第56回東京都盲人福祉大会が開催

2024年10月11日

 9月27日、第56回東京都盲人福祉大会が東京都北区の北とぴあ(ほくとぴあ)のさくらホールを会場に、会員・関係者約350名が参集し開催されました。

 第1部の式典は、的野碩郎東京都盲人福祉協会(以下、都盲協)副会長による歓迎の辞、小林康雄都盲協会長の挨拶、来賓祝辞等が行われました。
 来賓祝辞において吉松政春日本視覚障害者団体連合(以下、日視連)副会長は、まず能登半島の震災と大雨による被害に触れ被災者へのお見舞いを述べた後で、視覚障害者の防災対策が急務であること、今大会のスローガン(福祉サービスの地域間格差是正、適職あはき業の維持・確保、歩行の安全、デジタル化への対応)がいずれも重要であることに言及しつつ、デジタル化に関してはマイナ保険証の顔認証や暗証番号入力による本人確認が視覚障害者には困難であること、あはき施術者の立場からみてもマイナ保険証には課題があることなどを述べ、首都東京の加盟団体である都盲協の役割は大きく、日視連と手を携えて視覚障害者の福祉向上に取り組んでいただきたいと述べました。

 続く第2部の議事では、寺島政博都盲協常任理事の司会進行の下、的野碩郎都盲協副会長及び城谷直人都盲協常任理事の議事進行により、情勢報告、宣言文・決議文が採択されました。

 第3部の芸能発表会では、カラオケによる歌声の披露、ウクレレやギターによる弾き語り、尺八の演奏など11人が日頃の鍛錬を披露しました。

 次回(第57回大会)については、小林康雄都盲協会長より、引き続き主催者となる支部を募集し開催に向けて準備を進めたいとの説明があった。

 なお、決議された内容は次のとおりです。

1.同行援護事業ならびに日常生活用具給付事業における自治体間の格差を是正し、都内どこに住んでいても同様のサービスが受けられるようにすること。
2.視覚障害者のホームからの転落事故を防ぐため、可動式ホーム柵の設置をいち早く進めるとともに、駅員数の減少により障害者の鉄道利用が困難にならないよう、充分な人員を配置すること。
3.視覚障害者の歩行の安全を確保するため、音響式信号機とエスコートゾーンの増設、修繕の必要な視覚障害者誘導用ブロックの改修、また歩道上の障害物、電動キックボードの歩道走行を取り締まること。
4.はり・きゅう・マッサージ業をむしばむ無免許類似行為者を徹底して取り締まること。
5.急速なデジタル化に伴い、視覚障害者が取り残されることのないよう、より広くスマートフォンの講習会を継続するとともに、セルフレジやマイナ保険証等、視覚障害者が使える機器の開発や支援を急ぐこと。
6.災害時における避難所に障害者用のスペースを確保するとともに、障害特性に応じた配慮が必要であることを、障害者はもとより、一般市民に広く周知すること。
7.持続可能な福祉サービスの実現のために、時代に合った対策をともに検討すること。
8.いち早く共生社会を実現し、全ての視覚障害者が社会参加できるようにすること。