千葉市視覚障害者福祉大会開催報告

2020年10月27日

 特定非営利活動法人千葉市視覚障害者協会(理事長大石千恵)は新型コロナウイルス感染予防の対策のもとで、「第28回千葉市視覚障害者福祉大会」を10月16日に開催しました。

 会場の制約で講演団体の千葉市高齢障害部障害者自立支援課長ほか3名の来賓出席と会員・介助ボランティアを含め60名と参加者の制限はあったが、感謝状の贈呈・来賓祝辞に続き、宣言・決議を採択しました。式典に続き千葉市動物公園園長 鏑木一誠 氏による講演を聴き、正午で閉会となりました。

 採択された決議は次の通りです。

1.障害者差別解消法が施行されて4年余り、各鉄道会社による駅構内における声かけ運動が高まっている。視覚障害者が安全に外出できるよう、福祉教育等を通じて市民による声かけ運動を推進すると共に、危険な自転車走行や歩きスマホの取り締まりに一層取り組んでいただきたい

2.視覚障害者が単独でも容易にバス利用ができるよう、バス停の位置を示す誘導ブロックの敷設や弱視者にも見やすい時刻表示・車外スピーカーによる行き先案内等、視覚障害者への合理的配慮の推進を市内バス会社に働きかけていただきたい

3.消費税の改正により交通機関の券売機が更新されているが、カードをチャージする際残高の音声表示がない機種がある。従来通り音声表示がなされるよう各鉄道会社に働きかけていただきたい

4.市内の金融機関および保険会社に対し、全ての書類に社員による代読・代筆を認めるよう働きかけていただきたい

5.一昨年、同行援護従業者に対する資格要件の経過措置が終了すると共に、報酬単価が見直されたことから、採算性を疑問視する事業所の撤退が相次ぎ、利用契約を結べない事態が発生している。国に対して報酬単価の引き上げを働き掛けると共に、従業者の確保に努めていただきたい

6.同行援護従業者の代筆・代読を含めた質の確保に努めると共に、資格取得に対する支援を検討していただきたい

7.すべての医療機関において院内介助が必要な視覚障害者に対して同行援護が利用できるよう、要件の緩和を図っていただきたい

8.視覚障害者に対する安全な歩行環境を確保するため、誘導ブロックの破損個所の点検・修理、音響式信号機やエスコートゾーンの設置、弱視者にとって見やすい表示等を一層促進していただきたい

9.日常生活用具について、他県の実情を調査し、時代の要請や個々の視覚障害者のニーズに合致した物となるよう、給付品目や給付用件の改善を図っていただきたい

10.日常生活用具の給付要件から盲人のみの世帯及びこれに準ずる世帯との項目を外していただきたい

11.行政から発送されるすべての郵便物に点字または触知サインを表記するよう、さらに努力していただきたい

12.行政が発行している各種ハザードマップについて視覚障害者にも情報がいきわたるよう点字版等を発行していただきたい

13.高齢視覚障害者の生きがいづくりの場として、視覚障害者のための地域活動支援センターの設置、および視覚障害者に配慮した老後の住まいの場(グループホームや介護施設等)の設置を検討していただきたい