結成の地で日盲連の将来ビジョンのシンポジウム

2018年8月22日

 8月18日、日本盲人会連合結成70周年記念式典・記念シンポジウムが大阪市淀川区のメルパルク大阪にて開催され、記念シンポジウム1では、「日盲連が目指す将来ビジョン」をテーマにパネルディスカッションが行われました。

 日盲連将来ビジョン検討委員会では、これまで日盲連及び視覚障害者が進むべき将来について検討を重ねており、今年度中に報告書を発行するべく作業を進めています。

 このパネルディスカッションでは、報告書で整理された項目や諸問題を紹介し、日盲連及び視覚障害者の今後の将来について議論を行いました。

 日盲連関東ブロック協議会江見英一青年部会長の司会で進められ、コーディネーターに日盲連橋井正喜常務理事、コメンテーターに国立民族学博物館グローバル現象研究部広瀬浩二郎准教授、そして、パネリストとして、将来ビジョン検討委員会舟崎隆委員と同前田美智子委員、鹿児島県視覚障害者団体連合会小山義方会長、岡山県視覚障害者協会片岡美佐子会長が登壇されました。

 冒頭、日盲連竹下義樹会長は、「障害者は自分のハンディを意識してしまう。私たちは自分たちの不利益なことを意識するのではなく、できることを意識することが必要である。健常者に近づく努力をするよりも、視覚障害者が見えなくてもできる、あるいは見えないからこそできることを意識する必要がある。また、障害者権利条約では障害の医学モデルから社会モデルへの変革が必要であるといっているが、そうは言っても私たちの自尊心を傷つけることがあまりにも多いと思われる。この自尊心を傷つけられている状態を回避する、あるいは私たちのプライドを保ち続けられる社会を実現させることが日盲連運動の柱と思われる。このようなことを意識しながらこの3年間、日盲連あるいは視覚障害者の将来のイメージが見えてくるような議論を進めてきた。このシンポジウムで議論してきたものを示しながら、みなさんとともに考えていきたい。」と述べました。

 パネリストからは、自身の状況を紹介しながら、子育て、地域とのかかわり方、団体活動、豪雨災害の対応などの発表とともに、視覚障害者の将来、日盲連へ望むことについてなど述べられました。