旧優生保護法に基づく強制不妊手術等の調査について
本連合は、本年9月より「旧優生保護法に基づく強制不妊手術等の調査」を進めてまいりました。
このたび、調査結果と本連合としての今後の方針をとりまとめましたのでご報告いたします。
平成30年12月27日
旧優生保護法に基づく強制不妊手術等の調査について(調査結果) 社会福祉法人 日本盲人会連合 1.調査期間 2.調査依頼先 3.調査内容(依頼内容) (2)調査2 地域の視覚障害当事者に対する調査 (3)調査3 視覚障害者入所施設に対する調査 4.有効回答数 (※1)本調査が個人のプライバシーに係わる等との理由で、調査の実施が困難であった団体が存在するため、回答率は59.0%になり、全国の実態を把握するまでには至っていない。 5.各調査の集計結果 (2)調査2 地域の視覚障害当事者に対する調査 「①ある」4件の内訳(被害者数) (3)調査3 視覚障害者入所施設に対する調査 (※2)掲載をした内容は「障害者が強制不妊手術を受けた記録」の有無についての集計であり、「視覚障害者の被害者がいるかどうかの記録」の有無についての集計ではない。ただし、「①ある」においては、視覚障害者の被害者は確認できなかった。 (※3)他の項目に回答はあったが、該当項目を空白(無回答)で回答をした場合、この「④無回答」に割り振る。 6.調査から確認できたこと 〇資料では、障害の詳細な内訳が記載されていない資料(※4)が多く、自治体に対する調査からは、視覚障害者が被害にあった実例を把握することは難しい。 (※4)確認できた資料における障害の内訳について (2)視覚障害当事者向けの調査について 〇被害事例から得た情報では、女性の被害者が大半であり、学齢期に親の判断で不妊手術をさせられたり、成人して妊娠をした際に身内の判断で中絶手術を受けさせられる等、家族の判断で強制的に手術が行われた傾向があった。 〇強制手術を受けた可能性が高い盲重複障害者については、親族等から情報提供があり被害者の存在は確認できたものの、明確な被害内容は判明できなかった。重複障害であるがゆえに自身の意思を表明することが出来ず、盲重複障害当事者から被害内容を実証することが難しいという課題も判明した。 〇一方で、調査に協力した地域の当事者団体からは、会員等に情報提供の呼びかけやヒアリングを行ったが、プライバシーに係わる内容になるため、会員に対しての調査依頼がしづらいとの意見があった。被害者が安心して申し出ることができるようにするためには、プライバシーを守れる信頼性のある第三者機関が必要と思われる。 (3)視覚障害者入所施設向けの調査について 〇なお、仮に入所者に手術痕があり、この点を職員が把握したとしても、本人からの申し出や了解がない限り、個人のプライバシーの観点から施設として回答が出来ない部分もある。 (4)調査のまとめ 〇しかし、強制不妊手術の被害にあったことを申し出ることは、個人のプライバシーに係わる内容を含むため、申し出ること自体が難しい背景がある。そのため、視覚障害のある被害者は、今回の調査で判明した人数よりも多い可能性はある。 (5)求められる被害者対応について (6)日本盲人会連合の今後の対応について 〇また、被害にあった視覚障害者が存在する可能性があることを踏まえて、本連合内に、被害者が安心して相談できる窓口を作ることを検討する。 |