第125回労働政策審議会障害者雇用分科会

2023年2月27日

 令和5年2月20日、厚生労働省の「第125回労働政策審議会障害者雇用分科会」が中央労働委員会の会館第606会議室をホスト会場としてオンラインで開催され、日本視覚障害者団体連合の竹下義樹会長が構成員として出席しました。
 今回は、新設助成金の設定及び既存助成金の拡充について事務局の障害者雇用対策課から説明があり、それを受けて質疑が行われました。
 竹下会長は、次の3点に関して質問と意見を述べました。

1.重度障害者等通勤対策助成金の利用上限期間を1ヶ月から3ヶ月に延長したことは評価されるが、支援者の報酬単価が2千円というのは、同行援護従事者の場合の3千円程度に比べて低い。見直しの可能性はあるか。
2.ジョブコーチ支援に係る報酬単価が引き上げられるが、身体障害者と知的障害者の場合は4時間以内が9千円、4時間を超えると1万8千円となる形で4時間が単位になっている。一方、精神障害者については3時間を単位として考えるとされている。1日の上限額が3万6千円だが、3時間を単位とする方が支援回数を多く行うことができ、結果として報酬の合計額に差が生ずると思うがいかがか。
3.中央障害者雇用情報センターが実施する就労支援機器の貸出について、公務部門で働く障害者は利用できないとされているが、有効な制度なので利用できるよう改めてもらいたい。
 これに対し事務局からは、それぞれ次のような説明があった。
(1)助成金における通勤支援と同行援護事業の支援とでは支援の内容が異なるため報酬単価も違ってくると考えるが、同行援護事業も参考にして見直しができるかどうか検討したい。
(2)ジョブコーチ支援における3時間単位というのは、精神障害者の支援の実情を参考に設定したものである。身体障害者と知的障害者についても個々の支援の実情に合わせて考えていくことになる。
(3)就労支援機器の貸出は障害者雇用納付金により運営されているため公務部門は利用できない。公務部門については別枠で同様の支援が行われるよう検討したい。そのほか、相談支援にかかわる助成金に関連して多くの委員から意見が出された。福祉施策の就労移行支援等における相談支援とのすみ分けを整理する必要があること、就職や定着に結びつくことを重視する成果主義に偏ると就職しやすい障害者の支援が中心になってしまうなどの弊害が考えられるので他の観点の質の確保も必要であること、相談支援は経営への影響も視野に入れたものとなるようその質を担保すべきであることなど様々な意見があった。それらに対し、事務局からは各々の意見を踏まえて助成金の在り方を整理したいとの回答があった。

※詳細は「第125回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)」(URLは、こちら)を参照。