障害者総合支援法見直し等で意見を陳述
6月9日、東京都千代田区神保町において厚生労働省社会保障審議会第64回障害者部会(駒村康平部会長)が開催され、障害者総合支援法見直しに関して障害者団体等との意見交換(ヒアリング)が行われました。障害者部会には日本盲人会連合竹下義樹会長が委員となっており、意見陳述は藤井貢組織部長が行いました。
障害者部会(以下「部会」という)の総合支援法見直しに係るヒアリングは都合3回開催され、6月9日のヒアリングには、13団体から意見書・資料などが提出され、それぞれから意見が述べられ、引き続いて意見交換が行われました。
冒頭意見陳述に立った藤井部長は、障害者福祉制度利用の観点からは非常に密接な関連のある障害認定(障害者手帳認定)について、「ヒアリングのテーマからは外れるかも知れないが、(障害認定の)制度が発足して長い期間が経っており、制度の谷間があちこちにある。また、認定の基準の『両眼の視力の和』というのは根拠がないのではないか、見え方など生活実態に即応した手帳制度として見直しを」と要望しました。
続いて障害者総合支援法の見直しでは、次の5項目について意見を述べました。
(1)「障害支援区分認定」について視覚障害者は生活の困難度に比べて非常に認定が低く出る傾向にあるため改善を求める
(2)生活訓練・歩行訓練について、地方では、障害者が自力で歩くための訓練を指導してくれる人も体制も何もない状況がある。全国でどこにいても歩行訓練、生活訓練が受けられるよう配置基準を設け、訓練士の配置を求める。また、単にリハビリテーションという位置づけではなく生活訓練という認識をもっていただきたい
(3)情報コミュニケーション保障について、音訳者、点訳者の育成事業を意思疎通支援事業に位置付け、視覚障害者が点字資料や音訳資料をボランティアに依存している状況を脱し、特に学校教育、高等教育や専門分野の専門家の育成を組み込んでいただきたいこと、また、新たにテキストデイジー、マルチメディアデイジーの作成を事業の中に組み入れて、情報を視覚障害者が自由に活用できる体制を確立いただきたい
(4)同行援護事業を通勤、通学あるいは定例的に動くような場所に移動する場合にも使えるよう制度の充実を図っていただきたいこと、更に同行援護事業の現行の身体介護付きと身体介護無しという2つの区分を一本化し報酬の見直しを求める
(5)65歳を過ぎて、障害をもった場合に、障害者総合支援に関わるいろいろな制度の活用ができないという制約を撤廃し、障害の特性を勘案して情報保障、施設入所などの制度が活用できるよう制度の見直しを求める。