島根県視覚障害者福祉大会開催される

2019年6月19日

 公益社団法人島根県視覚障害者福祉協会(小川幹雄会長)と益田視覚障害者福祉協会(安部利一会長)共催による島根県視覚障害者福祉大会が6月9日、益田市人権センターで開催されました。会員、関係者合わせて120名が参加し、一日を楽しみました。

 第1部の式典では、ご当地自慢を交えた地元安部会長の歓迎あいさつに続き、小川会長からのあいさつでは、「障害者差別解消法施行から3年経つが、解決せねばならない問題は多い。技術革新に乗り遅れる恐れもあり、当事者の声を上げることが大事である。雇用率の水増しなどは障害者への関心の薄さによるものとも思える。差別解消条例について県をはじめ、自治体では早急にこれを制定し、住民への啓発を図らなければならない」旨を述べられ、その他、あはき等法19条裁判についての経過を報告されました。
 その後、来賓7名を代表して、山本浩章益田市市長などからお祝いの言葉をいただきました。

 第2部の法人定期総会では前年度事業及び決算を承認し、今年度事業、予算の報告がされました。
 福祉問題についての意見交換では、厚生労働省のホームページのアクセス方法の改善、デイサービスにおける少数の視覚障害者への配慮不備、JR無人駅の増加についての対策を求める発言などがありました。
 任期満了による役員改選では、理事25名を選任し、引き続いて理事会で小川会長が再任されました。

 午後は地元明誠高校の吹奏楽部との交流会が行われ、演奏はもとより、「一緒に歌いましょう」や「楽器に触れてみよう」のコーナーがあり、生徒たちが場内を回って和やかな交流となりました。配布された点字の歌詞カードを吹奏楽部員が作成したと聞き、感動しました。
 参加者は少なかったものの、オセロ大会も行われました。また、例年どおり女性部が活動資金作りのため地域の特産品販売も行いました。

 最後に小笠原年康副会長から、「障害者の中でも少数しかいないわれわれ視覚障害者は、自分たちの思いを社会に発信せねば取り残される、社会の関心を高めるため、今後も活動していこう」と、力強い決意表明があり、閉会しました。

 決議事項の概要は次のとおりです。
1. 当事者参画による障がい者差別解消条例の早期制定 
2. 当事者の障害状態に応じた媒体による行政情報の提供 
3. 福祉サービス提供の自治体間の格差是正 
4. 自治体職員としてあはき免許が活かせる職種の検討 
5. 公共施設内での無資格手技行為者の活動の禁止