著作権分科会で著作権者が意見表明

2014年12月16日

 文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の第3回が、12月11日に文部科学省旧庁舎で開かれ、マラケシュ条約への対応等について著作権者側のヒアリングを行いました。前回の障害者関係団体から示された著作権関係要望事項について、日本書籍出版協会・日本文藝家協会・日本映画製作者連盟の3団体が、意見表明しました。日本民間放送連盟、及び日本放送協会は欠席し、提出資料のみ読み上げられました。出版協会の意見は、

 (1)批准に向けて早急な著作権法の改正を望む
 (2)2010年総務省による電子書籍の環境整備や同年国会図書館の全文テキスト化実証実験などの視覚障害者への配慮に協力してきた
 (3)2007年に文藝家協会が作ったガイドラインもあるので批准には問題ない
 (4)デジタルコンテンツについては一般に流出してしまうと被害回復が困難である為、ウェブを介して提供する場合はDRMやサーバーの管理体制を徹底してほしい
 (5)複製の主体に関しては、現状の政令での規定を少しずつ拡大することで事足りる。

 文藝家協会は、音訳されるときの同一性保持が重要で、ボランティアが高い志で作成していることは理解していますが、質の担保を保証できる訓練を受けた方に担当してほしい、などの意見が出されました。これらの疑問に対して日盲連の大橋由昌点字図書館長は、すべてのボランティアグループに著作権法の権利制限を求めているのではなく、また著作データそのものをネットに流す訳ではないので、早急な批准をせずに、著者と受益者との話し合いの場を設けてほしい、と要望しました。