第13回本間一夫文化賞決定のご報告
2016年10月12日
日本点字図書館の創立者・本間一夫氏の業績を記念して、視覚障害者の文化向上に貢献した個人・団体に贈られる本間一夫文化賞の第13回受賞者が、特定非営利活動法人てんやく絵本ふれあい文庫代表岩田美津子氏(64)に、選考委員の全員一致で決ました。
岩田氏は先天性の全盲の主婦で、「わが子に絵本を読み聞かせ、絵や文字を一緒に楽しみたい」という母親としての思いから、ボランティアらと協力し、試行錯誤の後に「点訳絵本」を発案し、1984年、大阪市にある自宅で「点訳絵本の会岩田文庫」を開設しました。蔵書は現在10360タイトル、年間貸出数は4544冊、活動を支えるボランティアは約130名。
また、郵政省(当時)に働きかけを行い、1987年に点字絵本の郵送無料化を実現し、その推進にも大きく貢献しました。岩田氏の32年にわたる功績は、点字文化を大切にした本間一夫氏を記念した同文化賞の原点に立ち返るものであると評価され、今回受賞の運びとなりました。