第56回全国盲人代表者会議で要求討議

2019年6月5日

 第72回全国盲人福祉大会2日目の5月27日午後、札幌市中央区のホテルニューオータニイン札幌にて、第56回全国盲人代表者会議が開かれました。

 全体会議の冒頭、日本盲人会連合竹下義樹会長は挨拶の中で、「昨年日盲連が結成70周年を迎え、これを節目に今後の10年に向けてどう結び付き、どういう新たな出発を切ったのか、この大会はこれらを問うものにしたいと考えています。次のステップにつながるためにも、この全体会、分科会で討議していただき、みなさんの声と知恵を結集していただきたい」と述べました。
 また、札幌市視覚障害者福祉協会近藤久江会長からも「みなさんの声を中央省庁等に届けるために活発な審議をお願いします」と挨拶の中で述べました。

 続いて、日盲連及川清隆副会長と札幌市の近藤会長が議長に選任され、議事が進行されました。最初に、竹下会長から名称変更、情報保障、外出補償などの9本の柱からなる令和元年度運動方針(案)が提案され承認されました。
 その後、生活・バリアフリー・職業の三つの分科会に分かれて、各団体提出議案の個別討議が行われました。

 生活分科会では、同行援護・移動支援、意思疎通支援事業、日常生活用具給付等事業、高齢者問題、リハビリ・訓練、災害、教育、身体障害者手帳、障害者差別解消法、年金・手当など、36項目について審議されました。同行援護・移動支援では、交通の不便な地域においてガイドヘルパーの車を利用することについて引き続き要望することで確認されました。災害対策については、避難所問題やマニュアル整備について審議され採択されました。

 バリアフリー分科会では、駅の安全対策、各種交通運賃の割引など、道路や歩道などでの安全対策、情報保障、決済方法、家電製品・アプリなど、41項目について審議されました。各種交通運賃の割引では、障害者割引に対応した交通系ICカードについて審議され、地域民間鉄道だけでなく全国的に利用できるものの整備について要望することが採択されました。道路関係では、やむを得ずラウンドアバウト交差点を整備する際は歩道橋や地下道などを併せて設置するよう要望すること、静音車の接近通報装置は自動車を再始動したときに装置が起動する仕組みにすることについて審議され採択されました。

 職業分科会では、19条関係、受領委任制度、無免許・無資格、理療教育、あはきの雇用拡大、あはき・その他、職場介助者(ヒューマンアシスタント)、雇用・就労など、21項目について審議され、理療教育の2項目について修正を加えた上ですべて採択されました。