ユニバーサル議連で日盲連が意見表明

2016年3月2日

 2月24日、東京都千代田区の自由民主党本部で「自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟」の会議が開かれ、日本盲人会連合からは竹下義樹会長と藤井貢組織部長が出席しました。

 席上、竹下会長は4月より施行される障害者差別解消法について、「紛争解決の規程が明確でないことから、法務局の人権擁護委員協議会などの役割が重要。人権擁護委員においては、相談に上手く対応出来るように人員配置や研修を行うこと」「差別解消法の周知が足りないので、啓蒙啓発に力を入れて欲しい」などと要望しました。
 また、鳥取県第2区選出の赤沢りょうせい衆議院議員から、障害者への災害時の支援について質問を受け、「テレビ放送における緊急・臨時放送の字幕スーパーの音声化を必ず行うこと」と必要性を強く訴えました。

 また日盲連は事前に、視覚障害者に係わるバリアフリー関連の要望事項を取りまとめ、要望書として提出、その内容は「総合支援法」「差別解消法」など法律に関するもの、「利用者負担の見直し」「雇用・就業」「情報保障」など生活に直結するもの、また、世間の関心が高い「2020東京オリ・パラ」など、10項目にわたりました。

 要望事項と、各府省庁からの回答は次のとおりです。

1.障害者総合支援法については、生活訓練・歩行訓練士配置の最低配置基準や点訳者・音訳者の育成事業、同行援護や65歳以降に障害をもった者に対する情報保障などを要望。
 厚生労働省より、生活訓練や歩行訓練について「これらの事業を『機能訓練』に位置付け、事業所の整備に対する補助や、運営費の国庫負担により必要なサービスが受けられるよう、基盤の整備に努める」と回答。また、同行援護事業の報酬については、「単価の一本化は見送るが、報酬については小規模事業者の経営に配慮し基本報酬を減額しない。また、中重度の利用者を重点的に受け入れ、常勤の人員が基準を上回る事業所について、新たに特定事業所加算Ⅳによる評価を行う」などの措置を報告。
2.情報アクセシビリティーについては、字幕スーパーの音声化やスマートフォンなどの規格化を要望。総務省から「NHK放送技術研究所で速報のテロップの内容を自動的に副音声として創出する技術を研究・開発中」、また経済産業省からも取り組みについて報告があった。
3.マラケシュ条約批准のための制度改革並びに「読書バリアフリー法」の制定について、著作権法の規制緩和を。
4.障害者差別解消法では、環境整備の徹底を。
5.2020年オリ・パラについて、環境整備に当事者の声を汲むことや競技アシスタントの養成などを。
6.医療費負担、福祉サービスの利用者負担の見直しについて、実態に応じた見直しを。以上については、文部科学省・内閣府・厚生労働省などから取り組み状況が報告された。
7.雇用と就業について、あはき業における往療時の同行援護利用、無資格者対策などを要望。厚労省は、無資格者対策について「(悪質な場合)刑事訴訟を念頭に置き、警察と適切な連携」や「免許保有証周知のリーフレット作成」に言及。また警察庁からは、無免許施術行為などの検挙数について、「26年は整骨院における無免許はり施術など3件、27年は整体院における無免許施術行為など2件」と報告があった。
8.公務員障害者への合理的配慮について、的確に対応するよう要望。
9.情報保障について、広報誌および「選挙公報」などを、点字・音声・拡大文字(三媒体)で提供することを要望。総務省から、選挙公報は「(三媒体で)準備・配布するよう要請している」と回答。
10.移動支援従事者(同行援護従業者)資質向上研修の継続については、厚生労働省から「継続を予定」との報告があった。

 なお、全文は日盲連ホームページ(http://nichimou.org/)に掲載中です。