第120回社会保障審議会障害者部会開かれる
令和3年10月18日、厚生労働省の「第120回社会保障審議会障害者部会」がベルサール御成門タワー(3階)においてオンライン参加も交えて開催され、日本視覚障害者団体連合の竹下義樹会長が構成員として出席しました。
今回は、障害児支援について1.障害児通所支援および2.障害児入所施設における18歳以上入所者(いわゆる「過齢児」)の移行について社会・援護局障害保健福祉部の障害福祉課から、並びに3.障害者総合支援法対象疾病の見直しについては同障害保健福祉部の企画課からそれぞれ説明があり、それを踏まえて議論が行われました。
竹下会長は、障害児支援におけるインクルージョンの推進に関連して、その内容や目標が明記されていないとした上で、(1)児童発達支援センターが保育所等の後方支援に当たるとしているが、後方支援ではなく、より積極的に保育所等の職員を指導するといった形を採らなければ、一般の保育所等に在籍する障害児のインクルージョンは実現しないのではないかとの疑問、(2)通所施設におけるインクルージョンの形として併行通園が位置づけられているように思われるが、本当の意味でのインクルージョンは併行通園にとどまるものではなく更に踏み込んだ支援が必要なのではないかとの疑問を提示しました。
加えて、(3)障害児を受け入れる各事業所の自己評価・保護者評価に関しては、第三者評価を組み合わせることによって更に適正なものにし、その評価結果が状況の改善につながるようにすること、とりわけ医療ケアを要する児童については評価が行政の指導・助言と結びつかなければ効果を発揮し得ないことを指摘し、そのための仕組みを検討すべきことを述べました。
これに対して事務局からは、圧縮された今回の資料ではインクルージョンの基本的な考え方が抜け落ちているとした上で、(1)後方支援には児童の支援だけでなく保育所等の職員への支援も含まれること、(2)併行通園の希望があってもそれを実現するための道筋が未整備であるのが現状であり、まずはその整備から始める必要があること(とはいえ、それだけでいいと考えているわけではない)、(3)評価の在り方をはじめ更に取り組むべき課題があると考えていることの説明がありました。