岡山県、山口准教授訴訟に関する報告

2017年4月3日

3月28日、岡山地裁において、岡山短期大学(岡山県倉敷市)に勤務する山口雪子准教授が、同短大に対し、視覚障害の悪化を理由に事務職に配置転換されたことは違法、無効であるとし、当該業務命令の撤回等を求めて起こした訴訟の判決が言い渡されました。
 裁判所は山口准教授の主張を概ね認め、山口准教授が、短大側の行った授業を担当させず、学科事務のみを担当させるという業務命令及び研究室の明け渡しを命じる業務命令に従う義務がないことを確認するとともに、授業外しを受けた平成28年度、授業をすることができないことで、山口准教授が、学問的研究を深め、発展させることができなかったことは不法行為を構成するとして、短大側に110万円の慰謝料の支払いを命じました。
 この訴訟で短大側は、視覚障害の悪化した山口准教授は、「教員不適格」であり、授業外しは正当であると主張したが、裁判所は、山口准教授は適切な合理的配慮があれば十分に授業を行うことができたとし、短大側の主張を退けました。
 全体としてみれば、随所に「障害補助」という文言が見受けられ、差別解消法や改正障害者雇用促進法の「合理的配慮」を念頭に置いて作り上げられた判決であると評価できます。