全国視覚障害女性研修大会が香川で開催
「第70回記念全国視覚障害女性研修大会(中国・四国ブロック香川大会)」が、9月4日(水)・5日(木)の両日、レクザムホールを主会場に女性協議会会員、関係者約300名が出席し開催されました。
4日午前の全国代表者会議では来年3月の役員改選に伴い、選挙管理委員として小池恭子さん(名古屋市)・梅津幸子さん(福岡市)・小田垣妙子さん(青森県)が承認され、ほか7つの議事すべてを採択しました。
午後の研修会第1部では、「わたしの日常生活の一工夫!~地域の人との関わり、女性部の活動を通して、ICT、健康~」をテーマとして、各ブロックから6名の発表が行われました。
助言者の日視連竹下義樹会長からは、弱視ならではの周囲から「見えるだろう」という誤解や期待、自力で何とかしようという頑張りと苦労、その上でのしんどさ、子育てと仕事を両立しているパワフルで参考になる生き方、全盲夫婦だからこそスマホを使いこなして生活を便利にしている様子、そして困ったことは声を上げ続けて変えていく大切さ(差別解消法が改正されても、声に出さないと変わらない。建設的対話)、見えなくてもできることを見つけて子供会や自治会で役割を果たしてきたコミュニケーション力の高さについて触れ、これら数々の実体験は貴重な資料であり、この発表形式は続けてほしいと述べられました。
香川県浅見裕一郎会長からは、自分自身をよく知ること、自尊感情を高めることの大切さを発表者の体験に絡め、ユーモアを交えて具体的に助言をいただきました。
第2部の講演は、講師に社会福祉法人ラーフ理事長の毛利公一氏を迎え、「夢をかなえる挑壁思考」というテーマで展開しました。夢や目標は口に出して言うこと、一人で頑張らず、仲間をできるだけ多く巻き込むことの大切さを語り、現在事業を広げてソーシャルワーカーの育成まで行っていること、できることが増えて社会に出られるようになったのも、やるか、やらないかの判断であり、今大会のスローガンの一つ、「ヘルパーを積極的に活用して生活の質を高めよう」に共感すると述べられました。目の前に出てくる壁を、ピンチの時もチャンスに変えて、社会に貢献できる言葉を発して行きたいと結ばれました。
5日午前の式典では厚生労働大臣・女性協顧問高階恵美子衆議院議員の祝辞(代読)、石田昌宏参議院議員よりご挨拶がありました。また、香川県知事・高松市長からご祝辞をいただきました。
第71回全国視覚障害女性研修大会(東海・北信越ブロック新潟大会)は令和7年9月3日(水)・4日(木)に、新潟市ユニゾンプラザで開かれます。
採択された決議項目は次の通りです。
1.食品の賞味期限・消費期限の記載は、視覚障害者にもわかりやすいように、文字を大きくすることを要望する。
2.視覚障害者が使いやすい音声ガイドによる操作のサポートを備えたセルフレジやタッチパネル、ATMの普及とともに、人的サポートによる声かけの徹底、加えて有人レジを残すことを要望する。
3.鉄道駅や銀行の有人窓口を残すことを要望する。
4.テレビ放送におけるニュース速報の音声読み上げ、外国語の日本語吹き替え、字幕の文字拡大と時間延長を要望する。
5.視覚障害者単独でもスムーズに医療機関での検査や治療が受けられるよう要望する。
6.入院時において、病院の内外に関わらず地域格差なく同行援護が使えるよう要望する。
7.視覚障害者がマイナ保険証を使うに当たり、使い方の説明と操作するための対処法の周知を合理的配慮の提供として要望する。
8.視覚障害女性が犯罪から自分の身を守るためのツールを開発し、日常生活用具給付品目として追加するよう要望する。
9.地域間格差なく子育て支援が受けられるよう要望する。
10.商業施設・医療機関・金融機関等における視覚障害者理解の啓発推進を要望する。
11.災害時の情報伝達・避難・誘導・避難所生活等に関し、視覚障害者のための具体的な方策及びハザードマップのアクセシビリティを確保することを要望する。
12.最低限の文化的生活を保障するために障害基礎年金の増額を要望する。