SDGs・アクセシビリティセミナーを開催

2019年2月27日

 2月18日、一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)とIPTVアクセシビリティコンソーシアム主催による「SDGs(持続可能な開発目標)・アクセシビリティセミナー『放送・通信における情報アクセシビリティの向上』」が東京都港区のTTC会議室で行われ、視覚・聴覚障害当事者、関係者約90名が参集しました。

 同セミナーでは、障害者差別解消法の施行、SDGsの目標に掲げられたすべての人々における不平等の是正、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催という社会的要請を踏まえ、障害者の社会参加の現状と課題、IPTVアクセシビリティ関連標準や技術等、国内外の最新動向を紹介し、今後の対応等を含めて議論がなされました。
セミナー冒頭、IPTVアクセシビリティコンソーシアム亀山渉理事長による主催者挨拶の後、総務省、厚生労働省より行政報告が行われました。
総務省情報流通行政局地上放送課三田一博課長からは、「総務省の情報アクセシビリティ支援の取り組み例」として、テレビ放送における字幕・解説放送・手話付与の平成29年度における実績紹介と、平成30年度より適用している字幕・解説放送・手話付与に関する指針について説明がありました。
また、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室村山太郎室長補佐より「厚生労働省の情報アクセシビリティ支援の取り組み」として、厚労省補助事業の一環であるサピエ図書館について説明され、その後、マラケシュ条約批准と著作権法改正に基づく視覚障害者、上肢障害者などが読書するための法整備や図書作成などの運営に関する予算措置を進めていることが紹介されました。
セミナーでは、「『アイ・ドラゴン4』(国際標準H.702:国内標準JT-H702準拠)の可能性」と題し、聴覚・視覚・知的の各障害の立場から講演が行われました。視覚障害の立場からは、日本盲人福祉委員会指田忠司常務理事が、アイ・ドラゴン4という端末でインターネットを利用した音声解説についてデモを交えて説明しました。さらに、音声解説に関し、外国語のみの発言やニュース速報への付与の必要性を述べ、普及に向け、積極的に取り組んでいる事業者の表彰や、付与に対しスポンサーを付けるなどが提案されました。
最後に情報通信技術委員会代表理事専務理事前田洋一氏より閉会の挨拶があり終了しました。