愛盲時報 第196号(テキスト形式・全文)
愛盲時報 第196号(平成15年3月31日発行)
1.日盲連理事会・定期評議員会開く
15年度の事業計画・予算案を承認 副会長に猪股氏 5月の全国大
会に参加呼びかけ
日本盲人会連合(笹川吉彦会長)の理事会と定期評議員会が3月1
0日、東京・晴海の東京ホテル浦島で開催された。理事会では(1)
経過報告(2)平成14年度予算補正について(3)副会長並びに理
事補充について(4)平成15年度事業計画案並びに予算案について
(5)第56回全国盲人福祉大会開催について、等が審議され活発な
論議の後、第3議題を除いて提案通り可決承認された。第3議題につ
いては選出母体が評議員会であることから評議員会の席で協議するこ
とになった。
平成15年度事業計画では、はり師、きゅう師養成施設新増設問題、
高齢者対策、国際委員会の設置、日盲福祉センター拡充問題が上げら
れた他、予算総額は5億5077万7千円となっている。
また、平成14年度政府補正予算で点字ニュース即時提供事業(点
字JBニュース)が認められたことから、全国各地に整備されている
機器の更新が行われることになった。
続いて開かれた定期評議員会では(1)経過報告(2)副会長並び
に理事補充選任につい(3)平成14年度予算補正について(4)平
成15年度事業計画案並びに予算案審議について(5)日本盲人福祉
センター移転拡充について(6)第56回全国盲人福祉大会準備状況
について審議された。
この中で、本年1月6日に提出された関米一郎前副会長の辞表の取
り扱いが論議され、評議員会で承認を得ることとなり、議長採決の結
果、出席評議員46名中、33名が承認することに賛成、引き続き行
われた副会長選挙では、猪股功忠氏(横浜市視覚障害者福祉協会会長)
が49票中、25票を獲得して副会長に選任された。
論議の焦点は、はり師、きゅう師養成施設新増設阻止問題で、笹川
会長の関前副会長への対応や今後の取り組み等について激しい論議が
交わされた。
なお、近畿ブロックの理事補充では堀忠男氏(兵庫県盲人福祉協会
会長)が、また、関東ブロックでは鈴木孝幸氏(神奈川県視覚障害者
福祉協会会長)が選任された。
第56回全国盲人代表者会議については主催者である神奈川県視障
協の鈴木会長から準備状況が詳しく報告されたが、2月末現在で21
団体、約950人の申し込みに止まっており、大会会場が3600人
収容となっているので1人でも多く参加するよう努力して頂きたいと
の強い要請があった。
主な行事予定
・第29回全国盲人文芸作品募集(募集期間7月1日~8月31日、
成績発表11月上旬)
・第49回全国盲青年研修大会(7月19日~21日、長崎県)
・第49回全国盲女性研修大会(7月31日~8月2日、岩手県花
巻市)
・第10回全国フロアバレーボール大会(9月13日~15日、札
幌市)
・第22回全国視覚障害者社会人卓球大会(9月19日~21日、
仙台市)
・第4回全日本グランドソフトボール大会(10月11日~13日
(栃木県宇都宮市)
・第18回全日本視覚障害者柔道大会(共催、11月2日、東京都)
・第27回全国盲人将棋大会(11月16日~17日、佐賀市)
2.日盲連女性協議会全国委 50周年大会実行委設置
日本盲人会連合女性協議会(名取陸子協議会長)の全国委員会が3
月26日、東京・高田馬場の日盲福祉センターで開かれ、平成14年
度事業並びに決算中間報告と、平成15年度の事業計画案、予算案、
運動方針案等を審議、いずれも本部原案通り満場一致で承認された。
また、来年開催される50周年記念大会の実行委員会設置と委員を
決定した。
平成15年度の主な事業計画は次の通り。
(1)第49回全国盲女性研修大会を7月31日~8月2日、岩手
県花巻市で開催(2)会報「あかね」発行(3)50周年記念大会記
念誌の発行等に取り組み(4)日盲連との連携を密に、理事会等に出
席(5)全国盲女性代表者会議、全国委員会、常任委員会の開催。
3.日盲連スポーツ連盟協研修会
日本盲人会連合スポーツ連盟協議会(田代浩司協議会長)の研修会
が3月29、30の両日、広島市の心身障害者福祉センターで開かれ、
視覚障害者スポーツの現状と課題を討議、今後のあり方を探るパネル
ディスカッションなどを行った。
29日はスポーツ連盟協幹事会とグランドソフトボール、サウンド
テーブルテニス、フロアバレーボールの各種目別競技連盟研修会、役
員会が、30日はスポーツ連盟協研修会、幹事会と種目別連盟の総会
が行われた。
幹事会では、平成14年度事業並びに決算中間報告と平成15年度
事業計画案並びに予算案を審議、原案を承認した。
4.第56回全国盲人福祉大会
第56回全国盲人福祉大会は神奈川で
皆さん 参加しましょう!!
主催
社会福祉法人日本盲人会連合
神奈川県視覚障害者福祉協会
会期:5月15日(木)~17日(土)
日程及び会場
【第1日目】5月15日(木)
・日盲連理事会
・日盲連評議員会
・あはき協議会代議員会
・日盲連スポーツ連盟協議会代表者会議
[会場]大磯プリンスホテル
〒259-0193神奈川県大磯町国府本郷546
電話0463-61-1111
【第2日目】5月16日(金)
・第40回全国盲人代表者会議
[会場]大磯プリンスホテル滄浪閣
【第3日目】5月17日(土)
・第56回全国盲人福祉大会
[会場]小田原アリーナ
〒260-0866神奈川県小田原市中曽根263
電話0465-38-1144
大会事務局
〒228-0027
神奈川県座間市座間2-1210
第56回全国盲人福祉大会神奈川大会実行委員会事務局・新井
電話/FAX046-251-0145
5.日本盲人会連合平成15年度事業計画 自15年4月1日 至平
成16年3月31日
日盲連は、全国の視覚障害者が自立し、社会参加して「共に生きる」
ノーマライゼーション社会の実現を目指して、運動活動を推進してい
る。
障害者、とくに視覚障害者を取り巻く環境は厳しい。平成15年度
からは新しい障害者基本計画に基づく障害者施策が展開されるが、実
現するか否かすべては日盲連活動の如何にかかっている。
また、4月1日からスタートする支援費制度をはじめ、今通常国会
中に解決しなければならない、はり師きゅう師養成施設新増設阻止問
題、年々厳しくなる日盲福祉センターの経営、とくに国や都からの委
託事業、補助事業の予算削減、その他多くの難問が山積している。
そうした中、日盲連としては一層の前進をはかるため、懸案となっ
ている日盲福祉センターの移転拡充をはじめ、国際化への対応、高齢
視覚障害者対策、IT社会への取り組みなど定款の規定に基づき、平
成15年度事業計画を策定する。
Ⅰ組織活動
1、組織強化
福祉行政の主体は各区市町村に移っており、これに対応するための
それぞれの地域での組織づくりが急務となっている。
とくに支援費制度においては実施主体が各自治体であることから、
各地域における団体活動を推進し情報提供、連絡伝達等を強化して視
覚障害者1人1人の福祉を確立する必要がある。
また、日盲連の一層の団結強化を図っていかなければならない。
2、情報技術(IT)等への対応
情報技術の著しい進歩に対応するため、視覚障害者のIT利用促進
検討会の活動を強化し、視覚障害者用の機器の研究開発、購入費の補
助、技能取得のための講習会の開催、指導者の養成など、情報環境の
条件整備に努めると共に、他の媒体による情報提供にも努力する。
3、移動の保障
視覚障害者の社会参加を促進するためには、安全かつ安心して活動
できる生活環境の整備が必要である。
交通バリアフリー法施行以来、公共交通機関をはじめ、道路環境の
整備が進められているが未だ不十分であり、音響式信号機をはじめ音
声誘導システム、JIS規格に基づく誘導ブロックの敷設、弱視者の
ための階段踏み面の一部色付けや、拡大文字による各種表示など、さ
らには科学技術を駆使した補助装置開発などの促進に努める。
また、整備基準の全国統一も急務である。
4、第56回全国盲人福祉大会開催
5月15日から17日までの3日間、神奈川県視覚障害者福祉協会
との共催により、同県大磯町および小田原市において、第56回全国
盲人福祉大会を開催する。
大会には全国各地域の代表多数が参加、日盲連の運動方針を決定す
るとともに、大会決議を採択するなど、内外に向け日盲連の活動を示
す最大のデモンストレーションとなる。
それと同時に組織強化を図る機会でもあり、神奈川県視覚障害者福
祉協会と共にその成功のため全力を挙げる。
5、各種協議会の開催
日盲連活動の一環として、加盟各団体の協力を得て、研修、文化、
スポーツなど、各種行事を実施する。
Ⅱ施設事業
1、第2種社会福祉事業
(1)全国の視覚障害者を主体として構成する団体に対する連絡お
よび助成事業。
情報は随時団体に送付するとともに、「点字日本」「日盲連アワー」
「点字JBニュース」「電話ナビゲーション」をはじめ各種広報を通
じて情報提供に努める。
また、ブロック大会、会議、研修会には役員を派遣し、情報交換に
併せ、組織の連携、強化に努める。
さらに、各団体およびブロック、各協議会に対し助成を行う。
(2)日本盲人会連合更生相談所の設置経営
更生相談所に併せて厚生労働省委託の全国盲人生活相談事業を行う。
。電話、手紙、来所、電子メールなど、随時相談に応じる。
毎月1回顧問弁護士による法律相談を行うとともに、年2回、眼科
相談、生活相談を含む総合相談を行う。
(3)視聴覚障害者情報提供施設(点字図書館)日本盲人会連合点
字図書館の設置経営:①蔵書の拡充、登録者の拡大を図り、視覚障害
者への情報提供に努める②デイジー図書の充実とマザーテープのデイ
ジー化③点訳奉仕者講習会の実施④東京都委託による朗読奉仕員専門
者養成講習会の実施⑤全国視覚障害者情報提供システムとの連携、強
化。
(4)視聴覚障害者情報提供施設(点字出版施設)日本盲人会連合
点字出版所の設置経営:①設備、機能の充実を図り、視覚障害者への
情報提供に努める②厚生労働省委託による「点字厚生」「ワールド・
ナウ」発行③各自治体の広報点字版委託事業と各種点字パンフレット、
点字表示などの受注④各種バリアフリー化事業に参加、協力。
2、公益事業
(1)福祉一般に関する調査、研究、改善普及、情報宣伝活動およ
び、文化向上に関する事業。
福祉の基礎構造改革が行われ、福祉サービスは措置制度から選択、
契約制度に移行する。障害者の権利が保障される一方、障害者自身の
自己責任が求められることになる。
日盲連は各地域における視覚障害者の実態を把握し、情報を随時提
供するとともに、事務局内に支援費制度・介護保険制度110番(電
話03ー3200ー3439)を設置し、随時会員からの相談に応じ
る。
(2)業、職域拡大およびあん摩マッサージ指圧、はり、きゅ
う業の安定のための調査研究、改善普及ならびに医療保険取扱い、業
経営の指導普及:①参議院で採択されたあん摩師等法第19条改正に
関する請願(はりきゅうを同条に加え、養成施設の新・増設を規制)
の衆議院での採択成立に全力②無資格類似行為者一掃の諸施策推進③
はりきゅうマッサージの健康保険取り扱い改善④あはき協議会の組織
強化を図り、資質向上のため日マ会との共催でブロック研修会開催⑤
特別養護老人ホームの機能訓練指導員に視覚障害マッサージ師が優先
採用されるよう各方面に働きかけ⑥あはき業の安定経営と発展を図る
ため、各種相談に応じ助言、指導するとともに、三井住友海上火災保
険株式会社と契約し損害賠償保険取り扱いを行い国民の健康増進に貢
献⑦新職業の職域開発のため関係方面に働きかけ。
(3)国内および海外の関係団体との相互交流、協力に関する事業
:①関係省庁における審議会等に代表を派遣し視覚障害者の意見反映
に努める②日本盲人福祉委員会を介してWBU(世界盲人連合)、同
東アジア・太平洋地域協議会に加盟し国際的に活動。本年9月にシン
ガポールで開かれる東アジア太平洋地域協議会総会、11月に香港で
開催される第7回アジア太平洋盲人マッサージセミナーに代表を派遣
し、アジア太平洋障害者フォーラム、障害者権利条約制定促進等にも
積極的に協力。日盲連に国際委員会を設置し、海外視覚障害者団体と
の連絡・情報交換③全国社会福祉協議会、日本身体障害者団体連合会、
あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等法推進協議会、鍼灸マ
ッサージ保険推進協議会等関係団体と連携し、視覚障害者の権益擁護
と福祉増進。
(4)その他の事業:①点字ニュース即時提供事業:厚生労働省か
らの委託を受け全国58箇所で点字、電話による情報提供を行う。実
施後10年を経過したことから平成14年度政府補正予算で機器を交
換、未実施県も含め一層の充実に努める。②録音製作事業:設備、機
能の充実を図り視覚障害者への情報提供に努める。厚生労働省委託に
よる「録音声の広報『厚生』」、「厚生労働白書」、「障害者白書」
や各自治体広報の録音版を作成、配布。JBS日本福祉放送で毎週1
本30分枠ラジオ番組「セブンデイズ日盲連」を制作し日盲連の活動
をいち早く紹介するなど視覚障害者全体に役立つ情報を提供。③盲人
用具の研究開発、販売斡旋、普及:厚生労働省の委託による盲人用具
販売斡旋事業を行うとともに、各種機器の研究開発、普及販売など視
覚障害者の便宜を図り、サービスの提供に努めるため購買事業を実施。
④東京都ガイドセンターの設置:東京都の委託を受け広域ガイドヘル
パーネットワーク事業を実施。
Ⅲ日盲福祉センターの移転拡充
日本盲人福祉センターは昭和46年5月に建設され、日盲連活動の
拠点として、また視覚障害者への各種サービスのセンターとして重要
な役割を果たしてきた。
しかし30余年を経た今日、事業の発展により施設は狭隘となり、
建物の老朽化も進んできた。その後の建築基準法にも適合せず、また
消防署からは再三にわたり防災上問題有りとして忠告を受ける結果と
なった。
センターの移転は、前村谷会長当時からの懸案であり、日盲連なら
びに日盲福祉センター発展のため、平成15年度から移転問題につい
て積極的に取り組むこととした。
なお、準備推進のため取り合えず調査検討委員会を設置し具体化す
る場合は、正式に建設委員会を設置し、これにあたる。
6.新障害者基本計画と新障害者プランの概要
10年間の基本方向と前期5ヵ年施策
政府は現行の障害者基本計画(障害者対策に関する新長期計画)及
び障害者プランが平成14年度に最終年度を迎えることから、平成1
5年度を初年度とする新障害者基本計画及びその重点施策実施5か年
計画(新障害者プラン)を策定した。概要は次の通り。
【新障害者基本計画】
障害者基本法第7条の2第1項に基づく法定計画として、平成14
年12月24日に閣議決定された。計画期間は、平成15年度から平
成24年度までの10年間である。
現行の障害者基本計画における「リハビリテーション」と「ノーマ
ライゼーション」の理念を継承するとともに、障害の有無にかかわら
ず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」の実
現を目指している。
1、施策推進の基本的な方針としての横断的視点:(1)社会のバ
リアフリー化(2)利用者本位の支援(3)障害の特性を踏まえた施
策の展開(4)総合的かつ効果的な施策の推進
2、重点的に取り組むべき課題:(1)活動し参加する力の向上
(2)活動し参加する基盤の整備(3)精神障害者施策の総合的な取
組(4)アジア太平洋地域における域内協力の強化
3、分野別施策の基本的方向:(1)啓発・広報(2)生活支援
(3)生活環境(4)教育・育成(5)雇用・就業(6)保健・医療
(7)情報・コミュニケーション(8)国際協力
4、推進体制等:(1)重点施策実施計画の策定(2)関係行政機
関の間の施策連携強化(3)計画の評価・管理(4)必要な法制的整
備(5)調査研究と情報提供の充実
【重点施策実施5か年計画(新障害者プラン)】
新障害者基本計画に基づき、その前期5年間(平成15年度から平
成19年度)において、重点的に実施する施策及びその達成目標等を
定めたものであり、平成14年12月24日、障害者施策推進本部に
おいて決定された。
その基本的考え方は、新障害者基本計画に掲げた「共生社会」の実
現を目的として、障害のある方々が活動し、社会に参加する力の向上
を図るとともに、福祉サービスの整備やバリアフリー化の推進など、
自立に向けた地域基盤の整備等に取り組むものである。
Ⅰ重点的に実施する施策及びその達成目標
1、活動し参加する力の向上のための施策
(1)障害の原因となる疾病の予防及び治療・医学的リハビリテー
ション(2)福祉用具等の研究開発とユニバーサルデザイン化の促進
(3)情報バリアフリー化の推進(4)欠格条項見直しに伴う環境整
備
2、地域基盤の整備
(1)生活支援①利用者本位の相談支援体制
の充実、②在宅サービス(ホームヘルパー約6万人確保、ショートス
テイ約5600人分、デイサービス約1600か所などの整備、市町
村社会参加促進事業推進)、③施設サービス(通所授産施設約7万3
700人分整備。入所施設は真に必要なものに限定し、地域資源とし
て有効に活用する)(2)生活環境①ユニバーサルデザインによるま
ちづくり、②住宅、建築物のバリアフリー化の推進、③公共交通機関、
歩行空間等のバリアフリー化等の推進、④交通安全の確保、⑤運転免
許取得希望者等に対する利便の向上、⑥生活の安全の確保
3、精神障害者施策の充実
(1)保健・医療(2)福祉①在宅サービス、②施設サービス
4、アジア太平洋地域における域内協力の強化
(1)政府開発援助における障害者に対する配慮(2)国際機関を
通じた協力の推進
5、啓発・広報
(1)共生社会に関する国民理解の向上(2)関係機関・団体との
連携による公共サービス事業者に対する障害者理解の促進
6、教育・育成
(1)一貫した相談支援体制の整備(2)専門機関の機能の充実と
多様化(3)指導力の向上と研究の推進(4)施設のバリアフリー化
の推進
7、雇用・就業の確保
Ⅱ計画の推進方策
(1)個々の障害に係るニーズや社会・経済の状況等に適切に対応
し必要に応じ計画を見直し(2)障害者関係団体等との意見交換と計
画の進ちょく状況の調査・公表(3)障害を理由とした不当な差別的
取扱い等に対する救済措置整備(4)全国都道府県会議を開催し、全
市区町村における障害者計画の策定を目指す(5)障害者に関する総
合的データベースを平成16年度までに構築。
7.バリアフリー建物の設計指針 8年ぶり改訂
4月1日からの改正ハートビル法施行に合わせ、国土交通省は学校、
ホテルから公衆トイレまでバリアフリーの建物を設計する際のガイド
ラインを8年ぶりに改訂した。今回改訂したのは「高齢者・身体障害
者等の利用を配慮した建築設計標準」。旧版はハートビル法が施行さ
れた1994年秋に作成された。
公共施設、民間施設を問わず、新築・改修時の設計上のポイントを
挙げ、「通路」「エレベーター」「浴室」など部分ごとに望ましい設
備の寸法や位置を解説している。
高齢者や障害者だけでなく妊婦や子ども、外国人も含め、誰もが使
いやすい建物にすることや、施設職員の対応などソフト面にも気を配
るといった新しい視点も取り入れた。
8.支援費制度と介護保険の統合案浮上
4月から始まる障害者福祉の新しい仕組み「支援費制度」はサービ
スを行政が決めるこれまでの制度と違い、障害者が事業者を選んで契
約する。介護保険と同様に民間参入を認め、選択と競争でサービスを
向上させ、障害者が施設を出て地域で暮らせるようにする狙いがある。
厚生労働省が今年1月、訪問介護事業者の基準を緩和した結果、民
間参入は進んでいるが、同省も「選べるほどたくさんあるわけではな
い」と認める。
そこで浮上しているのが介護保険との統合案。2月に開かれた障害
者関係のフォーラムで宮城、滋賀、熊本など7県知事が提唱。坂口力
厚労相も国会答弁で前向きな見解を示した。背景には、障害者サービ
スを充実させようとしても、一般財源頼みでは十分な財源確保が今後
も見込めない事情がある。統合は高齢化で保険料が上昇の一途をたど
る介護保険の側にも魅力がある。
ただ統合のハードルは高く、保険料を払う国民の理解を得られるか
という問題に加え、介護の必要度を判定する方法や利用者負担の在り
方など両者で異なる制度上の仕組みをどうするのか、いずれも難題だ。
これらを解決できたとしても、統合は障害者側の同意が不可欠で「財
政的な理由だけで乗ることはできない」と反対する障害者団体もある。
9.日盲連ブロック大会等各地で開く
*日盲連四国ブロック協議会香川県
日盲連四国ブロック協議会並びに研修会が2月8日、9日の両日、
高松市錦町の高松センチュリーホテルで開かれた。四国4県の代表者
ら60人以上が参加、8日は開会式に続き、笹川吉彦日盲連会長の中
央情勢報告や各県からの活動状況報告が行われた。9日は代表者会議
での各県提出議題などの審議に並行して、青年協議会の審議が行われ、
引き続き全体会を開いた。あはき法19条問題への取り組みやガイド
ヘルパー事業の充実などが議題として提出された他、支援費制度の準
備状況なども話題に上った。
*日盲連関東ブロック栃木大会
第37回日盲連関東ブロック協議会栃木大会が2月9日、10日の
両日、宇都宮市の栃木県青年会館(コンセーレ)で開かれた。11団
体から約400人が参加、1日目は大会式典に続いて福祉・文教、職
業・経済、青年、女性の4つの分科会で当面する課題を検討。2日目
の全体会議では前日の分科会報告に続いて笹川吉彦日盲連会長による
日盲連情勢の報告などが行われ、9項目の決議を採択して閉幕した。
次回は群馬県で開催の予定。
*日盲連北信越ブロック会議 富山県で開催
平成14年度の日盲連北信越ブロック代表者会議と青年部・女性部
合同研修会が富山県視覚障害者協会(二口信幸会長)の主催で、2月
15、16の両日、富山県婦中町のいこいの村富山で開かれ、新潟、
長野、富山、石川、福井の5県から関係者が参加、日盲連からは笹川
吉彦会長が出席した。1日目は開会式に続いて代表者会議、青年部・
女性部合同研修会、青年部・女性部代表者会議が開かれた。2日目は
全体会で各会議の報告を行った。
*第56回九州盲人福祉大会 福岡で開催
九州盲人会連合会(会長・田代浩司福岡県盲人協会会長)の第56
回九州盲人福祉大会が2月16、17の両日、福岡市視覚障害者福祉
協会の主管で福岡市のホテルニューオータニ博多を会場に開かれた。
8県1市から約450人が参加、1日目は福祉、職業対策、体育の3
つの分科会と代議員総会などが行われた。2日目の大会では式典に続
き平成15年度運動方針などを審議し宣言・決議を採した。
*日盲連東海地区連絡協議会 愛知県で開催
平成14年度日盲連東海地区連絡協議会(ブロック長・松下信雄静
岡県視覚障害者協会会長)が2月23日、愛知県の豊橋市身体障害者
総合福祉会館で開かれ、5県市から100名余りが参加した。午前中
は開会式に続いて笹川吉彦日盲連会長の講演が行われた。午後の代表
者会議では平成15年度事業計画案・予算案や第56回全国盲人福祉
大会提出議題などについて討議、並行して青年、婦人、体育の各分科
会が開かれ、引き続き行われた全体会議で各会議の報告があった。次
回は三重県で開催の予定。
10.第11回アハキ師国家試験合格者
(3月26日発表)
区分、受験者数、合格者数、合格率、前回合格率の順。
あん摩マッサージ指圧師、2184名、1903名、87.1%、83.7%。
はり師、3179名、2663名、83.8%、84.6%。
きゅう師、3136名、2627名、83.8%、86.3%。
11.ニュー福祉定期1年延長 公社化後も継続
総務省、郵政事業庁は2月10日、障害基礎年金や遺族基礎年金受
給者などを対象に金利を上乗せする「ニュー福祉定期郵便貯金」の取
り扱い期間を来年2月末まで1年間延長すると発表した。4月に発足
する日本郵政公社も取り扱いを継続するが、来年3月以降の再延長は
公社があらためて判断することになる。ニュー福祉定期は、預入額3
00万円を上限に金利を上乗せする商品で、1年物の定期貯金金利
(10日現在、年0.03%)に1%を上乗せする。郵便局では19
75年から福祉定期を扱ってきたが、金利負担が大きく昨年2月末で
廃止。3月から金利を抑えた現行のニュー福祉定期に切り替えた。
12.年金0.9%引き下げ
政府は2月7日午前の閣議で、国民年金や厚生年金など公的年金の
物価スライド制を2003年度から復活適用し、年金支給額を今年4
月から0.9%引き下げるための関連特例法案を決定した。年金減額
は1973年の制度導入以来初めて。減額幅は02年の消費者物価下
落分。障害年金や障害児福祉手当、特別障害者手当、原爆被爆者の医
療特別手当なども減額される。児童扶養手当は「母子家庭への配慮」
により10月からの適用となる。
13.日マ会が定期理事会 15年度事業計画・予算承認
日本あん摩マッサージ指圧師会(時任基清会長)の今年度第2回定
期理事会が3月15日、東京・高田馬場の東京都盲人福祉センターで
開かれた。
経過報告では独自で賠償保険、健保請求を扱うようになり会員が増
加していることなどが報告されたほか、鍼灸養成施設急増問題、無資
格対策問題等に質問・意見が集中したが、報告通り承認。平成14年
度事業・会計中間報告、平成15年度事業計画案・予算案についても、
報告・提案通り承認・決定された。
14.視覚障害者柔道連盟 理事会開く
日本視覚障害者柔道連盟(笹川吉彦会長)の理事会が3月15日、
東京・高田馬場の日本盲人福祉センターで開かれ、平成15年度から
3年間を任期とする役員を選出、大会開催要綱の一部改正案及び、平
成15年度事業計画案・予算案を承認した。
そのほか第2回IBSA世界選手権大会への選手派遣、アテネパラ
リンピック組織委員会ホームページへの紹介選手の推薦、パラリンピ
ック委員会への加盟申請などについて審議を行った。平成15年度の
主な事業は次の通り。
(1)第18回全日本視覚障害者柔道大会の開催(11月2日、東
京・講道館)(2)パラリンピック・アテネ大会に向けての強化合宿
(5月3日~5日、大阪府立体育館柔道場)(3)第2回IBSA世
界選手権大会への選手派遣(8月1日~12日、カナダ・ケベック市)
。
15.日盲連点字出版所・新刊図書
新たな「障害者基本計画」と「重点施策実施5か年計画」(障害者
プラン)点字図書1巻にまとめました。
これからの障害者福祉の指針この1冊をぜひお手元に!!
書名:『障害者基本計画』(付.重点施策実施5か年計画)。
定価:全1巻2,000円(点字図書給付事業による自己負担額4
00円)。
ご注文・問合せ:日盲連点字出版所・販売図書担当。電話03-3
200-6157(直通)、FAX03-3200-7755。