障害年金の認定に関する専門家会合 とりまとめ

2021年8月4日

 令和3年4月30日、5月27日の2回、眼科医等の専門家による会合が開かれました。眼の障害に関する障害認定基準の見直しなどについて検討が行われ、眼の障害に関する障害認定基準及び眼の障害用の診断書様式の見直しを取りまとめました。

 本会合は、平成30年7月より、身体障害者手帳(視覚障害)の認定基準が改定されたことを受けて、国民年金・厚生年金における障害年金認定基準(視覚障害)の認定基準を見直すことを目的に開催されました。

 見直しが行われた背景として、身体障害者手帳の認定基準と障害年金における基準において、検査方法や評価基準が異なる状態となっているため、医療機関の理解不足や情報不足等も手伝い、障害年金診断書作成時に混乱が生じていること、また、視覚障害者の不利益にもつながる恐れがあることが問題視されていました。

 年金の認定基準については日視連が令和2年3月に厚労省年金局に要望書を提出しましたが、会合において事務局から提示された改定案は、その要望書に沿った内容でした。

 その要点は、1.両眼の視力の和による認定ではなく視力の良い方の眼の視力で認定すること、2.視野障害については中心視野消失における視野障害をより適正に評価することなど。それにより生活面の不便さに沿ったものにすることが目的です。

 会合においては主に視野に関する議論が行われましたが、概ね事務局案が認められ、眼の障害に関する障害認定基準及び眼の障害用の診断書様式を決定しました。
 新しい障害認定基準では、基本的に現行制度で障害認定を受けている人が対象外になるなどの不利益を被ることがないよう配慮され、より重い障害程度に認定される可能性が出てきます。所得保障の基盤の一つである年金制度が視覚障害による不便さを適正に反映したものになると言えます。

 詳細は厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18737.html)を参照ください。