東京国際映画祭でUDCast体験上映会開催

2015年11月5日

 第28回東京国際映画祭が10月22日~31日にかけて、東京都内の映画館を会場に開催され、その期間内である29日には、NPO法人メディア・アクセス・サポートセンター(MASC)共催のバリアフリー企画「映画の未来」が、六本木のTOHOシネマズを会場に催されました。

 5年目を迎えた今年は、当事者や関係者・プレスなど多くの来場者が、メガネ型端末やiPhoneなどを利用し、視覚障害者や聴覚障害者に配慮された新しい鑑賞システム「UDCast」で映画を楽しみました。上映作品は是枝裕和監督「海街diary」。UDCastはスマートフォンなどに提供されているアプリと連携し、スマートフォンのマイクが拾った映画の音声を解析し、字幕・音声ガイドと同期させるシステムとなり、映画館など提供する側の設備投資の負担軽減が期待されます。

 上映終了後は、シンポジウム「バリアフリーから広がる新しい観客との出会い」が開かれ、関係者が登壇し導入事例について報告を行いました。パネリストであり、自身も視覚に障害を持つNPO法人シネマ・アクセス・パートナーズの小高公聡理事長は、「映画は心で感動するメディア。視覚障害者・聴覚障害者でも趣味は映画鑑賞ですと言えるような世の中になって欲しい」と今後に期待を込めました。

 国際映画祭と共催で行われてきたこの上映会は今回で終了となり、今後は一般の映画館での導入を目指します。