東京都盲人福祉大会が世田谷区で開催 

2022年11月24日

 11月13日、「第54回東京都盲人福祉大会世田谷区大会」が学校法人成城学園の澤柳記念講堂を会場に、会員・関係者約900名が参集し開催されました。
 今大会は、東京都盲人福祉協会の結成120年、世田谷区視力障害者福祉協会の結成60年を祝うものとなりました。

 午前の第1部の式典は、大竹博世田谷区視力障害者福祉協会理事長による歓迎の辞、笹川吉彦東京都盲人福祉協会会長並びに中村哲也世田谷区副区長の挨拶、感謝状の贈呈、来賓祝辞などが行われました。
 来賓祝辞において日視連の竹下義樹会長は、国連障害者権利委員会が日本政府に対して提示した総括所見に関連して、視覚障害者に関係の深い項目として移動の安全と自由の確保、インクルーシブ教育の実現、情報へのアクセスの確保(国内における障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法成立も踏まえて)に言及したほか、障害者差別解消法の改定により合理的配慮が民間部門でも義務化されることにも触れ、そうした総括所見や法制度をどのように生かすかは、視覚障害当事者団体としての取り組みが重要であると述べました。

 続く第2部の議事では、佐々木宗雅東京都盲人福祉協会副会長及び峯苫禎尚世田谷区視力障害者福祉協会理事の議事進行の下、情勢報告、宣言文・決議文が採択されました。

 午後は、これまでの同大会芸能コンクール優勝者による歌謡ショー、アトラクションとして世田谷区民合唱団による合唱が行われました。

 次回(第55回大会)については、愛沢法子調布市視覚障害者福祉協会会長より令和5年11月1日に調布市で開催することが報告されました。
 
 なお、決議された内容は次のとおり。

1.同行援護事業や日常生活用具給付事業における自治体間の格差をなくし、都内どの地域においても平等なサービスを
2.はり・きゅう・あん摩業における無資格類似行為者の徹底取り締まりを 
3.コロナ騒動により解雇などで職場を失った視覚障害者が元の職場に復帰できるよう対策を講ずると共に、新たな職場の開拓を積極的に図る取り組みを 
4.共生社会の実現を図るためにはインクルーシブ教育の実現は必須。一日も早くその実現を図る取り組みを 
5.来るべきデジタル時代の到来に備え、視覚障害者や高齢者が置き去りにされないよう関係当局の体制整備を 
6.災害時における高齢者や重度障害者の避難所について万全の対策を講ずると共に、避難所における配慮や二次避難所への移動などについて支援者の確保、配置など実態に即した対応を 
7.視覚障害者の歩行の安全を確保するため、音響式信号機の設置、エスコートゾーンの整備、歩道上の自転車走行などの徹底取り締まりを 
8.視覚障害者をターゲットにした電話詐欺や、視覚障害女性に対する性的行為など、悪質な犯罪から生活の安全を確保すべく、関係当局の徹底取り締まりを 
9.都内各自治体における視覚障害者の雇用の促進について、各自治体のより積極的な取り組みを 
10.障害者の社会参加をより積極的に図るためには心のバリアの解消が第一。あらゆる機会を通じての関係当局による心のバリア解消の取り組みを