第2回全国団体長会議開かれる

2022年10月21日

 令和4年10月7日、「第2回全国団体長会議」が日本視覚障害者センター研修室をホスト会場にして、オンラインで開催されました。会議は、全国の加盟団体の代表者(代理含む)が参加し、橋井正喜日本視覚障害者団体連合常務理事の司会、市川正明鳥取県視覚障害者福祉協会会長と吉松政春北九州市視覚障害者自立推進協会理事長の議事進行により進められました。
 まず、竹下義樹会長から冒頭の挨拶で、情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の成立や国連障害者権利委員会による日本審査と勧告があり障害者をめぐる動きが活発化する流れがあるが、それを視覚障害者のための具体的取り組みにどのようにつなげていくかが大事であることが述べられ、次いで報告事項として、スイスの会議に参加した田中伸明名古屋市視覚障害者協会会長より国連障害者権利委員会の日本審査と勧告(総括所見)について説明がありました。日本政府の報告とは別に、障害当事者団体等のブリーフィングが行われ、それが9月9日に出された勧告に的確に反映されているとの報告がありました。また、権利委員会の質問に対する日本政府の回答が障害者に焦点を当てていない一般論にとどまった面があり、障害者にフォーカスした法制度が更に必要であることを指摘しました。

 議事の一つ目である研修会では、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の成立と障害福祉に関する動向」と題して厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室の冨原博室長補佐が解説しました。同法では障害者等その他の関係者による協議の場が設けられるべきことが定められており日視連の役割が重要であること、障害者総合支援法との関連では意思疎通支援事業の代筆・代読支援の拡充や情報取得を支援するための日常生活用具給付の更なる整備が肝要であること、デジタル社会の実現に向けた取組としては意思疎通支援においてもICTの利活用の促進が進みつつあること、ICTサポートセンターへの後方支援による活用ノウハウの習得支援や支援者育成を進めるべきことなどが説明されました。
 関連して、代筆・代読支援事業を拡充するための要点を問う質問があり、それについては冨原室長補佐より、重度障害者に限らずに支援を受けられるようにする可能性の模索、支援に対するニーズの把握とその可視化(数値化)、受け皿となる支援者の育成がポイントではないかとの指摘がありました。
 また、物価高騰にともなう日常生活用具の価格引き上げがあり給付限度額が据え置かれていると自己負担が大きくなることについては、給付の基準額は国ではなく都道府県が定めているためその予算管理部局と交渉する必要があることが説明されました。

 議事の二つ目である協議事項・意見交換では日視連の加盟団体支援プロジェクト委員会による組織強化のための中間とりまとめについて及川清隆委員長から説明があり、アンケート調査結果に言及しつつ会員の高齢化による役員のなり手不足、あるいは弱視者や青年層をはじめとする新会員の獲得不足等により会員減が多くの加盟団体でみられることなどの課題が説明され、対策としては魅力ある事業を実施することが考えられるとされました。新たに事業を開始するためには労力とコストが必要となり苦労は多いが、加盟団体の活動を活性化し視覚障害者の福祉の向上を図るためには必要なことであると述べられました。