第5回点字考案200年記念事業 「記念講演会&シンポジウム」

2025年10月24日

開催日時 

日時:2025年11月1日(土)13:00~16:30
会場:日本視覚障害者センター 研修室
オンライン(Zoom、YouTube)

主催:点字考案200年記念事業推進委員会

後援:全国盲学校長会 特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会 毎日新聞社点字毎日

講演者プロフィール

  • 愼 英弘 (シン・ヨンホン)氏:四天王寺大学名誉教授

 1947年に東京にて出生。小学3年生のときに原因不明で失明。その3年後に盲学校に編入。そのときに点字と出会い、以後点字使用者。
「点字はわが人生の導きの羅針盤」。 
 大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。1997年に花園大学社会福祉学部の助教授、その後に教授。2003年から四天王寺大学大学院人文社会学研究科の教授、2017年に定年退職、四天王寺大学名誉教授。著書に『点字の市民権』(生活書院、2010年)、そのほか著書・論文多数。

座右の銘は「情けは人の為ならず」。

シンポジストプロフィール

  • 山岸蒼太氏:毎日新聞社点字毎日部記者

 1993年長野県にて出生。先天性緑内障で幼い頃は弱視、5歳ごろから全盲。地元の小中高を卒業。点字等を長野盲学校で学ぶ。立命館大学産業社会学部卒業後、関西学院大学大学院社会学研究科で社会学を専攻。視覚障害者の個人史や障害当事者運動の経験をテーマに研究。2024年より点字毎日記者。25年より毎日小学生新聞にも執筆。近年は「地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)の点字教科書等の保証を求める会」や「全国視覚障害児童・生徒用教科書点訳連絡会」の事務局などに関わっている。

  • 鈴木祐花氏:日本視覚障害者団体連合青年協議会会長

 1990年福島県にて出生。福島県立盲学校(現視覚支援学校)高等部普通科卒業。2013年に四天王寺大学人文社会学部人間福祉学科卒業後、福島県庁入庁。職員研修課を経て、2017年より障がい福祉課に勤務。障がい者芸術作品展や盲導犬ユーザー受け入れセミナー、民間企業を対象とした合理的配慮セミナーの企画担当に携わっている。

  • 渡辺昭一氏:日本点字委員会会長

 1952年兵庫県にて出生。先天的な弱視により中学3年より点字使用、55歳ごろには緑内障を発症し完全失明。大阪市立盲学校高等部専攻科2部理療化卒業。1981年立命館大学Ⅱ部文学部卒業後京都ライトハウスに勤務、2019年に退職後日本視覚障害者団体連合情報ステーション長就任。2022年より同点字図書館長就任。1990年より日本点字委員会事務局員、2018年会長就任。

開催趣旨

 今年は、フランス人ルイ・ブライユが6点点字を考案してから200年という節目の年にあたり、日本においては、1925年に普通選挙法で「政令で定めた点字は文字としてみなす」として、点字による投票が実現してから100年になります。この機会に、点字を文字として位置付ける法整備の実現に向けて、記念講演会とシンポジウムを、ハイブリッド方式で開催します。

 プログラム

司会:奥野真里(日本点字委員会事務局員)

13:00 開会・主催者挨拶

 竹下義樹(点字考案200年記念事業推進委員会委員長)

13:10~14:10 記念講演

「点字の市民権拡大における課題」

 愼 英弘 (シン・ヨンホン)氏(四天王寺大学名誉教授)

14:10~14:20 休憩

14:20~16:15 シンポジウム 

「現代における点字の意義と近未来の展望」

コーディネーター

 青木隆一氏(淑徳大学総合福祉学部教育福祉学科教授)

シンポジスト

 山岸蒼太氏(毎日新聞社点字毎日部記者)

 鈴木祐花氏(日本視覚障害者団体連合青年協議会会長)

 愼英弘(シン・ヨンホン)(四天王寺大学名誉教授)

 渡辺昭一氏(日本点字委員会会長)

16:15~16:25 アピール(案)

 髙橋惠子氏(日本点字普及協会理事長)

16:25 閉会の挨拶

 長岡雄一(日本盲人社会福祉施設協議会理事長)  

 

~日本点字法の実現に向けて~ アピール(案)提案

 本年は、1825年にフランスのルイ・ブライユが6点点字を考案してから、200年という記念すべき年である。また、わが国が世界に先駆けて、1925年に、国の公職選挙である衆議院法において、点字投票を有効なものとして位置付けてから、100年という年でもある。 
 点字は、視覚障害者にとって単独で読み書きできる唯一の文字としての表現方法である。ルイ・ブライユが6点点字を考案し、全世界に普及したことによって、世界の視覚障害者は、点字による教育を受ける機会を保障され、文学をはじめとする文化芸術に親しむことができ、幅広い職業に従事することも可能となった。
 しかし、それにもかかわらず、わが国においては、残念ながら、今日においても点字が公的な文字として明確には位置付けられていない。
 2006年に成立した読書バリアフリー法及び2022年に成立した障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法においてさえも、視覚障害者が点字による情報提供を受ける権利を明確には規定していない。そのため、障害者差別解消法によって、全ての公的機関や民間事業者に対し、合理的配慮の提供が義務化された今日においても、視覚障害者が点字による情報の提供を求めることや、点字によって公的手続きを行うことの権利などは保障されているとはいえないのである。
 国政選挙や都道府県知事選挙における選挙公報の発行は、公職選挙法において義務付けられているにもかかわらず、点字の選挙公報は法的な位置付けがないため、各選挙管理委員会が、日本盲人福祉委員会視覚障害者選挙情報支援プロジェクトが作成する「選挙のお知らせ」を任意に購入し、選管が把握している利用者に配布しているに過ぎない。また、候補者が点字広報への掲載を拒否しても放置され、責任の所在も不明確のままであり、情報提供も行われない。
 このように、公職選挙においてすら、点字使用者への合理的配慮の不提供は放任されている状況と言わざるを得ないのである。
 そこで我々は、視覚障害者の自立と社会参加にとって、点字が必要不可欠なものであることを公的あるいは社会的に認知されること及び、視覚障害者が要望すれば、点字による情報提供が速やかに実行されることを願い、また、点字の普及と発展を期するため、日本点字法(仮称)の1日も早い実現を強く求めるものである。

2025年11月1日

点字考案200年記念事業推進委員会

 

パンフレット

 

第5回点字考案200周年記念講演会

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YouTubeライブ

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