就労実態・状況等の情報収集について意見が交わされた。
平成23年度事業計画の主な項目
1 組織・団体活動の推進
1-1 改正障害者自立支援法、障害者総合福祉法(仮称)について
(1)昨年12月、改正障害者自立支援法が制定され、重度視覚障害者の移動支援の個別給付化(同行援護)が本年10月に施行予定であるが、併せて代読・代筆など必要なサービスを受けられる制度とするよう、厚生労働省に強く求め、意見交換を重ねていく。
(2)障がい者制度改革推進会議総合福祉部会に引き続き委員を派遣し、障害者総合福祉法(仮称)の制定を目指す。
(3)昨年立ち上げた「あはきプロジェクト」において無免許・無資格者対策への取り組みをはじめとする諸問題について検討を進める。
(4)加盟団体との連絡強化
(5)視覚障害者に対する接客サービス従事者の研修会を開催
1-2 バリアフリーへの対応
(1)団体事務局に引き続き金融機関110番を設置し、すべての金融機関で代読・代筆が認められるよう意見を集め、金融庁に要望していく。
(2)7月頃に聴覚障害者・盲ろう者の代表を交えて懇談会を開催し、情報・コミュニケーションのバリアフリーに取り組む。
(3)駅ホームでの視覚障害者の安全確保について、国土交通省に駅ホームの可動式ホーム柵の設置などを、引き続き強く要望する。
(4)ハイブリッド車や電気自動車等の静音問題について、そのすべてに発音安全装置を取り付けるよう強く要望する。
(5)地上デジタル放送完全移行に当たり、さらなる情報格差を生まないよう、解説放送の実施と利用しやすい機器開発を要望する。
(6)生活協同組合からの助成金を受け、視覚障害者のための歩行支援系機器に関する啓発パンフレットを作成し、一般国民の心のバリアを解消する。
1-3 第64回全国盲人福祉大会の開催
6月に島根県松江市で第64回全国盲人福祉大会を開催し、平成23年度の運動方針を決定、大会決議の採択を行う。
1-4 会議の開催(理事会、評議員会、総合企画審議会)
1-5 各協議会の運営(あはき協議会、青年協議会、女性協議会、音楽家協議会、スポーツ協議会)
1-6 各種研修大会、スポーツ大会等の開催
(次項「平成23年度の主な行事予定」を参照)
2 日本盲人福祉センター事業の実施
A 第2種社会福祉事業
A-1 全国視覚障害者団体に対する連絡及び助成事業の実施
A-2 更生相談所の経営
A-3 点字図書館の経営
A-4 点字出版所の経営
B 公益事業
B-1 福祉一般に関する調査、研究、改善普及、情報宣伝活動及び文化向上に関する事業
B-2 あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう等の生業の安定及び、職域拡大を図る調査研究、改善普及並びに、あはき健保取扱等、経営改善指導事業
(1)相談窓口の設置とあはき健保取扱拡大
(2)視覚障害あはき業者の資質向上
(3)あはき業の健全発展、権益擁護の諸対策推進
B-3 国内及び海外の関係団体との相互交流、協力事業
(1)省庁や関係機関との協力
(2)韓国盲人協会との国際交流
(3)各障害者団体との協力
B-4 日本盲人福祉センターにおける事業
(1)点字ニュース即時提供事業
(2)情報提供事業
(3)移動支援の充実
(4)移動支援事業所等連絡会
(5)録音製作事業
(6)補装具、用具の研究開発及び販売斡旋
(7)その他の事業
≪2.平成23年度の主な行事予定≫
・第64回全国盲人福祉大会:6月3日~5日(島根県松江市の島根県民会館ほか)
・第57回全国盲女性研修大会:9月13日~15日(福井県あわら市のグランディア芳泉)
・第57回全国盲青年研修大会:9月17日~19日(宮城県仙台市のシルバーセンター)
・第12回全日本グランドソフトボール選手権大会(後援):9月17日~19日(愛知県一宮市)
・第11回全国障害者スポーツ大会「おいでませ!山口大会」(後援):10月22日~24日(山口県)
・第26回全日本視覚障害者柔道大会(後援):11月27日(東京都文京区の講道館)
・第37回全国盲人文芸大会:11月下旬入選作品発表
・第50回全国盲人音楽家福祉大会並びに第49回全国三曲演奏会:12月4日~5日(兵庫県西宮市の県立芸術文化センター)
なお、第8回全国視覚障害者卓球大会(9月24日~25日)と全日本視覚障害者ボウリング大会(同)については会場未定。
第35回全国盲人将棋大会、第17回フロアバレーボール大会については詳細未定。
≪3.平成23年度 厚生労働省障害者関係予算案の概要≫
政府は昨年12月24日の臨時閣議で平成23年度予算案を決定した。厚生労働省の一般会計予算案は対前年度伸び率5.1%増の28兆9638億円、うち社会保障関係費は28兆5153億円。
障害保健福祉関係は1兆1805億円(前年度予算額1兆1202億円)、また障害者雇用施策関係は218億500万円(同212億3900万円)となっている。
A.障害保健福祉部関係
※以下、予算額のあとのカッコ内は前年度予算額
1.障害者の地域移行、地域生活支援のための緊急体制整備事業(特別枠):100億円
(1)地域移行のための安心生活支援(新規100カ所):10億円
(2)精神障害者アウトリーチ(訪問支援)推進事業(新規25カ所、定額補助):7億円
(3)地域で暮らす場の整備促進:83億円
2.良質な障害福祉サービス等の確保:6787億円(6159億円)
(1)障害福祉サービス:6342億円(5719億円)
重度視覚障害者の移動支援は「同行援護」として実施(平成23年10月施行)
(2)地域生活支援事業(一部特別枠、一部再掲):445億円(440億円)
3.障害者に対する良質かつ適切な医療の提供:1991億円(1954億円)
4.障害福祉サービス提供体制の整備(一部特別枠、一部再掲):108億円(100億円)
5.障害者虐待防止等に関する総合的な施策の推進:4億1000万円(4億7000万円)
6.全国障害児・者等実態調査の実施:3億2000万円
制度の谷間のない「障害者総合福祉法」(仮称)の検討にも資する基礎資料とするため、障害児・者等の生活の実態を把握するための調査を実施
B.職業安定局障害者雇用対策課、職業能力開発局能力開発課関係
1.ハローワークを中心とした地域の関係機関との連携による「チーム支援」の推進:6億8000万円(6億2200万円)
2.雇用と福祉の連携による地域に密着した就労支援の実施(設置箇所282を322に):42億6700万円(38億2000万円)
3.障害者試行雇用事業の推進(対象者9000人):8億6400万円(9億9400万円)
4.障害特性に応じた総合的な雇用支援の実施:20億9900万円(18億6900万円)
(1)ハローワークにおける精神障害者への専門的支援の強化
(2)精神障害者等の雇用促進を図るための奨励金の活用
(3)うつ病等精神障害者の職場復帰のための総合支援事業の実施
(4)発達障害者の特性に応じた支援策の充実・強化
(5)難治性疾患患者雇用開発助成金
5.チャレンジ雇用の推進(170名を370名に):5億6200万円(2億5800万円)
6.在宅就業支援制度の活用促進(新規):1700万円
7.民間を活用した機動的かつ実践的な職業訓練の推進(対象者数9550人):15億9500万円(18億2400万円)
8.地域における職業能力開発推進基盤の強化(実施箇所数15自治体):1億3200万円(1億9100万円)
9.公共職業能力開発施設における障害者職業訓練の推進:38億3400万円(38億4600万円)
10.発達障害者に対する職業訓練の推進:6800万円(1億2700万円)
一般の職業能力開発校における発達障害者を対象とした職業訓練を推進。(実施箇所6か所)
≪4.東日本大震災 被災視覚障害者支援へ 配慮求め要望書提出・義援金募金も開始≫
平成23年3月11日に発生し、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は、広範囲にわたる地震・津波の被害に加え、福島第1原子力発電所の事故と、過去最大規模の被害をもたらした。日本盲人会連合では視覚障害者の被災状況確認を進める一方、義援金の受け付けを開始。さらに関係団体と連携し、日本盲人福祉委員会の中に「東日本大震災視覚障害者支援対策本部」を設置して支援体制を強化するとともに、阪神淡路大震災の経験をふまえ、被災した視覚障害者への配慮を求める要望書をまとめ、厚生労働省、被災自治体、民主党などに提出した。
震災被災者に支援を!! 義援金受け付け中
日本盲人会連合では3月11日に発生した東日本大震災により被災された視覚障害者・団体への義援金を募ります。
送付は郵便振替で下記へ。
口座名:社会福祉法人 日本盲人会連合
口座番号:00170-9-48326
※通信欄には「震災義援金」と必ずご記入下さい。
お問い合わせは日盲連事務局まで。
(電話03-3200-0011、Eメールjim@jfb.jp)
ご協力よろしくお願い申し上げます。
≪5.短信≫
【新公益法人移行】
新制度上の公益法人への移行を申請していた社団法人広島市視覚障害者福祉協会(川本正行会長)、社団法人千葉県視覚障害者福祉協会(小林英樹会長)、財団法人香川県視覚障害者福祉協会(岡田八郎会長)は、このほど認定証の交付を受け、4月からそれぞれ「公益社団法人広島市視覚障害者福祉協会」「公益社団法人千葉県視覚障害者福祉協会」「公益財団法人香川県視覚障害者福祉協会」となった。
【新会長就任】
名古屋市視覚障害者協会では橋井正喜会長が勇退、4月1日付けで横井由夫氏が新会長に就任した。
【住所変更】
社会福祉法人福岡県盲人協会(小西恭博会長)は3月22日付けで事務局を移転した。新住所等は次の通り。
〒818-0111 福岡県太宰府市三条1-4-2
電話:092-923-6336
FAX:092-923-6339
【点字JBニュースは新システムで】
「点字JBニュース」は4月4日から新システムに移行しました。インターネット版は「点字ニュース即時提供システム」個人向けホームページ(https://jb-news.jp/)でご利用いただけます。
≪6.第64回全国盲人福祉大会 神々の国島根で開催≫
主催:社会福祉法人 日本盲人会連合
社団法人 島根県視覚障害者福祉協会
会期:6月3日(金)~5日(日)
会場:島根県民会館/ホテル一畑
《主な日程》
【第1日目】6月3日(金)
・理事会
・評議員会
・あはき協議会代議員会
・スポーツ協議会代表者会議
【第2日目】6月4日(土)
・第48回全国盲人代表者会議(全体会、分科会)
・交流会
【第3日目】6月5日(日)
・第64回全国盲人福祉大会(式典、議事)
《イベント》
・松江市内バリアフリー観光(3日、4日/2コース)
・福祉機器展示(3日~5日)
・盲導犬体験コーナー(4日~5日)
・バリアフリー映画上映(4日)
主管団体事務局
社団法人島根県視覚障害者福祉協会
〒690-0884 島根県松江市南田町141-10
社会福祉法人島根ライトハウス
ライトハウスライブラリー内
電話:0852-24-8169/FAX:0852-28-4321
Eメール:64taikai@shimashikyo.jp