愛盲時報 第185号(テキスト形式・全文)

2001年1月1日

 愛盲時報 第185号(平成13年1月1日発行)

1.新春対談 坂口厚生労働相と笹川日盲連会長
  福祉と就労を総合的に 障害者のIT関連施策充実
 期待と希望にあふれた21世紀、中央省庁再編をはじめ、福祉政策、
IT関連等、新しい時代にふさわしい政策が始まる。夢が実現できる
時代、そう願って止まない。笹川吉彦日盲連会長が坂口力厚生労働大
臣に新春インタビューした。
 笹川:明けましておめでとうございます。
 大臣:おめでとうございます。
 笹川:いよいよ、21世紀幕開け、本年はこの6日から厚生労働省
という新しい形でのスタートで、私ども大変、期待をしております。
しかし、福祉対策と労働対策が、どういう形で進められるのか、十分
理解できておりません。
 大臣:6日から厚生省と労働省が一緒になり、今まで障害者の皆さ
んのお仕事、障害のこと、治療の問題等、お1人の人に省が分かれて
いたものですから、大変ご不便をおかけしていたと思います。これか
らはひとつの省がお世話をさせていただくことで、きめ細かく対応さ
せていただけると思っています。1日も早くこのふたつの省がひとつ
になれるよう、私たち、努力が必要と思っております。
 笹川:労働省は雇用ということが前提でした。今後は、自営業の視
覚障害者に対しても、就労という立場から、サービス提供していただ
けるようになるのでしょうか。
 大臣:自営の方、そうでない方も同じように政策の対象としてきま
した。今回、厚生労働省になりますので、自営業者をひとつの雇用の
場として、考えていかなければならないと思っております。今までも
このような考えでやって来たつもりでございます。説明不足のところ
は、今後もきちっと説明をさせていただきます。

  情報格差の是正を
 笹川:重度の障害者は、通勤問題から、在宅で就労という形になり
ます。その対策も講じていただければと思います。
 大臣:承知いたしました。
 笹川:IT基本法が制定され、これから5年間世界一のレベルを目
指して、IT社会を実現するということで、私ども希望を持っており
ます。ただ、視覚障害者が使えるパソコン等の開発がまだまだ遅れて
おります。今以上に健常者の方々との間に格差ができるのでは、との
不安もあり、機器の開発も含めて、対策を講じていただきたいと思い
ます。
 先般、新年度予算の発表がございました。これまでは施設中心に、
情報政策が実行されてきたわけですが、今回は1人10万円を限度で、
IT関係のサービスが受けられるとのことですが、視覚障害者のソフ
トは非常に専門性がございます。その専門性を十分配慮していないソ
フトだと、買っても宝のもちぐされになってしまいます。たまたま厚
生省が指定している盲人の用具販売斡旋という個所がございます。こ
こを窓口に在宅者に対するサービスが提供されるようなご配慮をいた
だければと思います。
 大臣:このITの問題は、これを早急に発展させなければなりませ
ん。一方では、格差が生じてはいけません。誰にでも自由に使いこな
せるという、大きな命題があり、来年度の予算編成にあたりましても、
この点を強調いたしました。
 これはかなりきめ細な配慮が必要だと思いますね。障害の程度、ま
た種類、お使いになる内容につきましても、違いが出てまいります。
その辺をお聞きして、皆さん方にあったものを作らなければいけない、
簡単でないことも事実です。この平成13年度で組みました予算が、
十分ではありませんが、その主旨で視覚障害者ひとり、ITソフト購
入費用の3分の2、ただし10万円を限度に5年間、支援をさせてい
ただきます。その中で、いろいろな問題が出てくると思いますが、格
差がつかないように知恵を絞らせていただきます。

  職域の拡大
 笹川:視覚障害者の中で、はり、きゅう、マッサージ業に従事して
いる者が大半です。このところ、鍼灸師の養成施設がまったく規制が
できなくなり、この平成12年度におきましても、晴眼養成校8校が
開校しております。13年度には15校開校の申請が出ていると聞い
ております。この鍼灸師の養成施設を規制する方法、方策を講じてい
ただけないものでしょうか。
 大臣:私は医学部の卒業ですから、鍼灸あん摩、それに付随したも
のがございました。若いときに皆さんの学校に生理学の勉強の講師に
誘われ、おじゃまさせていただいた経緯がございます。
 私はその時に、鍼灸あん摩に必ずしも、合わない性格の人もおりま
して、もう少し、職域を広げていかないといけませんね、という話を
申し上げたことがございます。この道は昔から皆さん方が専門的にお
やりになったものでございますので、一生懸命おやりいただくのは当
然として、先程ITのお話が出ましたが、新しく働いていただける分
野をもっと広げていくということでなければならないと思っています。
 今、ご指摘の中のあん摩マッサージ指圧師の方は、法律的にも、第
19条にそのひとつの要がございます。鍼灸、こちらの方がなかなか
難しいということでございましょう。我々も皆さん方のご支援を申し
上げたい気持ちもあるわけですが、最高裁の判決等もございまして、
思う通りにもならないといった点がございます。鍼や灸の場合に法的
なものを乗り越えてはできない状況にあるものですから、ここはご理
解をいただきたいと思っています。
 笹川:鍼灸を視覚障害者が生業としているのは日本だけで、伝統も
あり、それだけにみんなプライドも持っています。何とかこれを今後
とも継承していきたい。皆さん立派に自立しておられますから。
 大臣:その通りであります。
 笹川:安定した職場として、今後、特別養護老人ホーム等が整備さ
れてまいります。幸い介護保険法で機能訓練指導員としての位置付け
がなされており、東京都の場合、今、213の特養の中で136人の
視覚障害者が働いております。そういう場での優先採用をぜひお願い
したい。
 大臣:皆さん方のそうしたご要望を受けられるように努力したいと
思います。

  年金、医療、介護は一体
 笹川:5年前の調査では、視覚障害者の就業率は26%です。働く
意志があっても働く場がないという者もおります。一方、介護保険の
保険料負担が始まり、年金そのものは目減りしているような感じを受
けております。この障害基礎年金につきましても、ぜひ増額をお願い
したい。
 大臣:社会福祉法の問題で、年金、医療、介護を含めた福祉、これ
はもう三位一体と思っております。その中で障害基礎年金に対しまし
ても、今ご指摘がありましたように、障害基礎年金の中から介護手当
て等、お出しをいただければならないものは、ならないものとして、
3つをセットにして併せたとき、皆さん方がご理解をいただけるよう
な内容に検討をさせていただきたい。障害者の皆さんの年金につきま
しては、この柱の中の大きなひとつとして解決していこうと思ってい
ます。

  障害者プランは完全実施 笹川:本年は身体障害者実態調査が行われます。先般の調査で、視
覚障害の60歳以上の高齢者は68%でした。今回は、おそらく70
%超えると思います。21世紀には高齢で見えない人たちにどういう
形で生きがいを持ち、自分の生活を守っていくか、高齢になってから
失明する方が非常に増え、全く生きる道を失っているのです。
 大臣:わかりました。そういう皆さん方が増えておりますことも、
よく承知をいたしております。ある程度の年齢になられてから視力を
失われた皆さん方の日常生活におきましても、同じように手を差し伸
べていかなければならないと思います。
 とりわけ、高齢者の皆さん方の場合には、介護の問題等は1番大き
い問題と思っています。介護は現在スタートしたばかりで、特に障害
者の皆さん方に対し、自立ができる範囲の皆さん方でありましても、
ホームヘルパーを利用していただける道を残しているわけでございま
す。そうしたきめ細かな対応が必要と思っております。
 笹川:最後に、アジア太平洋障害者の10年が2002年で終わり
、また障害者プランも平成14年度で、7カ年戦略が終わります。そ
の後の障害者対策につきまして、大臣のお考えを。
 大臣:障害者プランは平成13年で計画期間の6年目に入ります。
このプランを初めの計画通りにやり通すということが第1でございま
す。今は平成14年度の数値目標に向け、計画を果たすということに
専念をさせていただくことが大事だと思っております。
 笹川:お忙しいところ、ありがとうございました。

2.謹賀新年 2001年
  ★多難な21世紀  日盲連会長 笹川 吉彦
 21世紀そして2001年明けましておめでとうございます。皆様
お元気で良い年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 この21世紀が人類にとって平和で実り豊かな世紀となるよう願っ
てやみません。
 ところで、この21世紀は果たしてどのような世紀となるでしょう
か。そして私たち視覚障害者はどう生きていけば良いのでしょうか。
ひとことで言うと「全く予測が立たない」ということになりそうです。
 まず考えられることは、IT社会の振興です。政府は本腰を入れて
この問題に取り組む方針ですが、それは良いとして、高度技術に集中
されるとなると、私たち視覚障害者は完全に置き去りにされる恐れが
あります。そうならないためにも、視覚障害者でも容易に使用できる
機器の開発と給付、そして技術習得のための研修など、必要な体制作
りを急がなければなりません。そのための検討委員会が郵政省に設置
され、すでに協議が行われています。IT基本法の精神は全ての国民
に平等に情報提供を行うということを目的にしていますので、この点
はしっかり押さえておきたいと思います。特に平成15年4月からは
自己選択、自己責任による契約のもとに、必要なサービスを受けるこ
とになります。
 次は職業問題、特にはり師、きゅう師養成施設問題です。現状のま
までいくと、いずれは視覚障害者の手から、はり、きゅうという職業
は奪われてしまうことになります。ただでさえ職種の少ない、そして
就業率の低い視覚障害者から、はり、きゅうが奪われるとなると、大
変なことになります。組織力を結集し、関係団体の理解と協力を得て
早期解決を図らなければなりません。また、あん摩マッサージ指圧に
類似した行為、いわゆる無資格者対策についても、何とか解決策を見
いだして行かなければなりません。もちろん、職業問題は三療だけで
はありません。その他の職業についても、厚生労働省となったことを
契機に、働く場の確保について一層努力してまいります。
 次は、高齢化への対応です。本年は5年に1回実施されている全国
身体障害者実態調査の年に当たります。特に注目されることは、前回
に比較して高齢化がどの程度進行しているかということです。平成8
年の調査では、60歳以上が視覚障害者全体の68%を占めていまし
た。今回はおそらくそれ以上の比率になるものと思われますが、これ
は大変なことです。所得保障、日常生活、生きがいなど、心身共に豊
かな老後を保障するにはどうすれば良いか、現実の問題として真剣に
取り組まなければなりません。
 ちょっと挙げただけでも、すぐにこれだけの問題が俎上にあがって
まいりますが、これらの問題をひとつひとつ解決していくためには、
何といっても組織の力が必要です。日盲連は結成以来、今日まで多く
の有能な指導者のもと、今日の障害者福祉を確立してまいりました。
 21世紀をより豊かな世紀とするため、皆様の知恵と力を結集し、
問題解決に努めてまいります。

  ★初心に立ち帰ろう  日盲連副会長  齊藤 績
 2001年明けましておめでとうございます。
 昨年は会長はじめ、何人かの役員も交代しましたが、会員皆様のお
力添えにより、無事年を越すことができました。会員の皆様に対し、
改めて感謝申し上げます。そして今日(1月1日)から21世紀とな
りました。私達は初心に立ち帰り、視覚障害者福祉向上のためがんば
りましょう。
 言うまでもないことですが、日盲連は視覚に障害のある者の集まり
であって、イデオロギーを一にする者の集まりではありません。従っ
て、会員の中には色々な考えを持っている人がおって当然のことです。
しかし、視覚障害者の福祉を追求して行くためには会員の一致協力が
不可欠ですので、よろしくお願い致します。
 ご承知のように、日盲連には加盟各団体などから幅広く、しかもた
くさんの要望が寄せられております。日盲連としては、それらの要望
実現のために可能な限りの手だてを講じてはおりますが、相手のある
ことでもあり、期待通りの実りを見るまでには至っていないのが実状
です。
 私は、日盲連に寄せられるたくさんの要望の中から、たとえ1つで
も、またそれが、どんなにささいな問題であっても良いから、実現さ
せて行かなければならないと思っております。(ちなみに今年度は皆
様から「切れ込みの入った官製ハガキを、いつでもどこの郵便局でも
買い求められるようにしてほしい」との要望がありましたが、この件
については、2月からそのようにするとの連絡を郵政省から頂いてお
ります。)
 このように細かな問題の解決が、畢竟大きな問題解決の起爆剤にな
ると思われます。
 終わりに今年もまた、皆々様にとりましては最高の年になるようお
祈り申し上げます。

  ★ねばり強く運動を  日盲連副会長  関 米一郎 
 2001年の新春を迎え、覚悟を新たに、政府として厚生労働省の
私たちに対する間違っている点を指摘して、執拗に主張していくべき
と考えます。65歳になったとしても障害であることを、なぜ老齢に
組み入れるのか、むしろ高齢で、障害となった者を組み入れることを
強く主張していくべきであります。
 利用者負担無しの主張をすべきであり、障害者で老齢の者の収入の
道はありません。ゆえに、年金の大幅アップ、最低15万円を要求し
ていこうではありませんか。これでも厚生年金には及びません。
 介護保険制度によってホームヘルプサービスやガイドヘルプサービ
スの低下を防がなければなりません。
 日盲連の下部組織、都道府県、指定都市の充実運営をはじめ、会員
へのサービス、相談、特に社会福祉法人と社団法人との格差是正に中
央の日盲連がアドバイス、いや出向いての支援を積極的に展開すべき
と考えます。
 日盲連が政治的にも、活発に活動していくには、予算の充実をはか
り、職員の質の向上をはかり、数の削減につとめ、会長をはじめ、理
事の活動を容易にするためにも、交通費はもとより、手当等の適正な
アップを行い、十分活動して頂く必要があり、それぞれに専門性を担
当してもらい、確実に福祉の充実に努め、会員ひとりひとりの安定し
た生活の確保のために活動していく時であると考えます。多くの者の
意見を十分寄せてもらうことを期待致します。

  ★組織強化と団結  日盲連副会長  田辺 建雄
 新しい世紀の春を迎え、おめでとうございます。
 さて、20世紀を振り返って見ますと、前半分は福祉は慈善事業と
言われておりましたが、後半分の50年間は「自立更生」が図られ、
さらに「完全参加と平等」が謳われ、ノーマライゼーションの考え方
が国民の間に浸透しつつあります。歴史の中でも大きく変貌した10
0年だと思っております。そして日盲連はその指導的立場に立って、
飛躍的福祉を築いたのであります。これも社会の理解は勿論ですが、
なんと言っても先輩各位のご努力のお陰と深く感謝するものでありま
す。
 さて、21世紀はこれらを基礎として、今社会福祉法や、身体障害
者福祉法の考え方が90度と言わず、それ以上に発展変化しようとし
ております。例えば「措置」から「契約」へ、「地方の時代」と移行
しつつあります。そして、今までのように政府から我々でなく、我々
の力が自治体、政府、国民に影響を及ぼす時代に変わりつつあります。
それだけに、しっかりしなければならない時代であります。そうしな
いと、たちまちに遅れてしまうのであります。それだけに市町村の組
織強化を基礎として、都道府県の組織強化が急務であり、ひいては日
盲連の組織強化がその鍵であろうと思っております。
 職業の確保は重要であり、鍼師、灸師の養成施設の急増や、カイロ
など無免許者撲滅を急ぎ、アハキ国家試験不合格者対策、交通バリア
フリーのハード面、ソフト面、さらに時代に遅れないようにIT問題
など早速に取り組まねばならないことが山積しております。また、私
はスポーツ振興に関わる役を頂きました。その発展に取り組んでおり
ます。
 今後は会長を補佐し、豊かで便利な社会作りに努力するつもりです
ので、皆様方のご指導何分よろしくお願い致します。

3.情報専用BOX設定 電話ナビさらに充実
 日盲連が厚生省より委託を受けて実施している電話ナビゲーション
システムの最終システム調整は12月22日完了した。
 今回の調整で大きく変わった点は、システム上に設けられた百個の
情報ボックスを、国、地方自治体、各実施機関ごとに割り当てたこと
である。これにより、地方自治体など、各実施機関からのニュース入
力が容易になり、ニュースデータの管理がしやすくなった。また同時
に、エンドユーザーが希望のニュースを聞く内容の選択の手間が省け
るようにシステム上の工夫も行った。また、今まで各実施機関が受信
するニュースデータを短時間で送れるよう改良した。
  WBU総会で紹介
 11月18日から1週間にわたって「WBU世界盲人連合第5回大
会総会」がオーストラリアのメルボルンで開催されたが、日盲連では
東アジア太平洋地区に向けて、この音声ナビを紹介した英文パンフレ
ットを配布、予想以上の反響を得た。また、オーストラリアからテク
ノロジーの報告の中で、視覚障害者を対象とした電話による情報ネッ
トワークの構築を目指していると発表。日本ではすでにそのようなサ
ービスが国の事業として展開されていると知り、ぜひ参考にしたいと
の声が上がった。

4.障害者プランに2879億円 2001年度政府予算案
 厚生省の平成13年度(2001年度)障害保健福祉関係予算案が
まとまった。6339億3400万円で、前年比2.8%増。「障害
者プラン」の推進予算は2879億4500万円で前年比4.1%増
だった。
 厚生省では障害保健福祉関係予算案を、障害者の地域における自立
を支援するため、障害者の住まいや働く場の確保など平成14年度の
「障害者プラン」最終年の目標達成に向けて一層の推進を図ると、位
置づけている。障害者プラン以外では身体障害者福祉法等の改正を踏
まえ、一層の施策の充実を図るとしており、障害者情報バリアフリー
化支援事業などIT時代に向けた新規事業も創設されている。また、
厚生労働省の発足による施策の融合化、効率化の観点から社会参加の
推進等の事業を積極的に展開するとしている。
 ところで、平成13年度の障害基礎年金や特別障害者手当て等の額
は消費者物価指数の下落が見込まれるが、物価スライド特例として前
年と同額となった。障害基礎年金1級の月額は8万3771円、同2
級の月額は6万7017円、特別障害者手当は月額2万6860円。
 障害保健福祉関係の主な平成13年度予算案は次の通り。
 (1)身体障害者福祉ホーム7600万円(前年度予算、以下同じ)
を8600万円に、(2)身体障害者通所授産施設49億700万円
を50億7500万円に、(3)小規模作業所に対する助成30億6
400万円を同額の30億6400万円に、(4)市町村障害者生活
支援事業13億8300万円を17億4800万円に、(5)訪問介
護(ホームヘルプサービス)事業費177億3千万円を200億25
00万円に(ホームヘルパーの増員と養成研修事業の実施)、(6)
短期入所(ショートステイ)事業費31億8400万円を35億47
00万円に(日中受け入れを通所施設へ拡大)、(7)身体障害者日
帰り介護(デイサービス)事業64億7700万円を77億9200
万円に、(8)身体障害者療護施設450億5400万円を457億
5800万円に、(9)市町村障害者社会参加促進事業20億560
0万円を24億600万円に(370カ所を440カ所に、1カ所当
たり事業費1500万円)、(10)小規模授産施設の活動支援の運
営費4億9500万円(新規)、(11)身体障害児(者)実態調査
1億5千万円(新規)、(12)障害者ケアマネジメント体制整備推
進事業6億2300万円を5億5600万円に、(13)障害者生活
訓練・コミュニケーション支援等事業6億1100万円を12億45
00万円に(1県当たり1990万円を2400万円、新規に障害者
情報バリアフリー化支援事業の創設)、(14)盲導犬訓練施設に対
する施設(設備)整備費補助(新規、社会福祉施設整備費に一括計上)
、(15)「障害者の明るいくらし」促進事業13億6400万円を
13億7千万円に(1県当たり事業費4510万円)、(16)バリ
アフリーのまちづくり活動事業1億1500万円(新規、100カ所、
障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業の組み替え)、(17)
「国連・障害者の10年」記念施設の運営開始4億600万円(新規)
、(18)補装具の給付157億4400万円を170億600万円
に、(19)日常生活用具給付等事業24億7900万円を同額の2
4億7900万円に、(20)施設福祉の充実1367億3900万
円を1351億4200万円に(新規事業として視聴覚障害者情報提
供施設における情報化に対応した機能強化)、(21)更生医療・育
成医療の給付75億6600万円を81億8300万円に、(22)
企業等の事業所における授産活動の推進による障害者の就職の促進8
300万円(新規)、(23)障害者の生活支援と就業支援を一体的
に行う「障害者就業・生活総合支援事業」を試行的に実施5100万
円を7100万円に(市町村障害者生活支援事業等の再掲)、(24)
情報機器の活用による重度障害者の社会参加・就労支援連携モデル事
業3800万円を同額の3800万円に(市町村障害者社会参加促進
事業、身体障害者日帰り介護事業の再掲)、(25)身体障害者福祉
促進事業委託費6億7800万円を6億7400万円に。

5.厚生大臣表彰 視覚障害者関係19人に
 自立更生した人や更生援護に尽力した人たちなどを顕彰する第50
回(平成12年度)厚生大臣表彰が12月6日、霞が関ビルの東海大
学校友会館で行われた。表彰されたのは76人と2団体、うち視覚障
害関係は19人。お喜びの方々は次の通り(敬称略)。
 自立更生者:石丸保夫(68、北海道、三療業)、多田信六(64、
岩手県、畜産業)、仲澤進(48、茨城県、鍼灸業)、村井貞夫(6
1、千葉県、マッサージ業)、窪田五夫(64、神奈川県、三療業)、
高島ヒサ子(61、富山県、三療業)、堀井功(55、京都府、三療
業)、吉野英明(63、大分県、鍼灸業)、酒井一實(74、宮崎県、
理容業)、小山田由典(65、宇都宮市、三療業)、鳥澤大之助(8
1、静岡市、三療業)、篠澤國雄(64、豊田市、マッサージ業)、
岡野宗正(77、松山市、マッサージ業)。
 更生援護功労者:柴崎常義(71、山形県、大石田町身体障害者福
祉協会常任理事)、河村賢吾(76、岐阜県、元岐阜県身体障害者福
祉協会揖斐郡支部副支部長)、井手正(51、川崎市、元川崎市身体
障害者協会会長)、五十嵐淳(60、京都市、上京区身体障害者団体
連合会副会長)。
 社会参加促進功労者:盛せゑ(80、青森県、青森県点訳朗読赤十
字奉仕団黒石分団長)、藤野克己(56、岐阜県、日本盲人社会福祉
施設協議会評議員)。

6.障害者白書テープ版発行 注文は日盲連へ
 日盲連録音製作所では「平成12年度版障害者白書」のカセットテ
ープ版を作り、全国の日盲連加盟団体や点字図書館、盲学校などに配
布するが、個人的に購入を希望する方には、実費で頒布する。
 90分テープ全6巻で収納型ブックケース入り。価格は1セット消
費税込みで3千円。注文は電話(03-3200-6172)で日盲
連録音製作所へ。申し込み締め切りは2月末日。テープの発送は3月
中旬から下旬の予定。支払いは同封の郵便振込用紙で。

7.第7回フロアバレーボール 札幌市と新潟県が優勝
 第7回厚生大臣杯全国フロアバレーボール東京都大会(日盲連主催、
厚生省、東京都ほか後援)が12月9日、10日の両日、東京・世田
谷区の駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場で開かれ、17都
道府県市から男子13チーム、女子10チームが参加し熱戦を繰り広
げた。決勝戦で、男子は札幌市のレッド・スコーピオンが東京都のバ
トラーを破り、初優勝。3位は名古屋市のキングシャッチー。女子は
新潟県のMAX新潟が東京都のスカーレットを破り4回目の優勝を飾
った。3位は大阪市のモッピー。優勝チームには、それぞれ厚生大臣
杯と日盲連会長杯が贈られた。