国の障害者採用・定着状況等特別調査の結果公表

2020年3月2日

 厚生労働省は2月21日、令和元年の12月31日現在の国の行政機関の「採用・定着状況等特別調査」の集計結果を公表しました。

 平成30年8月に中央省庁における障害者雇用の不適切計上(いわゆる雇用水増し問題)が発覚し、政府は、「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」(平成30年10月23日公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議決定)を定め、再発防止のため、障害者雇用促進法の改正を行うとともに、法定雇用率(2.5%)の速やかな達成に向けて、採用計画を定めるなどして、取り組みました。
 人事院は、初の障害者を対象とした選考採用試験を実施し、各府省も独自の選考採用に取り組みました。

 今回の集計結果は、この基本方針に基づく障害者の採用計画に対する、計画終期である令和元年12月31日現在の採用・定着状況等を集計したものです。


 集計結果の主なポイントは次の通りです。
※国の行政機関において平成30年10月23日~令和元年12月31日までに採用された障害者が対象となっています。

「採用者数」 5197.0人
「離職者数」 431.5人
★採用計画に対する進捗率 116.9%

【採用者の障害種別】
「身体障害者」 2,410.0人(46.4%)
「知的障害者」 89.0人(1.7%)
「精神障害者」 2,698.0人(51.9%)
 この結果、実雇用率2.85%で全ての行政機関について法定雇用率(2.5%)を達成しました(参考:令和元年6月1日時点の29府省の実雇用率2.23%《任免状況通報》)

【実人員】
「採用者数」 4748人
「離職者数」 424人(定着率91.1%)
 ・[離職者数常勤職員] 25名
 ・[離職者数非常勤職員]399名

【障害種別】
「身体障害者」 169人(定着率91.3%)
「知的障害者」 9人(定着率91.8%)
「精神障害者」 246人(定着率90.9%)

【在職障害者に対する「職場等の満足度に関するアンケート調査」】
「現在の府省で働いていることの全体評価」について、89.3%が「満足」、「やや満足」と回答しました。
 また、「不満・やや不満」を感じている点として、「休憩スペース」「遠慮なく相談出来る環境」「障害特性に合った業務分担・業務指示」等が挙げられました。

【本調査に関する情報の照会先】
「厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課」(電話03-5253-1111)


 なお、本連合は、一人でも多くの視覚障害者が国家公務員となれるよう、人事院に対して、視覚障害者に対する合理的配慮を求めるとともに、個別に受験対策の相談・支援を行いました。また、「公務員交流会」(国家公務員障害者選考試験等合格者並びに支援者交流会)を開催するなど、一定の成果を上げることができました。

 また、改正障害者雇用促進法に基づき、公務部門には、「障害者活躍推進計画」の策定が義務付けられたが、実際の策定は各府省、各自治体ごとに作成するため、計画を実効あるものとしていくことが今後重要になります。