アイダス協会研修会を開催
視覚障害情報機器アクセスサポート協会(アイダス協会)の研修会が、5月27日、東京都新宿区の「社会福祉法人日本盲人職能開発センター」で開催されました。テーマは「点字の今とこれから~点字の有用性を見直そう~」であり、今回は、全3回行われるうちの1回目。
司会のアイダス協会会長・長岡英司氏(日本点字図書館)は、開会の挨拶で、点字の有用性を再認識するとともに、存在感が低下している点字の現状にも目を向け、視覚障害者の情報アクセスの質的向上の為に点字がどのような役割を果たせるのか、的確に見出すことが目的であると述べました。
続いて行われた講演で、渡辺文治氏(神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢自立支援ホーム)は、点字使用者の減少について、学習する側・指導する側・供給する側それぞれの問題点を指摘、濱井良文氏(毎日新聞社点字毎日編集部)からは、点字関連機器の必要性を踏まえつつ、メーカー側の苦しい現状や葛藤などについて、また、高橋秀治氏(日本盲人社会福祉施設協議会)は、点字を読むことのいい点として、受け身ではなく自分で考えながら読書できるところを挙げ、点字による情報保障、選挙公報への取り組みなどについて話されました。
質疑応答では、積極的に質問や意見が出され、点字に対する関心の高さがうかがえました。アイダス協会副会長・大内進氏(国立特別支援教育総合研究所)は、閉会の挨拶で、長期的に見て点字がどうあるべきか、職場等で今一度考えて欲しいと述べました。