第77回障害者雇用分科会開かれる

2018年8月27日

  8月22日、厚生労働省において、第77回労働政策審議会障害者雇用分科会が開催され、日本盲人会連合から竹下義樹会長が出席しました。

主な議題
1.今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会について(報告) 
2.障害者雇用対策の政策目標について

 審議に先立ち、厚労省当局から、最近マスコミで報道されている中央官庁等における「雇用率水増し問題」について特別発言がありました。
 議題1では、研究会の報告書の概要説明を受け、竹下会長は、本研究会は「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)に基づいた研究会であり、「多様な障害特性に対応した障害者雇用の促進、職場定着支援を進めるため障害者雇用に係る制度の在り方について幅広く検討を行い、障害者が、希望や能力等に応じて活躍できることが当たり前の社会」の実現を目指すとしていることを指摘しました。しかし、報告書は短時間労働や中小企業問題などに偏った報告になっています。ヒアリングなどで、例えば、視覚障害者に対応できるジョブコーチがいないことなど、厳しい実態を踏まえた様々な意見や要望が出されているのに、障害の態様に応じて個別の支援対策が必要なことなどは、報告書には掲載されなかったことも、しっかり受け止めて具体的に検討していくよう求めました。
 議題の2では、法定雇用率の除外率廃止問題と6月1日現在における障害者雇用状況報告についての取り組み姿勢をただしました。除外率は廃止が決定しているにもかかわらず、これまで10パーセントずつ2度削減されただけで、廃止に向けた具体的な取り組みを示すことを改めて求め、身体障害者の部位別の雇用状況を明らかにすることについても、誠実な対応をしない姿勢を批判しました。

 最後に、「雇用率水増し問題」について意見交換が行われました。竹下会長は、「水増し」を行った意図とチェック体制の両面から原因究明をする必要があることを指摘するとともに、もしも身体障害者の部位別に報告を求めていたら、今回発覚したような問題を抑制することができたのではないかと述べました。