第56回障害者政策委員会開かれる
令和3年9月13日、内閣府の「第56回障害者政策委員会」が中央合同庁舎8号館1階講堂においてオンライン参加を交えて開催され、日本視覚障害者団体連合の竹下義樹会長が構成員として出席しました。
今回は、障害者差別解消法の基本方針見直しに係る障害者団体へのヒアリングを行い、1.行政機関等及び事業者が講ずべき措置(合理的配慮を実現するための建設的対話の在り方を含む)、2.公共団体の支援の在り方(相談体制、啓発活動等)について、前半10団体および休憩をはさんで後半9団体の各団体が意見を述べ、それらを踏まえて議論が行われました。
視覚障害関係では日本弱視者ネットワークの白井夕子代表が、弱視生徒が高等学校に入学した際に拡大教科書入手に高額の負担が発生することに触れ、時間のかかる裁判で解決するのは事実上不可能であるため、国レベルの支援協議会を設けるなどの仕組みを構築してほしいと述べました。
また、非正規社員として雇用されることの多い障害者がコロナ禍で解雇されやすい立場に置かれていることに関連して、基本方針にある「理解を得るよう努めることが望ましい」という規定では建設的対話につながらないとし、「理解を得るよう努めなければならない」などのように改めるべきであることを指摘しました。
加えて、情報保障手段として拡大文字、点字、音声、電子データなどで提供することは過重な負担ではなく合理的配慮であることを例示等で明記してほしい旨を述べました。その他、視覚障害者にとって相談しやすい体制を整備することなども求めました。なお、基本方針において複数箇所に出てくる「望ましい」という表現については、他の多くの団体からも「その表現では不十分である」との指摘がありました。
次回の障害者政策委員会は9月27日に開催し、引き続き障害者団体へのヒアリングが行われ、日視連がヒアリング対象団体として参加する予定となっています。