新国立UDに関する実施設計期間WSの完了

2016年11月10日

 9月28日、新国立競技場整備事業大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体(以下「大成JV」という。)の事務所において、「新国立競技場ユニバーサルデザイン設計に関するワークショップ」が開催され、日本盲人会連合からは宮城正理事が出席しました。

 ワークショップ参加者は、大成JV、ユニバーサルデザインの見識がある有識者と障害種別からなる障害者団体とで構成され、視覚障害者団体からは、日本盲人会連合が初回から参加し、意見や提案を行ってきました。

 その結果、視覚障害者に対する配慮として次の事項が実施設計結果として提示されました。
 1.誘導ブロックは、敷地内の建物外部においては、凸点の高さ5mmのブロックを、競技場内においては、1層コンコース部分に2.5mm屋内用ブロックを敷設する
 2.エレベーターは、音声案内に加え、指先で階数を確認できる浮文字型の操作ボタンを設置する。操作ボタンに並行して、操作パネルと一体型の点字を設置する
 3.エスカレーターは、誤進入による事故を防止するために、エスカレーターの上下端に注意喚起ブロックを敷設すると共に、光電装置により逆進入を音声で知らせる計画とする。また、弱視者への対策としてエスカレーターの進行方向を表示灯により案内する
 4.音声誘導システムは、トイレ入口前、エレベーター、エスカレーター等の位置に設置を行い、安全に誘導する
 5.一般トイレの内部案内については、入口付近に音声案内付触知図を配置しトイレ内の構造を把握しやすくする計画とする
 6.補助犬トイレは、屋内に一箇所、屋外に一箇所配置する。屋内用のトイレが集中した際にはアクセシブルトイレの使用も可能とする。屋外用のトイレに関しては、庇下に設置することで天候による影響を最小限にする計画とする
 7.サイン計画は、専門家のご意見を頂きながら、ロービジョンに配慮したものを計画した。一部サインについては視認性の観点から施工時にモックアップ(実物大の模型)を製作し、検証を行う。