「視覚障害者の安全な外出と白杖」シンポ開催
第68回全国盲人福祉大会の第2日目5月30日の午前、「視覚障害者の安全な外出と白杖」をテーマにシンポジウムが開催されました。
日盲連藤井貢組織部長の司会進行の下、パネリストとして、松永秀夫(新潟県視覚障害者福祉協会理事長)、内田順朗(三重県視覚障害者協会会長)、渡邉巧(岐阜市視覚障害者福祉協会会長)、棚橋公郎(視覚障害者生活情報センターぎふサービス課長)の4名が発言しました。
松永氏は、かつては白杖による単独歩行をしていたが、今は同行援護を利用していると話し、同行援護の地域間格差について、その問題点や課題を述べました。
内田氏は、盲導犬ユーザーとして、盲導犬さえ元気でいれば、いつでも自由に外出できるのがいいとしながらも、基本的には白杖で自由に歩けることが前提と話しました。また、これから盲導犬を利用しようとする人のために、身体障害者補助犬法に触れながら、ユーザーと市民それぞれが守らないといけないことがあると述べました。
渡邉氏は、70年の視覚障害者歴を振り返り、なかなか白杖を持つことができなかったが、今はもっぱら白杖を持つことに至った体験を話しました。その中で、今回の岐阜大会で全国に提唱している「白杖SOSシグナル」のきっかけとなったエピソードを語り、その普及を訴えました。
棚橋氏は、歩行訓練士の立場から、白杖、盲導犬、同行援護など、どんな方法でもいいので、家から外に出て欲しいと呼びかけ、全国の歩行訓練士の現状にも触れながら、自分の力でできることを一つでも増やしていくことを支援するのが歩行訓練士の役割だと述べました。詳報は「点字日本」掲載予定。