第71回障害者政策委員会開かれる

2022年10月20日

 令和4年10月5日、内閣府の「第71回障害者政策委員会」が中央合同庁舎8号館1階講堂をホスト会場としてオンラインにより開催され、日本視覚障害者団体連合からは竹下義樹会長が構成員として出席しました。

 今回は障害者基本計画(第5次)について事務局の説明を踏まえて議論が行われましたが、本論に入る前に、基本計画の期間は5年が適当ではないかとの石川准委員長からの問いかけがあり了解されました。福祉に関する総合支援法が3年ごとに見直しを行うことから6年が適当ではないかとの意見が出されていましたが、次回の国連障害者権利委員会の日本審査が2028年であること(それまでに計画が終了し実績を評価できることが望ましい)、社会の変化に対応するとの観点から期間を長引かせることは適当でないことが説明され了承されました。

 続く本論はパート1(総論及び各論のうち差別の解消、情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実等)、パート2(各論のうち保健・医療の推進、教育の振興等)に分けて議論されました。

 パート1において竹下会長は次の3点を述べました。

1.「情報の取得又は利用のための手段について選択する機会の拡大」とあるが、「拡大」では不十分であり「選択を可能にすること」のように変更すべきである。また、機器等の公共調達に関連して日本版VPATに言及されているが、これでアクセシビリティの確保が調達の条件として明記されているといえるのかどうかを質問したい。

2.「選挙等における配慮等」のところで「情報の提供等」が書かれているが、これに選挙公報の点字版・録音版・拡大文字版の提供が含まれるのかどうか、また、動画配信等のアクセシビリティ確保が含まれるのかどうかを質問したい。

3.解説放送の時間割合に関する目標設定が現在実施されている時間を下回るものになっており納得できない。その辺をどのように考えているのか質問したい。

 これに対し、日本版VPATの普及についてはデジタル庁より、総務省と協議した上で公共調達に関してもガイドラインで言及しているとの説明がありました。選挙公報に関しては総務省より、分かりやすい表現にすべく検討したい旨が回答されました。また、解説放送については総務省より、その目標値を定めた行政指針の改定に向けた研究会の設置を準備しているところであり、そこで議論したいと考えているとの回答がありました。
 解説放送に関連して石川委員長から、字幕あるいは音声解説を付けるべき放送の範囲をそれぞれ明確にしてもらいたいとの要望が伝えられました。

 パート2の方では竹下会長から、特別支援学校の場合であれインクルーシブ教育の場合であれ、児童・生徒に対する通学支援が必要であるとの指摘がなされ、該当箇所の記述を「通学を含む学校教育活動にともなう移動に係る支援の充実に努めるとともに、各地域における教育と福祉部局との連係を図る」のように改めてもらいたいとの発言がありました。

 これに関して文部科学省から、特別支援教育就学奨励費において通学も含めて平成25年から通常の学級に通っている障害の重い子どもも支給の対象としており、年々その拡充に努めてきているところではあるが、指摘のあった点を明確にする表現を検討したいとの回答がありました。