「マラケシュ条約」研修会が開催 

2014年11月27日

 日本盲人会連合・DPI日本会議・弱視者問題研究会の3団体主催による「マラケシュ条約」研修会が、11月11日に東京都盲人福祉協会研修室で開かれ、点字図書館・公共図書館の職員など約70人が参加しました。

 研修会開催の趣旨説明では、弱問研の宇野和博氏が、条約批准に先立つ著作権法の改正は、視覚障害者の読書問題解決のチャンス、と3団体の取り組み経過を報告しました。続いて「マラケシュ条約採択の背景とその概要」と題し、文化庁長官官房国際課国際著作権専門官中島芳人氏及び同専門官保坂孝氏からより詳細な説明がなされました。

 視覚障害者等の発行された著作物へのアクセスを促進するためのマラケシュ条約(仮称)の特徴的な内容として、
(1)本条約の受益者は、視覚障害のほか、知覚的又は読字に関する障害のある者や、上肢障害のため、書籍を保持する、又は目の焦点を合わせることができない者などに拡大。
(2)利用しやすい形式の複製物の輸出入の規定により、点訳やデイジーの複製物について、締約国間で輸出入が可能となる、などが挙げられました。

 最後に関係団体からの意見「マラケシュ条約批准に期待すること」では、主催3団体に加えて、全国盲ろう者協会、全国頸髄損傷者連絡会、全国障害学生支援センターからの意見表明がありました。
 日盲連の大橋由昌点字図書館長は、当事者団体として、先頭に立って読書環境改善に取り組む、と決意を述べました。