厚労省来年度予算 障害者関係概算要求
厚生労働省はこの度、令和4年度予算の概算要求を公表しました。
要求額は33兆9450億円と令和3年度当初予算より2.4%(8070億円)多く、要求段階で過去最大となりました。新型コロナウイルス対策は現時点で具体的な額を見積もることが難しいため、金額を示さない「事項要求」が目立ちました。最終的な予算額はさらに膨らむ見通しです。
そのうち障害保健福祉部予算の概算要求では、2兆3489億円としました。障害福祉サービス関係費(自立支援給付費プラス障害児措置費・給付費プラス地域生活支援事業費等)では、1兆8298億円を提示しています。
障害者関係の主な要求額は次の通りです(身体障害関係以外は大きな項目のみ掲載)。
1.障害福祉サービス等の確保、地域生活支援などの障害児・障害者支援の推進2兆3257億円
◎障害福祉サービス等の確保、地域生活支援等
(1)良質な障害福祉サービス、障害児支援の確保1兆7753億円うち障害児支援関係4201億円
(2)地域生活支援事業等の拡充(一部新規)545億円
(3)障害福祉サービス等提供体制の基盤整備(社会福祉施設等施設整備費)48億円プラス事項要求
(4)障害児・障害者への良質かつ適切な医療の提供2623億円
(5)特別児童扶養手当、特別障害者手当等1790億円
(6)障害福祉の仕事の魅力発信1500万円及び地域生活支援事業等の内数
(7)障害福祉分野におけるICT・ロボット等導入支援7億3000万円
(8)障害児・障害者虐待防止、権利擁護などに関する総合的な施策の推進
①障害者虐待防止の推進6億2000万円
②障害児・障害者虐待防止・権利擁護に関する人材養成の推進1200万円
③成年後見制度の利用促進のための体制整備 地域生活支援事業等の内数
(9)重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援12億円
(10)障害者ピアサポート研修事業に係る指導者養成研修(新規)1200万円
(11)障害児支援の推進
①医療的ケア児への支援の拡充(一部新規)4億7000万円
②聴覚障害児支援の推進・聴覚障害児支援のための中核機能の強化1億7000万円
(12)教育と福祉の連携の推進 地域生活支援事業等の内数
(13)障害者施策に関する調査・研究の推進6億円
◎障害児・障害者の自立・社会参加の推進
(1)芸術文化活動の支援の推進4億1000万円
(2)障害者自立支援機器の開発等の促進(一部新規)2億円
(3)視覚障害者・聴覚障害者等への情報・意思疎通支援の推進(一部新規)5億6000万円
2.地域移行・地域定着支援などの精神障害者施策、依存症の推進227億円(※地域生活支援事業計上分を除く)
3.発達障害児・発達障害者の支援施策の推進8億2000万円(※地域生活支援事業計上分を除く)
4.障害者に対する就労支援の推進23億円(※地域生活支援事業計上分を除く)
(1)雇用施策と福祉施策の連携による重度障害者等の就労支援7億7000万円
(2)工賃向上等のための取組の推進6億7000万円
(3)障害者就業・生活支援センター事業の推進8億円
(4)共同受注窓口を通じた全国的な受発注支援体制の構築1300万円
(5)農福連携による障害者の就農促進プロジェクトの実施3億4000万円
(6)働く障害者の就労に伴う定着支援(新規)2700万円
5.感染防止に配慮した障害福祉サービス等提供体制の確保
(1)障害福祉サービス等提供体制の継続支援事項要求(12億円)
(2)障害福祉施設等における感染防止のための相談窓口の設置や研修等8000万円
6.東日本大震災等の災害からの復旧・復興への支援
(1)障害福祉サービスの再構築支援(復興)1億2000万円
(2)避難指示区域等での障害福祉制度の特別措置(復興)1500万円
(3)被災地心のケア支援体制の整備(一部復興)7500万円及び被災者支援総合交付金(120億円)の内数
★そのほか、各自治体の復興計画で令和4年度に復旧が予定されている東日本大震災で被災した障害福祉サービス事業所等の復旧に必要な経費について、財政支援を行います。