第66回全国盲人福祉施設大会が山口県で開催

2018年6月29日

 第66回全国盲人福祉施設大会が、6月21、22日に下関グランドホテルにて開催されました。参加者は約180名でした。

 初日は研修会と事業部会が行われました。
 研修会1は「明治維新150年と下関」と題し、講師は下関市立中央図書館前館長の安冨静夫氏が務められました。維新の原点としての吉田松陰と高杉晋作の足跡を軸に、情報や読書の重要性等、現代の視覚障害者にも通じるテーマを絡
めつつ、150年前の史実を振り返りました。
 研修会2は「近代日本における視覚障害者の教育・職業・福祉等について」と題し、講師は日盲連会長の竹下義樹氏が務められました。日盲連の結成から各種関連法制定、盲教育や職業的自立等、日本の視覚障害者福祉の歴史を縦糸に、
盲学校と統合教育の不可分性、魅力ある職業としてのあはき業の確立、情報保障の在り方を横糸として織り込み、幅広い観点から日本の福祉の特徴と今後の展望について語りました。
 事業部会は、点字出版、情報サービス、自立支援施設、生活施設、盲人用具の5部会が、各々前年度の事業報告と今年度の事業計画の承認等を行いました。

 2日目は講演会と大会式典が行われました。
 講演会は「障害保健福祉施策の動向について~視覚障害関係を中心に」と題し、講師は厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室室長補佐の加藤晴喜氏が務められました。障害福祉サービス等報酬改定や視覚障害認
定基準の見直し等、大きな変更点を中心に、この間の福祉施策の活発な動きについて9項目に亘って解説しました。
 大会式典では、奉仕者表彰として日盲連ボランティアの西恵子氏(点訳)、油井真知子氏(音訳)が感謝状を授与されました。大会アピールでは、各施設・事業所の更なる連携の強化を提案しました。
 また大会決議は、視覚障害者等のための選挙公報の発行義務化や点訳・音訳者養成の必須事業化等、12項目の要望が提案され、いずれも満場一致で採択されました。