第58回障害者政策委員会開かれる

2022年3月2日

 令和3年11月1日、内閣府の「第58回障害者政策委員会」がTKP新橋カンファレンスセンター幸ビルディング14階ホール14Aにおいてオンライン参加を交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは竹下義樹会長が構成員として出席しました。

 今回の議題の1つめは、障害者基本計画(第4次)の実施状況について、2つめは、障害者基本計画(第5次)の今後の審議の進め方についてでした。1つめの議題については各省庁から説明があり、それを踏まえて質疑が行われました。竹下会長は次の6項目の質問を行いました。

1.省庁における障害者雇用率の水増し問題を受けて障害者の選考試験が2年間実施されたものの、その後は行われていないが今後の実施予定はどうか。

2.防災対策として重度障害者の個別避難計画を立てることとされているが、その策定状況はどうか。また、避難所におけるバリアフリーや情報保障への取り組みはどうか。

3.金融庁は保険会社にアンケート調査を実施したとのことだが、契約時の代読・代筆といった合理的配慮がどうなっているかについて調査結果を教えてもらいたい。

4.放送において解説放送がどれくらい拡大したのか。

5.消費期限・賞味期限等の情報を把握できるようにするための情報保障の進捗状況はどうか。

6.ICTの進展により障害種類によっては逆にアクセスしにくい状況が生じているが、それへの対策はどうか。

 これに対し担当省庁から以下のような回答がありました。

1.水増し問題を受けての障害者選考試験は人事院の所管であるため今後の取り組みについて内閣府人事局が答えることはできないが、ステップアップ雇用(能力開発を目的とした期限付き雇用)やプレ雇用(非常勤から常勤に移行する雇用)といった多様な形態で障害者雇用に取り組んでいきたい。

2.個別避難計画の策定状況は、令和2年10月現在、対象者全員に関して策定済みの自治体が約10%、一部策定済み約57%、未策定約33%。内閣府が作成したガイドラインで計画策定を促すとともに、モデル事業として優良事例を全国に展開していくよう図っている。避難所における情報保障については、視覚障害者向けに点字や音声で伝えることなどをガイドラインで示している。

3.金融庁の調べでは、金融機関において障害者対応の研修が8割以上で実施されていた。ただ、現場で代筆等の対応が不十分であるとの指摘をいただいており、様々な意見交換の機会を通して周知を図りたい。保険会社対象のアンケートについてはホームページ参照(ホームページによると視覚障がい者の方への代読に関する内部規定の整備状況は、生命保険会社90.5%、損害保険会社93.9%)。

4.放送において解説放送の割合は、令和2年度、NHK総合16.6%、NHK教育19.6%、在京キー5局16.7%となっている。

5.消費期限・賞味期限等の表示は消費者庁の食品表示企画課の所管だが、後日、内閣府を通して回答したい。

6.民間における新たなICT技術を活用したアプリケーションやサービスの開発促進に取り組んでいるが、開発業者との意見交換等を通してアクセシビリティ確保を更に促していきたい(総務省)。また、無人店舗等について、ある種の人々に便利になることが他の人々には不便になる実情を業界団体でも把握しており、官民ともにアクセシビリティ確保に向けて検討を進めていきたい(経済産業省)。

 そのほかにも多様な質疑があったが、バリアフリー型信号機の設置については、バリアフリー法に基づき各自治体が障害当事者等の意見を踏まえて重点整備地区を定めており、その地区を中心に設置していく(警察庁、国土交通省)との説明がありました。
 2つめの議題である障害者基本計画(第5次)の今後の審議の進め方については内閣府から、年内に論点の審議を行い、年明けから骨格および総論の審議を行って、秋頃までに第5次基本方針を取りまとめたいとの説明がありました。

 竹下会長からは論点の審議と骨格・総論の審議との関連について質問が出され、事務局から、論点は前回と今回の会議で示された質問・意見を整理して取りまとめるものであること、骨格は基本方針の目次に相当し、総論は各論(各省庁の担当部分)を総括するものであることの説明がありました。