点字の選挙公報
7月10日には参議院選挙の投票がありました。何票の点字投票があったかは知りませんが、その数は私たちの政治力となって評価されることになります。日本には厚生労働省の発表で31万人の視覚障害者がいます。そのうち、点字を使用している人は2~3割程度でしかないかもしれません。そして、点字使用者の何割が点字投票をしたのかが問われることになります。
ところで、皆さんは投票に行く行かないにかかわらず、点字の選挙公報を読んでいますか。点字版であれ、拡大文字版であれ、録音版であれ、それらは正式には「選挙のお知らせ」と呼ばれています。なぜでしょうか。それは法律のうえで、視覚障害者のための選挙公報は正式には発行されていないからです。
日盲連を含め、多くの関係者の努力で国政選挙では点字、音声または拡大文字で選挙公報が作成され、希望者に配布されています。それがすべての視覚障害者に、希望する媒体で配布されてはじめて視覚障害者にとって参政権が保障されたと言えるのです。国民主権の保障という観点からも、情報保障が確実に行われるようにさらなる運動を強化しなければなりません。
私たちの仲間には、点字の選挙公報を「無駄だ」と言っている人もいるようですが、みなさんはどう思いますか。選挙を大事にしないと私たちの声が政治を動かし、社会保障の充実を勝ち取ることはできなくなります。