第73回中国ブロック視覚障害者福祉大会 開催
一般社団法人山口県視覚障害者団体連合会主催による第73回中国ブロック視覚障害者福祉大会(山口県大会)が9月13日と14日、下関市生涯学習プラザを会場に各地から約160名が参集し開催された。1日目は、13時から一般部会、女性部会、青年部会、職業部会、スポーツ部会に分かれ討論した。スポーツ部会は、山口県盲人福祉協会点字図書館2階講堂で、フライングディスクの体験会を実施した。次に14時50分から全体会議が開催され、その後、日本視覚障害者団体連合の竹下義樹会長による中央情勢報告が行われた。続いて16時40分から会長会議と女性部長会議が行われた。2日目は、大会式典が開催され山口県視覚障害者団体連合会の溝田成哲副会長による開会宣言、日本視覚障害者団体連合中国ブロック会の安田和正会長による大会長挨拶、日本視覚障害者団体連合の竹下義樹会長による挨拶、来賓祝辞、祝電披露が行われた。
続いて大会宣言、大会決議を提案し、全会一致で承認された。式典第2部では、認定NPO法人視覚障害者の就労を支援する会の藤田善久氏による「2016年の熊本大震災を振り返って」と題した講演会が開催された。最後に島根県視覚障害者福祉協会による次年度開催団体代表挨拶、山口県視覚障害者団体連合会の南八千代副会長による閉会宣言があり、盛況のうちに閉会した。採択された要望事項は次の通り。
1.全国で駅の無人化が増加している。視覚障害者が安心安全に利用できるように、人的サポートの充実と、分かりやすい場所への音声案内によるインターホンの設置、及び誘導用ブロックの敷設に加え、乗車する時のドアの位置や手動ドア開閉ボタンの位置が視覚障害者に分かるよう、音が鳴る、点字をつける等の工夫を施すよう要望する。
2.スーパーやコンビニのセルフレジを視覚障害者が単独で使用する場合、サポートする店員や最低限の有人レジを設置するよう要望する。
3.民間企業等に導入が進むタッチパネルを用いた各種操作端末については、従業者による人的サポートの更なる充実と共に、視覚障害者本人が単独でも利用が完遂できるよう音声ガイドや拡大表示が適切に導入され普及するよう要望する。
4.あはき業における無免許・無資格医業類似行為者の積極的な取り締まり、及び、あはき業者等に関する不適切な広告の取り締まり強化を要望する。また、諸物価高騰を受け、あはき等の助成券の値上げを要望する。
5.公的機関、民間でのヘルスキーパー雇用の拡大を要望する。
6.代読・代筆支援を地域支援事業の必須メニューにしていただきたい。また、医療機関において、視覚障害者が自筆を求められた場合、緊急時を含め代理人の他者が有しない時は、本人の同意をもとに医療機関で代筆して頂くよう要望する。
7.情報化時代における、視覚障害者に対する、ICサポート事業の促進を要望する。
8.障害者手帳の情報が入った一枚の交通系ICカードで、全国各地の全ての公共交通機関に乗ることができるよう、事業者に対する指導・支援を要望する。
9.点字での情報保障と法的に点字を文字として認めるよう要望する。
10.視覚障害者の社会参加に欠かせない同行援護事業について、同行援護事業所の拡大促進・従業者数の増員に向けた対策を実施すると共に、サービス単価(又は報酬単価)の引き上げ、個々のニーズに応じた必要な支給量を提供できるよう要望する。また、公共交通機関が整備されていない地域においては、ヘルパーによる自動車移送を認め、その移送時間も支給時間とすること。さらに、ガイドヘルパーを志望する人が増え、人材確保がしやすく、また事業所の安定的な運営が図れるよう、同行援護に係る報酬の引き上げとガイドヘルパー養成事業に対する支援を要望する。
11.就労支援への橋渡しも視野に入れたスマートサイトの周知、視覚障害者リンクワーカーの養成、そして、視覚障害者の一般就労に対応した訓練体制の整備とジョブコーチの育成を行い、地域を問わず利用できるようにすること。
12.都心部のバス停は各種放送音や雑踏で行き先の音声や車内でのバス停を告げる音声が聞こえ辛い。公共交通機関は静粛も必要だが、視覚障害者等に配慮し可能な範囲で音量を上げるよう要望する。
13.少しでもヘルパーが増えるようなシステムを作っていただくよう要望する。